ちょんまげぷりん

ちょんまげぷりん
荒木源・小学館文庫
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映画
監督・中村義洋/主演・錦戸亮
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もう今日は時代物関連の投稿日ってことにしてしまえ。

こちらも小学館の発行物ですね。錦戸亮さん主演で映画にもなってたんで、ご存知の方も多いかもしれません。ていうか錦戸さんこれで初主演だったのか。大変堂々たる安兵衛さんでしたよ。面白かったのでぜひ。
…って!この作品の中村監督、「忍びの国」の監督もやってるじゃないですか!さっきの「のぼうの城」の原作者の和田竜さんの作品ですよ。あれもすごい面白かった!うわーそれも感想文書きたいと思ってたのに。時代物の連鎖ひどくない?これもそのうち書くわー書くわよーーわかったよもうーーー。本とか映画とかってこういう連鎖をするわよねー。興味が広がるわーー楽しいわーーんもーーー。

で、ひとまずぷりん。こちら元々書籍で出てて、その時のタイトルは
「ふしぎの国の安兵衛」
だったんですよね。確か雑誌かなんかで、男女の役割分担だとか男性の家事だとかのコラムぽいものがつく形で紹介されてたのを見かけて、
「へー面白そう」
と思って買って読んだんですよ。
そこからしばらくたったあとに、本屋で文庫見かけて、表紙が上條淳士さんの美麗な絵で、タイトルが「ちょんまげぷりん」でしょ。なんだこれって買って読んだら、あれなんかこれ知ってるな…?って。
調べたら書籍の安兵衛は2006年発行で、文庫のぷりんの方は2010年発行ですね。両方とも発行されてほぼすぐに買ってるから、4年越しによく同じ本を手にとったな私よ。今でもそうなんですけれど、意識しないと作家さんの名前きちんと見ないんですよね。なので買って帰って本棚見て
「あれ、同じ名前の作家さんだ」
て気がついたりするんです。ちなみに小説の荒木源さんの本、家に「オケ老人!」と「ヘビメタ中年!」がありました。これも折を見て感想文書きますけれど、なんだろ…好みが似通ってるんだろうか…無意識に同じ作家さんの本買うってそんなにいっぱいは無いと思うんですけれどもね。ちなみにオケ老人も映画になってますね。わかるわかる。映画の題材にしやすそうな作品が多いものね。
(ちなみに気に入ったらごそっと作家買い・作家流しをすることはよくあるので、お名前全然覚えないわけではないんです)

先の「安兵衛」を買うきっかけになったのが「男女の役割分担だとか男性の家事だとかのコラムぽいものの添えられた紹介文」と書きましたけれど、その当時から家事だのの生活感あふるる作品が好きだったんですね私よ…
おおまかにあらすじを書くと、母一人息子一人家庭のシングルマザー「ひろ子」が、江戸時代からタイムスリップしてしまった安兵衛さんを拾って家に置くってところから話が始まるんですね。物騒だなひろ子よ、って思わなくもないんですが、まあわからんくもない…と思える説明は一応あるので、そこはフィクションだと思って読み進めてください。
で、安兵衛さん現代に馴染みはないし、ひろ子は仕事で忙しくしていて家のことに手が回らないので、安兵衛さんを家に置くかわりに家事一切をやってもらうことになるんですね。
女親に子供が男の子なので、子供の「友也」にとって安兵衛さんが父親のような役回りもすることもあって、思いの外お家がうまく回りだしたところ、とあるきっかけからお菓子作りを覚えた安兵衛さんがテレビに出ることになり…と、最初のご家庭ものからちょっと意外な展開を見せて、最後はちょっとさみしい空気を出しつつもめでたしめでたし、て流れです。そこは裏切らないので、途中は多少はらはらしつつも安心して楽しめる作品です。

最初に出た書籍の安兵衛さんと文庫のぷりんの1巻と映画が同じ内容で、文庫の2巻が続きになってます。友也が中学生に育ってて、ちょっとひねくれちゃってます。おっ、おまえっ!あんないい子だったじゃないか!何があったというんだよ!(ちゃんと説明されてます)
友也がどうなって安兵衛さんがどう絡むかは実際に読んでいただいたときの楽しみとして書くのを控えておきますが、1巻だけでも十分楽しかったんですけれど、2巻まで読んだら色々スッキリ、となります。好みのスッキリかどうかは分かれるところではありますが、幸いにも電子書籍でも買えますので、1巻読んで面白かったらそのまま2巻もぽちっとするので良いのではないかと思います。荒木さんの文章は親しみのある優しい文体で、そう難解な表現も無いですから、特に好みには大きな左右をされないと思います。

この手の家事小説、掃除もののコミックエッセイなどもそうなんですけれど、
「荒れた生活がどんどん良くなっていく流れ」
の爽快感がすごい大事ですよね。そこは丁寧な描写がされていて何の問題もありません。雑でなく、かといってくどすぎず、登場人物を貶めることもなく。文章でも気持ちの良い内容ですが、錦戸さんの見目や所作がきれいなので、活字読むのは少しめんどくさいな、て人は映画で楽しむのも気軽で良いかと思います。お菓子おいしそうなのでおなかすいた時には注意ですよ!

昨今はなろう小説だとかで異世界トリップものが全然珍しくないですけれど、主人公が飛ぶ側ではなく、飛ばされた人を保護する人の視点なので、なろう小説慣れしてる人は逆に新鮮かもしれないですね。わたしはなろうを知る前にこちらの作品を読んでしまったので、そこに面白さがあった場合はもう味わうことが出来ないんですけれど、もし興味を持たれたこの作品未読のなろう読者さんがいらしたら、ぜひ感想を伺ってみたいものです。

ぷりんがお好きな人や、錦戸さんファンの人、トリップものが気になる人、家事やってくれるお侍さんが気になる人などはぜひぜひ。

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進藤ウニ
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