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【管理職向け】突然の退職者を出さないために Part.3

Part.1「自身の振り返り」では管理職自らが退職の要因となっていないかを確認し、その原因とならないように振り返ることがまず大事だとお話ししました。
Part.2「‘管理職’という立場」では、管理職にとって突然の退職者を出してしまうということがどのようなことに繋がるのかをご紹介しました。

今回のテーマは、Part.3『個人面談』です。
具体的で非常に効果的な手法ですので、是非参考にして頂けたらと思います。

Part.3 『個人面談』

日頃より部下の不平不満にどれだけアンテナを張れるかは重要な管理職の業務ですが、通常の業務を行いながら全ての部下の細部まで目を光らせることは部署の規模にもよりますが、正直厳しいと思います。
ましてや管理職は部下の管理だけではなく、会社からの大事な数字も管理していかなくてはなりません。

それでもPart.2で述べたように、突然の退職者が出てしまうことは、自身や部署に大きな影響を与えてしまいますので是が非でも防ぎたいところです。

ではどのように管理したら良いのでしょうか?

◇まずは、より細分化して管理を委譲しよう

先述の通り、一人で管理することは難しいと思います。
できてもせいぜい10人程度でしょうか。
ですので、部署内をいくつかのチームに分け、そのチームごとにそれぞれ管理させようというわけです。
仕事の業務分担を行うことと同様ですので、ご理解しやすいかと思います。
以下の流れで進めます。

  • 部下をチーム制に分けます。

  • それぞれのチームにリーダーを配置します。

  • リーダーに、管理権限を一部委譲します。

  • チームごとに部下の状況を定期的に自身(上司)へ報告させます。

これで労力を少なくした管理を行うことができます。
報告頻度は最低週1回で、緊急時や異変時は即時報告が原則です。
このようにピラミッド型の組織を作ることで、管理効率をあげるとともに部下の育成にもつながります。
自身はそのチームリーダーとコミュニケーションをとり、チームごとの状況把握やリーダーの教育を行います。
以前よりも少ない人員の管理で済むことができ、行き届きにくい部分まで間接的に目を届かせることができます。

◇報告内容からリスク分類をする

リーダーからの報告で注視すべき人物が浮かび上がります。またその原因と思われる部分が何なのかも以下のような段階を踏んで、リーダーと共に探っていきます。

  1. 経過観察:一時的なものかどうか様子を見るレベル

  2. 注意段階:パフォーマンス低下、コミュニケーション頻度の低下が見られ、声掛けが必要なレベル

  3. 危険領域:部署内や同僚に影響が出始め、本人の退職なども想定され、即面談が必要なレベル

管理職はリーダーから細かく状況をヒアリングしてください。
ここでのヒアリング不足は“致命的”です!
なるべく多くの事実を集め、自身が判断できる情報を集めさせます。
また、そのようなリーダーを育てることも管理職の業務の一つとも言えるでしょう。
(リーダーが育てば育つほど、自身の管理もどんどん楽になりますよ笑)

◇部下との個人面談

目的は、「退職に向いている思考を止めること」と「その原因を明らかにする」ことです。
以下の内容を押さえて面談を行いましょう!

  • 日々の仕事の状況を聞く(注:いきなり本題に入らない)

  • 人間関係をヒアリングする(上司・先輩・同僚・部下)

  • 何も見えてこない場合は、自分が相手に感じたことを伝え警戒を解く。(あなたの表情が少し気になって…等)

  • 課題が見えたら、その解決方法を考える。(できれば一緒に解決方法を見出し、本人自身が解決できるように導く)

注意事項として、話の中で聞いたことの守秘義務はもちろんですが、依頼を受けたり、行動を約束したら、是が非でも早急に対応してください。なかなか対応をしなかったり、対応を忘れてしまったりすると逆に大きく信用を失います。
約束したことはきっちり守ることを心がけて面談してください。話を聞く以上はそれに対する誠意を見せる必要があります。

◇退職の話になったら…

もし話の途中で「退職」の話が出た場合は、以下のように対応していきましょう。

  1. 原因を探り、解決案を提示する。(「こうしてみれば?」と指示をするのではなく、一緒に考えることが望ましい)

  2. その原因自体を見極める。(本人が単純に仕事から逃げたいのか、身体的・精神的ダメージがどの程度なのか)

  3. 本人が対処できない問題であれば、管理職として上司が迅速に解消する。(他部署との交渉、人間関係など)→ここのスピード感はかなり重要!

  4. 本人の今までのキャリアの確認(歩んできた軌跡)と今後のキャリアアップについて話し合う。(やる気を出せるように誘導していく)

なるべく初期の段階で、退職の要因となる不穏分子を消していくことが、退職者を出さないためには重要なことです。リーダーとの報連相の回数を増やすなど、日頃よりアンテナを高くしておきましょう!


まとめ

「退職する」ということは決して悪いことではありません。
キャリアアップやチャレンジなど、多くのメリットも転職にはあると思いますし、逆に今の場所がしんどくて最適ではないケースも多々あります。
様々な事情の中で人は流れていくものです。(決してマイナス要因だけではないということです)

しかし会社側にとっては、今まで育ててきたものが無駄になり、人員補充をするために人事部は採用をかけないといけないので、また別のコストが計上されます。そしてまた一から教育です。
上記のように致し方ない部分も否めませんが、防げる不要な退職は未然に防ぎ、社内でスキルアップして末長く会社に貢献してもらいたいものです。

“突然の退職者”を出さないためには、日頃からアンテナを高く張っていないとわからないことが多いと思います。
部下がどうだというより「優先することは会社の業績だ」とおっしゃる方もおられると思いますが、結局は「ヒト」無くして会社は運営できません。

経営改善は『ヒトの改善』でもあると私は思います。
様々なヒトに向き合い、協働して、成果をあげていくものです。

“ヒトの、ヒトによる、ヒトのための経営改善”なのだと思います。
綺麗事ではなく、ここが肝なのだと私は信じて疑いません。

Part.1〜3にかけて「突然の退職者を出さないために」をお送りしてきましたが、皆様の課題解決の一助となれば幸いです。
またコメントも是非いただけますと嬉しいです。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

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