教員がほかの職種に比べて〈光り輝いている良い点〉とは?
もうすぐ新年度を迎える。
楽しみにしている教員もいるだろうが、また1年間が始まるのかと思ってため息をついている教員のほうがきっと多いだろう。
特に、今年度の生徒やクラスに深い思い入れのあった教員は、新年度の新しい生徒やクラスに切り替えることが難しく感じるかもしれない。
そんな事情はなくとも、とにかく春休みの穏やかな雰囲気が終わって慌ただしくなってしまうことに、まだ気持ちが追いつかないかもしれない。
わたしも春休みの終わりが見えてくると、焦燥感に駆られて落ち着かず、ため息をつきたくなってしまう。
でも、そんなときは、必ずあることを意識するようにしている。
それはわたしが考えている高校教員の仕事における最大の良い点である。
ひとによって認識はさまざまだと思うが、わたしはこの良い点に、いままで何度も救われてきた。
さて、それは何だと思うだろうか。
もちろん生徒の成長に携われてやりがいを感じられてどうのこうのという堅苦しいものではない。
もっと単純で、おそらく教員以外の職種からすると、光り輝いて見えるものだとわたしは思っている。
それは約1ヶ月半という短いスパンで定期的にリラックス期間が訪れるということだ。
年間の流れは各高校によるため、あくまでも一例を書いてみたい。
・4月に新年度が始まっても、5月半ばには中間試験がある。
・5月半ばに中間試験が終わっても、7月頭には期末試験があり、夏休みを迎える。
・9月に2学期が始まっても、10月半ばに中間試験がある。
・10月半ばに中間試験が終わっても、12月頭に期末試験があり、冬休みを迎える。
・1月に3学期が始まっても、3学年は2月頭、1、2学年は3月頭に学年末試験があり、春休みを迎える。
ざっとこんなところである。
なお、中間試験については主要科目以外の教員に羨望の眼差しが向けられる。
主要科目以外の教員は中間試験自体おこなわれないため、授業からも試験業務からも解放され、存分にリラックスしまくれるのだ。
中間試験の期間における有給の取得率も、圧倒的に主要科目以外の教員のほうが多くなっているだろう。
とはいえ、試験の作成や採点に追われる教員も、授業の続く日々からは解放されるため、やはりリラックスできるのである。
わたしは主要科目だが、試験期間は絶対に複数回の有給を取ると決めている。
学級運営や試験監督などがあるため1日休むことは難しいが、午後の早退なら可能である。
いままで試験期間に早退をしなかったことはたぶん1度もないと思う。
なお、試験期間の過ごしかたについては、こちらにも書いてある。
試験期間に部活のない体育館を全面使って教員同士のバスケットボール大会を開催し、わたしは応援のみだったがおおいに盛り上がったあの時間を、いまでもよく覚えている。
教員は激務だというイメージがあるかもしれないし、わたしもたしかにそういう側面を感じたことはある。
しかし、年間のリラックス期間がゴールデンウィーク・お盆・年末年始のみという職種や、それすら確保されていない職種も数多ある。
そのなかで、年間5回の定期試験・春夏冬3回の長期休みというまとまったリラックス期間が確保されていることは、教員という仕事における最大の良い点にほかならない。
教員はどんなに忙しくても、どんなに嫌なことがあって落ち込んでも、終わりのないトンネルをただ走り続けるのではなく、必ず短いスパンでリラックス期間が訪れて、深呼吸をすることができるのだ。
新年度を迎えたら一気に忙しくなり、さまざまな業務が押し寄せてきて、めまぐるしく毎日が過ぎていく。
それを思うとため息もついてしまうだろう。
でもそんなときこそ「どんなに忙しくても約1ヶ月半だよね」「その1ヶ月半は案外あっという間なんだよね」と自分に言い聞かせ、楽しみにするとともに肩の力を抜きながら歩いていきたい。
なお、上記以外に感じられる良い点については、こちらの記事にまとめて書いている。
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