新聞を読まない人でも楽しめる!日経新聞スクラム読み
「8/12の朝に朝渋メンバーとスクラム読みやってみようかと!いかがですか?」
Nサロン新聞部仲間のいわあゆさんからのお誘いで実現した、今日の日経新聞スクラム読み。
日経新聞スクラム読みは、ひとりで読むのが当たり前の新聞を、複数メンバーで読み合うことでより深く学ぼうという活動です。
記事で書かれた内容に、参加者の知識や経験、意見を加えていくことで、ひとりで新聞を読むよりも、より深く、多くのことを学ぶことができます。
(日経新聞スクラム読みについての詳細はコチラ)
日経新聞×noteが運営するコミュニティ、Nサロンのメンバー同士の自主活動(部活)の1つとして誕生しました。
(過去の活動レポート)
・日経新聞スクラム読み(2019年5月20日記事より)
・読んで、つながる日経新聞スクラム読み(2019年6月24日記事より)
いつもはNサロンの仲間だけで行っているスクラム読みですが、今回は初めてNサロン以外のコミュニティの人たちと一緒に行いました。
参加者7人中5人の人と初対面で、かつ、自分以外の全員が「普段、新聞を読まない」とのことでしたが、意見交換タイムでは、色んな意見が次から次へとポンポン出て、1時間半があっという間に終了。
めちゃくちゃ有意義な休日の朝となりました。
参加者メンバー
・Nサロン
・朝渋
・ペア読書
・議論メシ
の4つのコミュニティから7人の参加者が集まりました。
私にとっては、いわあゆさん以外の方は全員初対面です。
①いごはち
元金融SEで、今はデータアナリスト。Nサロン所属。
「以前は毎朝電車の中で日経新聞を読んでいたが、職場が変わって、最近は2、3日分まとめ読みすることが多くなっているのが悩み」
「日経新聞を味わい尽くす!」というnoteが日経電子版に掲載されたのが密かな自慢。
②いわあゆさん
マーケター。Nサロン、朝渋、ペア読書所属。
「日経は普段あまり読まない」が、日経COMEMOのキーオピニオンリーダー。
「世界一、ホッとする豚汁を届ける」をビジョンに、「TONJIRU STAND」というNサロン発の新規事業を立ち上げ中。
絶品豚汁で、身も心もホッとできる場所や空間をお届けします。
ご興味のある方は、いわあゆさんか、TONJIRU STAND桃レンジャーのいごはちにご連絡を。
③ショーゴさん
国家公務員。議論メシ所属。
「新聞はまとめて読んで、記事をノートに書き留めたりしてる」
このツイートを見て参加表明してくれた、とてもアグレッシブなお方。
実は、つい2日前にファイナンスラボという会計を学ぶコミュニティの勉強会でニアミスしていたという。(世間は狭い)
④マツバラさん
本屋のサービスプロデューサー。朝渋、ペア読書主催者。
「日経は普段全然読まない」
⑤カワニシさん
コミュニティマネージャー。ペア読書に所属。
「日経は実家で読むくらい」「日経ってこんな薄かったっけ?祝日だからか!」
⑥トニーさん
ライター、スクール運営、ミニマリスト。朝渋、ペア読書に所属。
「新聞は全然読まない、ペア読書は好きなので、新聞でやったらどうなるだろう?」
⑦クボタさん
マーケティングリサーチャー、人の心をリサーチする。朝渋所属。
「日経を読んだのは就活の時くらい。今はNewsPicks、Yahoo!が情報源」
スクラム読み(ピックアップ記事)
いつものやり方と同じように、
①まず、各自が新聞を読んで、最も気になった記事を一つ選び、「記事の内容」、「その記事を選んだ理由」を発表
②次に、それらの記事について、メンバー間で意見をシェア
という手順でスクラム読みを行いました。
お盆真っ只中の祝日の朝8時にカフェで一斉に新聞を広げている様子は、なかなか壮観です(笑)
参加者がピックアップした記事は以下のとおりです。
データと簡単な解説が乗っているだけの、
という記事を2人がピックアップしたのは、驚きでした。
【ピックアップ理由】
・COBOLのシステムは金融系や官公庁のシステムでもまだ使われているが、ベテランエンジニアしか仕様を知らない、設計書がないといったところもある。デジタル化と言われているが、こうしたレガシーシステムからどう移行するかは大きな課題。
・ユーザー企業のIT人材が少ないのも記事のとおりであり、セブンPayもセブン側にITが分かる人が少なく、それが問題が起こった要因の1つでもあると思う。
【コメント】
・今後、COBOL人材の給与が逆に高くなったりするかも(マツバラさん)
