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【国立民族学博物館】怖くてキモい?いいえ、それはその地域の普通です
特別展も合わせ3ヶ月に1回は通っているお気に入りの博物館、それが大阪・万博記念公園内にある【国立民族学博物館】です。
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自宅から万博記念公園までは結構な時間がかかるので大変なのですが、太陽の塔を間近で見ると
うわー!うわー!すげー!って全部チャラになるからよし。
やっぱタローさんかっこいいよ。
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今回、実は特別展開催の開始日を勘違いして行ってしまったのですが、そういえば愛する国立民族学博物館のことをnoteに書いたことなかったなと思い、初めて写真を撮ってきました!
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この博物館は有名建築家・黒川紀章さんの設計で、さすが多くの博物館を手がけてこられた方だなと思わせる作りです。
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建物にぐるりと囲まれた中庭には、古代遺跡を彷彿とさせる石積み階段と泉があって、いまにも祭祀が行われそうな雰囲気。
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展示物も豊富で、展示してないものも合わせるとなんと約34万点の収蔵品があるんだとか。
収蔵庫どんなデカさよ!?ってビビります。
世界中色んなエリアの資料が所狭しと展示してあるので、3時間くらいはあっという間に過ぎてしまいます。
毎回、石貨やソウラヴァやムワリを見ては
「おお…これが文化人類学の本に書かれていたあれか…!」
と感動してしまいます。
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入ってすぐに目に入るのはやはり大きな木造の塔のようなものたち。
これは楽器なんですが、とりあえず思うのは
「どうやって日本に持って帰ってきたんや」
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内側のくりぬきのノミ痕も荒々しく、表面には木の棒で叩かれた痕跡もあります。
どんな音がなるんだろう、こんなに大きいのだから複数人で叩くんだろうか、叩くリズムはどんな感じなんだろうかと想像が尽きません。
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こういう鎮魂などの儀式に使われるような塔にもそれぞれにどんな意味があるのか気になって仕方がありません。
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身体には明らかに模様を削り出した形跡があり、これがこの地域のイレズミなのか、はたまた呪文のようなものなのか。
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彫っているところに
強い意志を感じる
その隣の塔にも不思議な所があって、左手は黒く塗られている六本指、右手は白く塗られている五本指なのです。
その部族では重要な意味を持つものであろうから、単に間違えたってことはないと思うんですよね。
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とまぁこんな風に、毎回360度ぐるりと隅々まで見ては新しい発見が無いかと探しているので、えらい時間がかかります。
それにしてもここの展示物を見ていると、国は違えど人間って連続した柄や曲線を伴った柄や造形(唐草模様みたいなん)が好きなんだね、って思います。
あと丸でも歪んだ丸はあまり使われていないように思います。
途切れずちゃんと繋がった丸って言った方がいいのかな?
心理学かなんかの本で、人間は繋がってない丸を見るとそこから何かが出てくるのではないかという、太古に植え付けられた危機回避本能が働き、不安に感じると読んだことがあります。
柄といえば、民族衣装や織物もたくさんあります。
これは帽子なんですが、めちゃくちゃかわいいでしょう?
刺繍やパッチワーク、レースやスパンコールがふんだんにあしらわれていてお気に入りの帽子のひとつです。
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こういう面白いアクセサリーもいいですね。
明らかにスプーンですよね。
なんでこれをピンとして使おうと思ったのか知りたいです。
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北欧のセレクトショップに置いてありそうな布巾。
これはパンをこねて発酵させるためのセットです。
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次に紹介するのは聖地メッカにあるカアバ神殿にかけられるキスワという垂れ幕で、黒い絹布に金糸や銀糸でコーランの聖句がぎっしりと刺繍されています。
これ、毎年イスラーム暦12月にかけ替えられるんですって!
宗教関係のものって曼荼羅ぽくなってるものが多いですよね。
ケルトの結び目模様とか、キリスト教のバラ窓とか、ヒンドゥー教のヤントラとか。
何かを中心として上下左右対称だったり、同円心上に広がるものに神秘的な働きを感じるのでしょうか?
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古いキスワは小さく切って
巡礼者に配るんだって
こういう織物・刺繍の色々な柄を見て、
これやったらこんなスカートにしたいなぁ
ワンピースでもかわいいかも!
