道草の花

重いビジネスリュックを背負いながら、今日もスタスタと歩きます。
ただ、ひたすらに、まっすぐに、前だけを向いて道をゆきます。

あまりにカバンが重いので、しばしば首と肩の凝りに悩まされます。
そのまま休まずに進むと、やがて頭が痛くなります。

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行く手に桜が咲いているのが見えました。
桜の木の下まで行って立ち止まり、凝り固まった首と肩のストレッチをすることにしました。

首を反らせて上を向くと、まさに桜色に染まった花々が広がっていました。
木の枝先に視線を移すと、枝と枝の隙間から青い空が見えました。

青い空を眺めていると、ちょうど1羽の大きな鳥が、遥か上空を颯爽と飛んでゆくのが見えました。

飛んでゆく鳥を追いかけていると、まだ明るい青い空に、白く光る三日月が見えました。

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下を向きながら歩くことにしました。
首の後ろの筋肉を伸ばします。

そうやって歩いていると、道端にはたくさんの花が咲いていることに気がつきました。

街路樹の根元に寄り添って咲いているのは、小さい水色の花。
側溝の隙間から力強く顔を出しているのは、背の高い黄色い花。

そして再び前を向くと、この道が美しく感じられました。
花や鳥やお月さまが、励ましてくれていたのです。

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首の上下運動をしたせいか、心なしか、首と肩の凝りはほぐれ、さっきよりもカバンの重さを感じませんでした。

美しい道をゆっくりと歩きながら思いました。
「カバンの中身を整理してみようかな」と。