地下神殿 【風詩】
目が覚めた。私の声で。
ぼうっと、ただ茫然と虚空を見上げる。
ピンと伸びた線を乗り換えていく。
床は、たしかな床
その腕は、いつかの塚
定かでない粗大ゴミは、
4部の歌を掃いている。
燃ゆ月、石を穿つ
囲み、私は食う
私が行っても、巨人たちは椅子を引き
私が消えても、巨人たちは椅子を引く。
風のように、どこから来たのかは知らない。
ただし、ここではない。
逃げよう。
時の渦がさかまく波の中に
さまよう私の中に入り込んだ。
遠くまで、もっと遠くまで……
走っても、等速で並ぶ。
奥には、石づくりのアーチの
あのドアが見えているのに……
せめてこれだけ、とあなたにもたれたかった。
目が覚めた。私の声で。
ぼうっと、ただ茫然と虚空を見上げる。
見上げる────
AGANCY
Photo by ねこ
「おでかけ,ときどき音楽」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?