見出し画像

うつとHSP

 「HSP」という言葉をご存知ですか?

 心理学界隈で久しぶりに流行って?いる言葉「HSP」は「Highly Sensitive Person」の略で、日本では「敏感さん」などの言葉で紹介されています。
 今回は「HSP」のお話です。


HSPとは

 まずは自分がHSPかどうか調べてみるのが早いかもしれませんね。こちらで調べられますし、「HSP セルフチェック」で検索いただいても色々出てきますので、ちょっとだけチェックしてみましょう。

 テストしてみて、なんとなく気付くかもしれません。
 一言で言うと「敏感」なのです。

 人の心の機微に敏感だったり、五感の刺激に敏感だったり。
 特に人の言葉や怒りや悲しみなどに敏感で、よく見られようと頑張りすぎてしまったりしてうつになってしまう方も多いと聞きます。

 HSPとは「性質」「気質」です。
 ある程度持って生まれたものなので、変えるのは非常に困難です。

 私もHSP気質で、人混みや満員電車の人の気配や静かなザワザワ感が苦手だったり、肌触りの悪いシーツでは眠れなかったりします。
 知人には「眩しい日差しが苦手なのでサングラスをしている」とか「出かけるのはできるだけ夕方」という人もいました。
 強い匂いが苦手、という人もいるようです。

 上記で挙げたのは主に五感の敏感さですが、たとえば暗いニュースが続いているSNSを見ると寝込んでしまうとか、近くに怒っている人がいると自分が怒られているわけではないのに怖いとか。そういう心の敏感さも含めてHSPです。

うつになりやすい?

 HSPの人は争うことが嫌いなので嫌なことを溜め込んでしまったり、頑張らなくちゃって自分を追い立ててしまったり、私ってこんなこともできないと自己卑下をしてしまったり、心を追い詰めやすいと言われています。

 これを繰り返しているとうつになりやすいですよね。
 実際、私の周囲のうつの方、HSPの方が多いです。

 とは言え、HSPは「気質」。
 そうなると、どう付き合うかがとても大きな問題になります。

 以前多かったのは「私はHSPだから、配慮してよね!」という人でした。繊細さんという言葉が一番流行っていた頃でしょうか。
 「繊細さん」という存在がとても美化されていて、多くの本も出ていました。
 勿論、そういう本に書かれていることは間違いではなく、HSPの人を肯定するために書かれたものばかり。
 勇気づけられた方も多いはずです。

 ですが、これって「私は怒りっぽいから配慮してよね」とか「私はセクハラしやすいから配慮してよね」と、乱暴ですが意味合いは同じです。

 そうして出てきたのは「自衛」という考え方です。

敏感さを自衛する

 たとえば眩しければサングラスをつけるとか、周囲の音が気になるならノイズキャンセリングイヤホンをつけたり耳栓をつけるとか。
 五感なら自衛ができますよね。

 これは認知療法も関わってきますが、怒って怖い人が側にいる場合、「自分が怒られているわけではない」と言い聞かせて深呼吸をするとか。
 「人にどう思われても、私は私」と思えるよう努力してみるとか。

 HSPでうつの人が本当にうつを乖離するためには、少しだけ考え方を変える必要があると私は考えています。
 無理してポジティブになる必要はありません(私はずっと認知療法を「無理してポジティブになるものだ」と誤解していて、損をしたなあと思ってます)

 たとえば、今日の占いを見たら、ランキング12位だったとしましょう。「あーあ、最下位だ……」と思うか「よし、これ以上は下がらないぞ」と思うかでその日の気分って変わってきますよね。あとは占いをすっきり忘れちゃうって方法もありますね。

 そんな風にものの見方を変えると申しましょうか。
 「考え方」と「行動」で「気持ち」を変える、それが認知療法で、HSPの人にはとても有効な手段だと思っています。

 HSPが悪いとは思わないでくださいね。
 私、パリオリンピックの開会式を見て感動して号泣した自分のこと好きですし、時々ひとりになりたくてベッドの上(=セーフティーゾーン)で何も考えずにごろごろしてる自分も好きです。

 再度言いますが、HSPは「気質」です。
 自分を大事にしながら、辛くないように世の中と付き合っていけるといいですよね。

趣味で書いているので、サポートは不要です。お気持ちだけいただくことに致しますね。