・COBOLが使われているのは基幹システムが多く、イメージわかないから学びにくい(ショーゴ)
・実は元情シス(情報システム部の略)だが、社内で全く力がない。上から言われたことをやるだけで、地位が低いので、こうやった方がいいと提案しても聞いてもらえない(カワニシさん)
・ユーザー部門とシステム部門にギャップがあるので、文脈もなしに、いきなり何人月と言われても高いとしか思われない。セキュリティとかは目に見えづらいので、お金がかかるのがわかりづらい(マツバラさん)
②マツバラさん
革新生む「アート教育」(15面 18歳プラス)
【ピックアップ理由】
・何をつくろうかというのを考えるのが肝であり、そのために必要なのがアート視点。どうしてそこに着目したのかが重要。
・どうしてそこに着目したのかが重要なのは、ペア読書やスクラム読みでも面白さのポイント
・「楽しく学ぶのではなく、楽しいことに学びが溢れている」という点に共感
【コメント】
・デザイン思考をやっているが、結局はアナロジーが大事。(クボタさん)
・感動するポイントが個性、好きだから学べる、その感性がアートだなと思った(ショーゴさん)
③カワニシさん、トニーさん
【データ】学部変える学生 増加傾向(14面 教育)
【ピックアップ理由】
(カワニシさん)
・転学部が増えたというデータが乗っているだけだが、自分自身が転学を考えたことがあり、以前から転職のように転部の制度があってもいいと思っていた。
・入学前と入学後で学びたいことや、好きの視点が変わってくるので、それに合わせて学ぶ内容を変えられるようになれば。
(トニーさん)
・高校の時に学部が選べなさすぎて泣いた経験がある。
・基礎的なことをを学んだあと、3、4年で専門性を深めるという学び方をしたけど、もっと広まればいい。自分はデンマークに留学して、専門性を高めた。
・18歳で選ぶのは難しい。
【コメント】
・自分の通っていた大学では、1年生は一般教養、2年から学ぶ学問を選べた。転部すると、卒業が遅れるのがネック(ショーゴさん)
・自分は環境学部だったけど、理工学部に学びに行っていた。基礎ができていないことの焦りがあった(マツバラさん)
・人事が採用の時に聞きたいのは、「そこで仕事をするために何を学んできたか?」という事だが、それを話すことができる学生は少ないらしい(いごはち)
・ヨーロッパでは、仕事としてでやりたいことの先に勉強があるが、やりたいことが見つけられるかというと難しい(ショーゴ)
・仕事に直結する大学での学びというのがピンとこない。興味関心に紐づけたほうがいい。ちょっと違うと思ったら変えられるのがいい。(マツバラさん)
・実学と教養のバランスが大事(トニーさん)
・大学は解決したい課題を見つけにいく場で、その課題を解決する場としてあるのが仕事ではないか(クボタさん)
④クボタさん
ウェブ小説変えるスマホ(28面 文化)
【ピックアップ理由】
・PCからスマホに変わる中で、小説の届け方も変わる。
・スマホだと見える範囲が狭いため、雛壇芸人がいなくなるという予測があり、この話もそれに似ていると感じる。
・スマホ小説は読むというよりは、見るという感覚になってきている。情報過多の世界では、スピード感が求められている。体験している感じ。
【コメント】
・マンガも縦読みになるなど、世の中に合わせてメディアも変わってきている(ショーゴさん)
・シーンに合わせスマホが震えるという効果があったりするが、それっていいことなのか?これまで想像力で補完していたところが、体験まで誘導されている感じがする(いわあゆさん)
・デジタル化することで、色々な情報が取れるようになり、表現者が伝えたいことの伝え方は深くなっている一方、解釈の深みはなくなっている気がする(ショーゴさん)
・アートからサイエンスに変わってきているのかもしれない(マツバラさん)
・スマホファーストで、なんでも短くなってきている。「あ」がありがとう、「り」が了解とか(トニーさん)
・官公庁にも「文字数は何文字まで」といったマニュアルがある(ショーゴさん)
・スマホネイティブの人は、一度に認識できる文字数が少なくなっているということを聞いたことがある。(いごはち)
⑤ショーゴさん
ESG×収益力で欧米先行 人材・投資呼び込む 企業の持続性重視へ新指標 (1面)
【ピックアップ理由】
・なぜこの記事が1面のトップ記事になっているのかがわからない。
・誰に向けて書いてるの?
