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投資#252 2種類のお金持ち


書籍の情報


タイトル:残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
著者:橘玲
出版社:幻冬舎
発行日:2015年4月10日

書籍の抜粋


金持ちは腹黒くて、貧乏人は純粋無垢だと、ぼくたちは当たり前のように考えている。時代劇に出てくる悪代官のように、金持ちは貧乏人を搾取して富を蓄えたに決まっているからだ。ところが金持ちと貧乏人を比較調査すると、金持ちの方が他人を信用し、貧乏人は疑い深いという困った結論が出る(アメリカにはこういう社会調査がいっぱいある)。
金持ち=悪代官モデルは、富を権力ゲームの結果だと考える。政治空間では、誰かから富を奪うことでしか豊かになれないから、搾取や収奪が生じるのは避けられない。ところが現実には、政治空間(搾取)よりも貨幣空間(交易)でははるかに大きな富が創造されている。貨幣空間には、政治空間とは異なるルールがある。となれば、そのゲームに習熟したひとが金持ちになるは当たり前だ。
ひと昔前は、経営者は戦国武将にたとえられた(「家康型の経営を目指せ」とか)。こういった比喩がリアリティを持ったのは、日本のビジネスがムラ社会での権力ゲームだったからだ。アジアの新興国ではこうした傾向がいまも顕著で、華僑などの財閥は独裁者と結託した「政商」として莫大な富を蓄えた。
ところがいつの間にか、日本では史実をひいて経営を語るという手法はまつたく流行らなくなった。市場がグローバル化するなかで、公共事業や規制産業のような政治と密着したビジネスが衰退し、「国盗り物語」型の成功モデルが絵空事になってしまったからだ。
テレビ化で話題になった山崎豊子の『華麗なる一族』は、妻妾同居の独裁的な経営者とその家族の物語だが、これは高度成長期の銀行(規制産業の典型)という特殊な舞台だからこそ成立した。後継者争いや権力争いで話題になるのは、古い同族企業だけだ。経済が高度化するにつれて、統治の理論(搾取)から市場の理論(交易)へと富のルールは変わっていく。
市場の理論は、顧客に対して誠実であること、公平であること、差別しないことを求める。となれば、貨幣空間の勝者であるお金持ちとは、こうした美徳を体現したひとということになる。彼らは楽天的で他人を信用し、その一方で嘘を見抜くのがうまく情に流されない(一方的にひとを信用するだけなら、詐欺の餌食になってしまう)。
かつてのお金持ちは、お城のような建物の最上階の奥まった部屋に潜み、超越的な権威で周囲を畏怖させ、組織を睥睨(へいげい)し支配する権力者だった(西武グループのオーナーだった堤義明みたいに)。それがいまでは、世界じゅうを飛び回り、ひととひと、ビジネスとビジネスを結び付けることで富を生み出している(ソフトバンクの孫正義がその典型だ)。彼らは権力ゲームの勝者ではなく、貨幣空間のトリックスターだ。
グローバルな市場経済では、お金持ちは人種や宗教、国籍・性別・政治的な主義主張にかかわらず、誰とでも積極的につき合い、ビジネスを拡大しようとする。それに対して貧乏人は狭いムラ社会から出ようとはせず、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまう。
格差社会の底辺にいるのは、社会の犠牲者というよりは、貨幣空間(信頼社会)のルールに適応できないひとたちかもしれないのだ。

貨幣空間のトリックスター

感想

抜粋した理由

株式投資をしていると、
お金持ちは性格のよい
人が多いという話を
聞きます。

一方、テレビドラマでは
金持ち=悪代官モデルが
今でも人気な気がします。

懲悪的なストーリーが
分かりやすく、うけが
いいのだとは思います。

そんなお金持ちに関する
記載がありましたので、
抜粋してみました。

本文


―――1―――

政治空間と貨幣空間と
いう区別があるようです。

となると、それぞれの空間
の勝者=お金持ちは、
気質が異なりそうですね。

政治空間は、あるパイを
奪い合うので、当然、
相手を蹴落とし、いっぱい
占領できた人が、勝者です。

貨幣空間は、信用創造を
します。新しい領域が
増えていくのですね。

ということは、奪い合いを
しなくても、新しい領域を
せっせと開墾するのが、
効率的だと思います。

汗水流して、せっせと開墾
した人が勝者となります。

どちらの勝者が性格が
いいかは答えるまでもない
ように思います。

―――2―――

よく国債の残高が膨らんで
日本の借金が大変だ。

なんて新聞記事やニュース
記事を見ます。

先日も、国民一人あたり
1000万円+αみたいな
金額が、でん!と書かれて
いて、がっかりしました。

こんな記事を書く記者が
未だにいるとは・・・。

新人記者の練習用の記事
なのでしょうかね!?

(なんでがっかりしているかは、
いずれどこかで)

さて、国債の説明をするときに、
日銀は信用創造という
キーワードを使っていました。

彼らは、間違いなく、
貨幣空間の住人でしょう。

一方、財務省は、国債の説明を
するときに信用創造という言葉
を使いません。

しいて言うならば、
受益と負担という言葉
スキなのでしょう。

財務省は、行政機関では
ありますが、政治とのつながり
が強いですから、政治空間の
住人と言うことで間違いない
でしょう。

貨幣空間には、政治空間とは異なるルールがある。

貨幣空間のトリックスター

日銀と財務省は、住む空間が
違いますが、一緒に仕事をして
います。

きっと話がかみ合わないと
思います。

ルールが違うのですから。

―――3―――

格差社会の底辺にいるのは、社会の犠牲者というよりは、貨幣空間(信頼社会)のルールに適応できないひとたちかもしれないのだ。

貨幣空間のトリックスター

貨幣空間のルールに適応
できないと、不利になる
ことが示唆されていると
思います。

貨幣空間と、政治空間。

2種類のお金持ちがいます。

どちらに属するのがいいのか
子どもにはおすすめ一択
しかありません。

勤務先も、遅ればせながら、
政治空間から貨幣空間の
ルールへと移行が進み
はじめたと思います。

まとめ

2種類のお金持ち

 


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