こよみだより *小満*
2021.5.21
二十四節気の「小満(しょうまん)」入りです。
江戸時代の こよみ便覧には、「万物盈満(ばんぶつ えいまん)すれば、草木枝葉繁る」と記されているそうです。
陽気が良くなり、全てのものがしだいに成長して、天地に満ち始める頃。
植物や作物、虫などの小さな命たちも、世界に満ち満ちていくという時季です。
透明感のある若葉と 深緑が織りなす 木々の美しさには、思わず足を止めたくなるような季節。
その若葉も、だんだん色濃くなり、
枝葉は、夏の姿へと生い茂ってゆくのがわかります。
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二十四節気を三つに分けた 七十二候では、
・「蚕起桑食」(かいこおきて くわをはむ)
・「紅花栄」(べにはな さかう)
・「麦秋至」(むぎのとき いたる)
と続きます。
蚕は育ち盛りで桑の葉をモリモリ、麦は穂を揺らし、さらに 田んぼは田植えの時季ときて、農作業は おおわらわです。
人々が その忙しさを乗り越えてきたのは、ご近所同士で助け合う「結い」の関係があったからこそ とのこと。
困ったときは、お互いさま、 です。
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また(本当なら )この時季は、「走り梅雨」も見られる頃と言われています。
走り梅雨とは、本来の梅雨に先駆けて、まるで梅雨を思わせるような ぐずついた天気が続くこと。
「迎え梅雨」や「梅雨の走り」とも呼ばれます。
通常なら、この後に晴れた日が続き、その後で本格的な梅雨に入るそうなのですが、今年は驚くほど 梅雨入りが早く訪れています。
いま お伝えしたことが、今年も当てはまるのかどうか。。 それは、地域により異なるのかもしれません。
季節は足早にうつろいますね。
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そして小満の頃は、紫陽花が美しく花開く季節でもあります。
この写真は、一週間くらい前に撮影したものです。
良く晴れた日で、ガクアジサイや 木漏れ日が、可愛い影を描いていました。
この時には、まだつぼみだった花々も、現在は ずいぶん開花が進んでいます。
さらに一斉に美しく咲きそろう日は、もうまもなく。
楽しみです。
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陽の光が恋しくなるようなお天気が続いています。
体調をくずされませんよう、どうぞご自愛ください。
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最後までご覧くださいまして、ありがとうございました。