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投資#324 時間がかかるのは手を付けるまで


書籍の情報

書名:知的生活の方法 続 (講談社現代新書 538)
著者:渡部 昇一
発行所:講談社
発行日:1979年4月1日

書籍の抜粋


ともかく書きはじめよ
そして学んだことは、論文の書き方の本質的な側面である。つまり構想が構想であるうちは論文でもなんでもないこと。一応の構想やら書いてみたいことが浮かんだら、書きはじめてみなければ何もわからないということ。
書き出す前の構想などは、実際は一枚目を書いたとたんに飛び散ってしまうことだってあること。
そういうことにめげず、疑問が生じたらチェックし、最初正しいと思ったことが間違いだったら書き直す、というふうにして、毎日、何時間か機械的に取り組み、何ヵ月、あるいは一、二年かかるということを覚悟しなければ、まともな論文はできないこと。
そういうことは、学校の論文指導にはなかったことであったが、実際にそれを体験させてもらったことが、大学教育から得た大きな収穫であった。
芸術的生産と学術的生産とは、おおいに異なるところがあるが、最初なにほどかのアイデアがあり、それを具体的な知的生産に結びつけるためには、衝動的な作業では駄目で、機械的・継続的な、ほとんど農耕的といってもよい作業が毎日続くという点では似ているといってよいであろう。
それで私は、卒論や修論の指導にあたって、よく学生にこういう。「ある程度調べたら、ともかく書きはじめたほうがよいですよ。調べるのはいくら調べても論文になるわけではない」と。
このことはカール・ヒルティも「仕事をする術」の中でよくのべていたことである。私はこれを大学二年のとき、ドイツ語の教科書で習い、「本当にそうだ」と思いながらも、卒論のときは実行しなかったのである。
そして今また、あらためて読み返してみると何度目のことだろう――そこには、私の観察として述べてきたことが、そっくりそのまま、簡潔明快な言葉で述べられている。
まず何よりも肝心なのは、思いきってやり始めることである。仕事の机にすわって、心を仕事に向けるという決心が、結局一番むずかしいことなのだ。
一度ペンをとって最初の一線を引くか、あるいは鍬を握って一打ちするかすれば、それでもう事柄はずっと容易になっているのである。
ところが、ある人たちは、始めるのにいつも何かが足りなくて、ただ準備ばかりして(そのうしろには彼等の怠惰が隠れているのだが)、なかなか仕事にかからない。
そしていよいよ必要に迫られると、今度は時間の不足から焦躁感におちいり、精神だけでなく、ときには肉体的にさえ発熱して、それがまた仕事の妨げになるのである。
また他の人たちは、特別な感興のわくのを待つが、しかし感興は、仕事に伴って、またその最中に、最もわきやすいものなのだ。
仕事は、それをやっているうちに、まえもって考えたのとは違ったものになってくるのが普通であり、また休息している時には、働いている最中のように充実した、ときにはまったく種類の違った着想を得るということはない。
(以下省略)

3 仕事の仕方とライブラリー

抜粋した理由

スタートダッシュが
大事だなと思い、
抜粋しました。

なかなか手が付かない
資料作成・・・

でも、手を付けてしまえば
なんか進むんですよね。

―――感想1―――


そして学んだことは、論文の書き方の本質的な側面である。つまり構想が構想であるうちは論文でもなんでもないこと。一応の構想やら書いてみたいことが浮かんだら、書きはじめてみなければ何もわからないということ。

3 仕事の仕方とライブラリー

このブログを書いている
ときもそうなのですが、

一応の構想やら書いて
みたいことが浮かんだら、
書き始めるようにして
います。

書きたいと思っている
ときが一番、始めやすいです。

で、最初に書こうと
思っていたことを
書き出してしまうと、

次のストーリーが
浮かんできます。

最終的には、ああ、
想定もしていない
事が書いてある。

そんなことがあります。

書いていくと、
勝手に新しいストーリー
が始まります。

ちょっと、これを
書きながらも楽しんで
います。

―――感想2―――


一度ペンをとって最初の一線を引くか、あるいは鍬を握って一打ちするかすれば、それでもう事柄はずっと容易になっているのである。

3 仕事の仕方とライブラリー

パワーポイントの資料を
つくるときはまずワード
で下書きを、という
本があった気がします。

このワードの下書きを
することはないのですが、

最初の一打を遅らせる
原因になるなと思い
ました。

パワーポイントの資料を
つくるときは、
スライドの追加をする
ことが、

一度ペンをとって
最初の一線を引くか、

あるいは鍬を握って
一打ちするか

に相当する感じです。

あとは、楽しくなってきて
放っておけば、一時間も
すると何らかの資料が
形になってきます。

まあ、なんとも不思議な
感じがします。

―――感想3―――


仕事は、それをやっているうちに、まえもって考えたのとは違ったものになってくるのが普通であり、また休息している時には、働いている最中のように充実した、ときにはまったく種類の違った着想を得るということはない。

3 仕事の仕方とライブラリー

仕事の資料作成は、
全く新しく書き出す
というよりは、

前の資料から何枚か
資料を引用した形で
スタートします。

どれを引用しようかな
というところは、
資料作成を始める
前の構想通りですが、

その後に続く文章は、
前もってあまり考えて
いないところもあり、

おー、こうなったか!

そんな驚きがたまに
あります。

これが普通なんですね。

変わったことだと思って
いましたが。

休息している時、
お風呂に入っている時
に変わった着想を
得やすいとも聞きますね。

本当のような気も
しているのですが、
どうなのでしょうか???

本書だと、そういうことは
なさそうな記載っぷりです。

時間がかかるのは
手を付けるまでと
まとめられそうです!

まとめ

時間がかかるのは手を付けるまで

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