【仮眠による睡眠慣性の出現】
Umito / カラダ・コンサルティングの山本健太です!
理学療法士の資格を持って地域で予防の活動に取り組んでいます!
・睡眠について最低限知っておいてほしい情報
・睡眠習慣を見直す情報 を発信します!
前回は、メラトニンの合成に必要な栄養素についてお伝えしました!今回は、仮眠の利益と不利益について考えていきます!
仮眠による弊害
仕事や勉強の作業効率向上やパフォーマンスアップに効果的とされて、近年取り入れられている企業や学校が多くなっていますが、人によっては目覚めた時にかえって眠気や疲労感に襲われたり、その夜の睡眠において入眠困難となる人もいます。起床直後に眠気や疲労感が残っている現象は”睡眠慣性“と呼ばれています。仮眠により睡眠慣性が生じる要因には仮眠時間が長いことにあると考えられています。
一般に、通常の睡眠では、入眠後およそ30分で徐波睡眠に到達しますが、日中の仮眠で徐波睡眠が含まれると、睡眠慣性が高まると報告されています。つまり、深い睡眠に入ってしまうと目覚めてもなかなかエンジンがかからない状態に陥るため、浅い睡眠段階に留めることがポイントになります。
仮眠による利益と注意点
睡眠は、概日リズムに影響を受けており、1日の覚醒度にリズムがあることを睡眠-覚醒リズムといいます。このリズムによると日中にも覚醒度が下がるタイミングあり、起床後8時間後の午後昼過ぎの時間帯は眠気が生じる仕組みとなっています。身体のリズムに寄り添うと、午前中に溜まった睡眠物質を解消するためにこのタイミングで仮眠を取ることが理想です。
そんな仮眠の利益として、脳内の老廃物除去により作業効率が上がることはよく知られていますが、他にも免疫力の向上にも効果が認められています。睡眠不足状態の11人の被験者で、30分の仮眠と取る群と取らない群に分けたところ、免疫に関係する炎症物質であるIL-6が抑制されたとの報告があります。
仮眠の習慣化が必要
理想な仮眠時間は20分ということでまとまってきていますが、これまで仮眠の習慣がなかった人が仮眠をすると20分の仮眠でも睡眠慣性が起こることがあるようです。しかし、3日間と連続していくと睡眠慣性が起こらなくなったという報告があり、習慣化していく必要があるようです。
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