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2024年10月25日 泥の如き眠気


今朝は、起きた時からひどく眠たく、
眠気を覚ますために、
お茶を飲んでも、
朝ごはんに焼き芋を食べても
(とても美味しかった。紅はるかの焼き芋をスーパーで購入)
ぼんやりしていました。
陽が登るのが遅くなってきたようで、
朝の準備をしている時間帯はまだ暗く、
ほとんど夜でした。
さほど冷え込んでないものの、暗く、静かでした。

職場へ辿り着いてからも
すべてが少し遠く感じられます。
職場で誰かと話をするのも、
仕事に取り組むのも全く問題なくできるのですが、
目を閉じて、しばらくすると、
立ったままでも眠れるのではないか、
本当に寝てしまえるのではないか…というほどの
眠気はずっと続いていました。
そんな眠気があっても
仕事ができるのにはホッとしたのですが
そうして息を吐いた後、そのまま眠れそうです。

どうしてこんなに眠いのでしょう。
今朝は確かに朝がいつもより早かったわけですな、
とはいえ、あまりにも眠たいのです。
強い眠気のせいで、
世界と私の間には、すりガラスが、
もっと言えば、寒天ゼリーのような膜があるような感じがします。
何もかもが少し遠く、
音もちょっとだけ、小さく、
色々なものの輪郭も滲んでいるような気がします。
仕事に励みながら、これが全部夢だったとしても驚かない、と思いました。
むしろ、大人も長くなってくると
自分の眠気が尋常でなくても、
それはそれとして、仕事ができるということの方に驚きました。
私も大人になったものです。

眠気がすっきりと消えたのは、
職場の偉い人が
アルフォートを配ってくれた時と
ヨックモックのシガールを配ってくれた時と
それらを食べた時です。
アルフォートは薄い水色のパッケージのほうが断然美味しいと思っているのですが、
そちらの方をちゃんともらうことができました。
ヨックモックのシガールは、相変わらず、お菓子なのに美しい造形でしばし、その焼き色に見惚れました。
ちなみにどちらも予想通り、大変美味しかったです。
食べ終わった後にはまた、ひどく眠たくなってしまいました。
ちなみに、休憩と頭痛対策に、ブラックコーヒーを少量、飲んだのですが、
全く効いた感じはしませんでした。
偏頭痛の時には、ブラックコーヒーがそれなりに効くというのに
眠気覚ましには、まるで効かないのは、
以前から、大きな謎です。
漆黒のすでに参加し始めたコーヒーは、ただの苦い水でした。

ですから、定時で上がり、帰路についてもまだ眠いのです。
大きなスーツケースを持って通路を塞ぐ外国人観光客を見ても何とも思わず、
混み合った車内にも何も思わず、
スーパーで進路を邪魔する家族連れにも何も思わず、
ただひたすら眠気にとらわれています。
いつもだと感じる微かな苛立ちは、眠気のせいで感じません。
泡にもならずに消えていくのです。
何を見ても、強い眠気がそれをコーティングして、
無意味化させます。
人はあまりにも眠いと無感動になるようです。
眠気が泥のように感性を覆ってしまい、働かなくなるのです。
ただありのままを見るというのは、こういうことなのでしょうか。
眠いという感覚以外は、ものすごく薄くなってしまっています。
それもこれは必要な泥なのでしょうか。
少しくらい感性を休ませた方が良いということなのでしょうか。
確かに、この状態からいつもの自分を振り返るとあんまりにも、色々と感じすぎです。
これくらいの解像度で世界を眺めてみるのも悪くありません。
解像度の悪い世界が不幸だなんてことはないのです。

このまま、この泥のような眠気に襲われるまま目を閉じて、
深い眠りにつけたら、さぞかし心地よいだろう…と思いながら、
この文章を書いています。
強い眠気の原因は、色々考えたら、検索してみたりしたのですが皆目見当がつきませんでした。
寒暖差に身体がついていけなくて、疲れているというのが最もらしい理由な気はしますが、さてどうでしょうか。

粘度のある眠気が、まとわりつき、濃厚さをましています。
もしかすると泥のような生命体に侵略された時も、
こういう感じなのかもしれません。
感性が鈍っていくので、怖いという感じもなく、むしろ、安寧が近づいてきているような気さえするのです。
この泥の中に沈んでいけば、嫌なことすらも、感じなくて済むようになるのではないか…と思えてしまうのです。
甘美な鈍麻。
ただ、飲み込まれていくばかりなら、そこに恐怖はありません。
そして、この状況は、何かに似ています。
私たちが置かれている何かの状況に…。

このまま眠ってしまっても良かったのですが、
ドリップコーヒーを入れて、飲むことにしました。
眠気は残っていますが、少し、シャキッとしてきました。
泥のような眠気への小さな反抗です。

衆議院選挙が、週末にあります。
諦めに飲み込まれないで、皆さん選挙に行きましょう。
白票でなく、誰かの名前をぜひ書いてください。

泥に飲み込まれないためにも。


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千歳緑/code
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