・海外の指標を使い、日本人向けにあえてキャッチーにしている?掲載されている企業もよくわからない企業が多い。
・ESGが最近話題になっているが、いつからこうなっている?SDGsという言葉が出てきた2015年から?それ以前に取り組んでいるのがここに掲載されている企業で、こうした欧米の企業から日本の企業は学んでいるということか。
【コメント】
・掛け算がよくわからない。日本は元々ROE低い(カワニシさん)
・消費財を扱っている企業から、プロモーションキャンペーンでESGをアピールしたいという依頼が来るが、消費者側は「で?」という反応(クボタさん)
・お金持ちが最後に求めるものが「名誉」や「世の中への貢献」。ビルゲイルなんかも財団を作って多額の寄付をしている。そうした欧米のお金持ちが金主となって投資先を選ぶとなった際に、「ESGに取り組んでいること」が重要なファクターとなっており、だからこうしたスコアがでてきているのではないか(いごはち)
⑥いわあゆさん
【経営の視点】コンビニ「加盟店と共存共栄」(5面 企業)
【ピックアップ理由】
・自分の知り合いがセブンイレブンを2件経営しているが、今年で止める。
・シニアがやるのはきつい上に、消費者が減っており、店舗単位の売上が頭打ち。
・本部は出店自体は増やそうとしているけど、各店舗は儲かっていない。
・ドミナント戦略の結果、同じチェーン同士でカニバリが起きているし、田舎で年末年始とか、人が来ない時でも、24時間/365日営業をしなくてはならない。
・その上、最低賃金が年々上がっており、経営状態は苦しい。
・本部もようやく見直しし始めた。先行しているのはローソン。
【コメント】
・特に田舎では、コンビニは社会インフラになっており、経営が苦しい店は補助金で支援すればいいのではないか?(ショーゴさん)
・昔は商店街が栄えていたが、コンビニのせいで廃業に追い込まれてしまった店舗がある所では、地元の理解が得られないと思う(いごはち)
・セブンイレブンといった名前を外して、みんなで共同運営する店舗にできないだろうか?(マツバラさん)
ちなみに、店舗同士のカニバリもFC加盟店の経営を圧迫していると思いますが、個人的には廃棄ロスの負担の方が大きいと思います。
本部の廃棄ロス負担を増やせばFC加盟店の粗利が増えるので、経営が大きく改善されると思いますが、そうすると当然、本部の利益が減ります。(なので、実現可能性は低いと思います。)
最も活発な意見交換が行われた記事
は、カワニシさん、トニーさんのお2人が選んだ
でした。
私は、
「大学は解決したい課題を見つけにいく場で、その課題を解決する場としてあるのが仕事ではないか(クボタさん)」
というコメントが、大学での学びの本質を表しているように思いました。
キャンパス内の学問だけでなく、留学、ボランティア、アルバイトなどを通じ、自分の人生で取り組みたい課題を見つけ、課題の解像度を高める。そして、社会に出てその解決に取り組む。
そのためにも、転部だけでなく、採用時期の多様化や、社会に出てからの学び直しの機会充実などの環境整備が重要だと思います。
また、会社での働き方自体も、下のスライドにあるように「仕事で選択する」、「そのために必要な知識・スキルは自ら学ぶ」時代に変わっていくと考えていますので、そうした観点からも、上記の環境整備を進めていく必要があると思います。
スクラム読みの総括
今回のスクラム読みを1枚にまとめたものがこちらです。(いわあゆさん、ありがとうございます!)
今回のスクラム読みで選ばれた記事や意見に共通するテーマを一言で表すと、
「資本主義社会が変わろうとしている」
になるかと思います。
「ROESG」、「コンビニ」の話は、業績至上主義から、持続可能な社会への貢献への転換を表していると思います。
「アート教育」、「学部を変える学生」の話は、過去はみんなが考える課題が共通しており、その課題解決に取り組むことが世の中を豊かにすることだと考えられて来ましたが、価値観が多様化し、不確実性の高い世の中になったことで、個人の意識も変わってきたことが背景にあると思います。
「COBOL」、「ウェブ小説」の話は、前時代のレガシー(遺産)を活かしながら、変えるべきところは素早く変え、デジタル時代に対応していく必要があることを表していると思います。
いずれも共通しているのは、
「これまでの資本主義とは異なった価値観に基づいた社会への変化」
であり、それが社会全体で求められているからこそ、こうして新聞の記事として取り上げられているんだと思います。
まとめ
コミュニティを超えて行った、今回の日経新聞スクラム読み。
参加者の方からは、とてもよい評価をいただきました。
・抽象度を上げ、視点を上げると、つながるのを実感した。ペア読書より、少し高度なつなげる力が必要だけど面白い(マツバラさん)
・曜日を変えるとまた違った感じになると思うので、やってみたい(カワニシさん)
・資本主義社会への疑問を感じているので、一段目線を上げられたのが面白かった。本業にも活かせそう(トニーさん)
・話が広がって面白かった。アイデア発想力が鍛えられる。マクロ的なところと個人の意識という点で、キレイにまとまっていると感じた(クボタさん)
・雑誌や本でやるより、新聞の方が個人のバックグラウンドが出やすい。最初にお互いが「何をやっているか」を共有するのが大事(ショーゴさん)
・楽しむのが大事。一見ちょっとハードル高めなのが新聞というメディアで、あまり触れる機会もなく、苦手意識があるが、色んな人の知識を吸収できるのがスクラム読みのいいところ(いわあゆさん)
Nサロン新聞部から始まった、この日経新聞スクラム読み。
参加者(コミュニティ)を変えて行ったことで、
・新聞というコミュニケーションツールの汎用性の高さ
・人と「知識、経験、意見を共有する」という体験を通じて得られる学びの多さ
という、スクラム読みの価値を改めて実感しました。
Nサロン内での活動に加え、今後はもっと積極的に他のコミュニティと一緒にスクラム読みに取り組むのも面白いと思いました。
このnoteを読んで、もし「やってみたい!」と思われた方は、お気軽にTwitterのDMでご連絡いただくか、Nサロンに入り、新聞部に入部してみてください(^^)
それでは!