とか妄想しはじめるので、またここでも時間が溶けていくのです。
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仮面も結構お気に入りです。
能面もそうですけど、自分以外のものになりきる、という行為が人間らしくて好きです。
この仮面は展示室に行くまでの通路にあるのですが、めっちゃ大きい仮面です。
仮面というより頭に斜めに乗せる(そらそうやろ)ものなんですが、この大きさの仮面被った人たちがわっさわっさとやってきたらだいぶビビります。
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敬われたりしていますよね
こちらはハイジの世界を想像してうふふ♪となるあの風光明媚なスイスで行われる民俗行事、シルベスタークロイゼで使われる仮面です。
だいぶぶっ飛んでますよね。
この手の仮面を付けた集団がヨーデルを歌いながら鐘を鳴らしてやってくるんですよ。
泣いてチビってしまいそうです。
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これなんかもう完全にペルソナシリーズに出てきそうな風貌。
黄泉の国に連れて行かれる系。
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世界のナマハゲ系の仮面もなかなかいい。
髪の毛を藁などの草をつかって表現している地域が多い印象。
あとは動物の毛。
この仮面は今回撮った写真の中でも特にお気に入り。
待ち受けにはしないけど。
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他には、この墓標も面白いです。
ルーマニアの「陽気な墓」(ネーミング最高)で、墓標には色んな文が書かれていて、右端のものは
「友人たちとテーブルでこの世のことを忘れるために美味しいバリンカ(果実酒の一種)を飲んだ。私は生きている間よく働いた。そして何を持って行った?服の代わりにまとっているこの丈夫な五枚の板(棺桶のこと)」
って書いてあります。
なかなかウィットのきいたテキストじゃないですか。
でも誰が考えるの、コレ。
遺言に書いてたりするんだろうか。
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肝試しにはむいてなさそう
楽器コーナーも大好きです。
ここには音声パネルがあって、いくつかの楽器の演奏を聴くことができます。
特に、何かを鳴らして音を出す打楽器は、おそらく人類文明の中でも最も古い楽器と言えるでしょう。
手を叩く、足を鳴らす、木の棒を打ち付ける、そういうリズムだけで言語の代わりとなっていたかもしれません。
実際、友人の打楽器奏者は日本語以外は全く話せないのにボンゴを持っていれば世界中の人と話せると豪語しています。
楽しい、悲しい、果てはお腹が減っているとかも表現できるらしい。
ほんまかいな。
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個人的に好きなコーナーはこちら。
世界の椅子。
世界なんたら会議とか色々やってますけど、偉そうな椅子にふんぞり返って座って話すから険悪なムードになったりするんじゃないかと思う。
自国の一般家庭で使われている椅子を持ってきて、それに座って、焚火でも囲みながら会議したら平和な世の中になるんじゃなかろうか。
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膨大な資料の内から少しだけ紹介をしてみましたが、世界は広いのだと実感できる博物館です。
もっと奇異なものもありますし、なんなら日本の人形やら仮面も結構恐ろしいです。
カニバリズム?うぁー!ってなるかもしれませんが、日本の切腹だってだいぶヤバいですよ。
西洋化されてなかったら今でもそれが続いていたかもしれない。
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博物館という視点でみると、これだけ世界中から集めた資料があったら、天然素材のものばかりだし生物被害対策も大変やろうなと思います。
先に書きましたが収蔵空間の確保どないなっとんやろう…すごいな。
タイ好きとしてはひとつだけ不満があって、本堂を再現したようなコーナーがあるのですが、仏像の背後の壁画はせめて須弥山か降魔成道図に変えてほしいです。
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2024年9月19日(木)~ 12月10日(火)の期間には、みんぱく創設50周年記念特別展「吟遊詩人の世界」が開催されます。
吟遊詩人なんてドラクエやファイナルファンタジーでしか聞いたことない人も多いのでは?
めっちゃ楽しそうな展示ですよね!
この期間中に、盲目の女性たちが一座を組み門付けなどをしながら地方を廻る旅芸人・瞽女(ごぜ)のイベントがあるのですが、そのチラシが良いデザイン。
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すんごい楽しめるので、みなさんも大阪に来たらぜひ立ち寄ってみてください!
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