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投資#165 完全なものは気長に待とう
書籍の情報
タイトル:世界一流のエンジニア思考
著者:牛尾 剛
出版社:文芸春秋
発行日:2023年10月23日
書籍の一部要約
ChatGPTの開発者が、どうやったらつくれたのか?と聞かれて「7年間の研究の成果だ」と答えていたのが印象的だった。エンジニアリングは、小さな積み重ねで強くなっていくので、本当に新しいものを生み出したかったら、絶対的に時間がかかる世界だ。だから、アメリカではみんな「専門性を高める」という蓄積に価値が置かれ、スピードは思ったより重視されない。
2020年の6月、コロナ禍の真っ只中で、日本で接触確認アプリ COCOAがリリースされた。これは、日本のソフトウェア開発の中でも画期的なチャレンジで、衝撃を受けた。接触確認アプリとは、スマートフォンのBluetooth機能を使って「一定の時間以上、スマホを持つ者同士が近くにいた」情報を個々の端末に記録するものだ。
もともとは、コロナ禍の惨状を見て、「自分が何か貢献できることはないか?」と考えて、アプリ開発者である日本マイクロソフトの廣瀬一海さんが個人で始めたものだ。未曾有の危機をなんとかしようと善意でつくっていたものが、政府の目にとまって採用されたという経緯だ。ところがリリース後にボロカスに叩かれたのだ。「短い間何とかリリース目標に向かって頑張ってきたのですが、この件でコミュニティはメンタルともに破綻しました」「5日前にAPI仕様変わろうと、実装変わろうと、何があっても完璧なものを作りあげろと言われ、へっぽこエンジニア烙印を押されるわけだ・・・ツライ」
アプリケーションはどんなに優秀なチームが開発しようが、必ず何かしらの不具合は存在する。ネット上に様々な批判もあるが、政府の対応だって大きく評価できる。なのに、コロナ禍でのストレスからか、アプリの不具合を声高に批判するのみならず、開発者たちの人格否定レベルのことを平気で言っている著名人もいたことには、心底愕然とした。世界から見たときに、こんな文化圏の国民を進んで助けにいこうと思う技術者たちがいるだろうか?
感想
ChatGPTの登場には
誰しも驚いたのではないかと
思います。
新しい分野をどんどん
開拓していくアメリカは、
開発のスピードもさぞかし
速いのだろうなと思っていました。
ところが、どっこい、
7年間かけた成果物だとのこと。
小さな積み重ねで強くなっていく
ことを重視しているとは・・・
完全に勘違いしていました。
地道な努力を大切にする習慣
大切ですね。
また、話は変わりますが、
接触確認アプリ COCOA
使ったことありませんでしたが、
叩かれていたことは、
ニュースで見聞きした気がします。
コロナ禍の惨状を見て、
「自分が何か貢献できることはないか?」
と考えから始まったのですね。
これすら知りませんでしたが、
勝手な意見を述べますと、
指摘はごもっともで、
善意をこのような形で終わらせて
しまうのはマズいと思いました。
称賛されるなら、後に続く人も
でてくると思いますが、
叩かれるのであれば、わざわざ
叩かれに出てくる人も珍しい
と思います。
アプリの更新があって、
使いにくくなったなと思う
自分自身がいるので、
自分への戒めです。
自分ができないことをできる人には、
特に敬意を払いたいと思って
いましたが、できていないことに
気づきました。
勢いあまって、批判を発信することは
ありません。
でも、使いにくくなったなと
こころでは批判をしています。
これは出てしまったら、
ごめんなさいと謝るしかないですね。
また、アプリは、
必ず何かしらの不具合は存在して、
後日修正されるものだと、
認識を改めなければなりませんね。
完全なものは気長に待とう。
ChatGPTですら7年の月日を
かけて称賛されるに至って
いるのですから。
まとめ
完全なものは気長に待とう