【読書ノート】44「水と原生林のはざまで」アルベルト・シュヴァイツァー
アルベルト・シュバイツァーはドイツ出身の哲学者、神学者、医者で、アフリカのガボンでの医療等にその生涯を捧げ、ノーベル平和賞を受賞した。この本は1921年に出版されたもので、第一次世界大戦勃発前後の4年半にわたるガボンでの活動の記録である。意外なことに本書では現地で医療活動の詳細よりむしろ、ガボンの黒人社会の有様や彼らの生活、またそこに滞在している白人たちの木材ビジネス、キリスト教伝道の様子などの方に多くのページを割いている。今から100年ほど前の西アフリカの奥地の様子が生き生きと伝わってくる。本書は1957年に翻訳出版されて版を重ねているが、やはり名著だと思われるので第一次世界大戦後の活動記録であるランバレネ通信 (シュヴァイツァー著作集に収録) 共々、(光文社あたりから)新訳をぜひ出版して欲しい。
(2023年7月12日)
「ヤングインディジョーンズ」のこの回にシュバイツァー博士が登場する。
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