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二十四節気 穀雨

たくさんの穀物に実りをもたらす
うるおいの春の雨が降るころ

七十二候

葭始生 あしはじめてしょうず
水辺の葦が芽を吹き 山野の植物が緑に輝きはじめるころ

霜止出苗 しもやみてなえいずる
霜も降りなくなり 苗代の稲も健やかに育つころ

牡丹華 ぼたんはなさく
百花の王である牡丹の花が咲きだすころ

穀雨

春、最後の節気ですね。
どっぷり土用の期間の中です。

大地に根付く植物たちが成長するには、いくつかの要素が必要ですが、
その最たるものが光と水ではないでしょうか。

穀雨は、文字の通り、穀物を育てる春雨が降るころ。百穀を潤す雨という意味です。

春分の時に、真東から陽が上り、真西に陽が沈みました。
昼と夜との長さが同じ時でした。
そこから、夏至に向かってどんどんと昼間が長くなっていきます。

ですが、実際のところ、春分の時くらいは、まだまだ朝晩も冷え込み、肌寒い。

穀雨をむかえた今時分が、朝晩の冷えも感じなくなりつつあり、昼間は明るい日差しが降り注ぎ、気温もしっかり上がる。
人ものびのびと、活動しやすい時節になったのではないでしょうか。

春分の頃に、昼と夜との長さのバランスが取れましたが、現象化してきたのは、今頃ではないかなぁと思うのです。

陰陽でお話すると、光、熱は陽。水は陰。昼は陽。夜は陰。

春分の頃に、昼と夜という陰と陽のバランスがちょうど同じになった。
実際に現象として私たちが体感できるまでには、時差があり、
光(熱)と雨(水)とのバランスがいいのが、まさに、穀雨の頃。

光によって感じられるようになった熱と、降り注ぐ雨の量が、ちょうどいいバランスにあるからこそ、百穀を潤し、植物たちがぐんと伸びていくときのような気がします。

春時雨 春雨 桜雨 花時雨 小糠雨 菜種梅雨 催花雨 紅雨…

春の雨の呼び方です。

雨はお好きですか?
私は、結構好きです。雨の日の方が、出かけたくなります。

メディアの天気予報では、「いい天気」という表現を使いません。
いい天気は、人によっては違うからです。

植物を育てていたり、田畑をされている方は、自分のお庭や田畑にお水をまきます。
でも、山を持っている人でも、山全体にお水をまきに行く人は多分いません。
同じ植物なのに。

私の家の隣に竹林があります。

昨年、この竹林が切られてしまいました。

でも、竹って、地下茎で全て繋がっているひとつのコロニーなんです。
そして、この春、一本、また一本とたけのこが生えてきました。
一雨ごとに高さを増し、本数も増え、葉を広げる準備をしています。

でも、この間、誰かが水を与えていたわけではありません。
いうなれば、天が水を与えてくれています。

山の木々たちは、山がどれだけ水をたたえていようとも、天から降ってくる雨を喜んで受けているように思えませんか?
雨ごとに、枝を伸ばし、葉の色を濃くして繁茂していく木々たち。

雨の日だからこそ、見えるもの、感じられるものも、きっと近くにあります。

雨を楽しんでくださいね。
新緑の季節は、すぐそこに。


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うきこ
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