え? マジか?…. 座敷童達の呟き…
“え? マジか?”
大きな袋に 御寿司を手にした
着物姿の学級委員長は 呟く。
“あ 溶接するの忘れてた”
おっさん二人は 美尻な車に
良い音色のバイクを
愛でていたら すっかり忘れていた….
“…,,,,,” (お前らな〜)って…..
ハードな溶接仕事でお疲れかと
寿司盛りと 忍び寿司を 奮発して
くれたようで…..
お酒もたっぷり....
”明日 朝 五時から溶接やります“
“……..”
まあまあ そんな流れで宴は始まった。
信楽 魚仙さんの寿司盛り
なんと 鱒の寿司も
鮎漁師の炊いた甘露煮は
自画自賛するけど 旨い
ビールに 寿司に いっぱいある。
学級委員長はずーっと 喋っている。
なんだか バイク少年は バイクを
眺めながら 聞いている
そんな 景色を眺めながら
“高校生みたい”…..
やっと この宴席が叶ったなと
喜んでいる。
友人の巨匠がプロデュースした
ボタニカル ジン
ストレートで呑むと ”....人“になるらしい….
これ なんかヤバくない…
学級委員長は 機嫌良く 舞っている
“ずっと喋ってましたね”って言うと
“いや 星空も 眺めてた”と
まあ それにしても 極みの人が
集う宴…..
いつしか カボチャの馬車が
お迎えに来ていた…
その夜 座敷童が 走り回っていた
やっぱり ここ 居るんだ
座敷童達は….ただ 走り回っている
呟かれても 困るし….
シカも居るし…
翌朝 五時から溶接…,
起きて待っていたが….
やはり ジンは きつかったようで
起きて来ない…
庭や周りを散歩する
我が家も田舎だけど
ここも 田舎
心地よい….
茶畑を眺めて
起き出して来た庵主は 珈琲を淹れる
真っ赤な車に乗って
届いたトマトは不揃いで旨い
昨夜 走り回った座敷童達が
眠りにつく頃
溶接 道具を揃えて 窯場に向かった
“マジで…..”.....溶接に来たんだった。
暑くなる前に 済ましてしまおう
平安な暮らしをする縄文人
浦島太郎な浮世雲
夢の宴