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あんときのデジカメ 讃岐の長閑な田植え with Panasonic LUMIX DMC-LX2

(はじめに)讃岐は田植え真っ盛り。今年の梅雨は好天に恵まれましたが、例年よりやや遅め目に田植えが始まりました。田植えを境に、30度超えの真夏日の到来ですね。今回は、長閑な讃岐の田植えを、パナソニックのLUMIX DMC-LX2でスケッチしてみました。

常に社会的弱者によって担われるのが過酷な生産の現場

 田植えそのものを先日、「哲学的」に考えてみましたので、こちらも御覧ください。

 さて、田植えです。田植え機や耕運機といった農業機械が一般化するのは、1970年代以降で、弥生時代から続く人海戦術的な田植えの記憶は筆者にもありません。田植えは、非常に重労働であり、その担い手の中心は、早乙女(「五月女」といった表記もあるそうです)といった言葉もある通り、女性によって担われてきました

 確かに機械化によって前近代的な過酷さは軽減されたと思いますが、就農人口が減少の一途をたどる現在ではどうでしょうか? 筆者は3年前に讃岐に戻りましたが、驚いたのは外国人実習生の多さです。日本の農業の基本的な担い手は、こうした人々の力によって支えられていることには、留意しておきたいと考えています。なぜなら一番大変な作業は常に社会的弱者によって担われてきた、そして担われ続けているということです。外国人実習生を取り巻く環境の悪さは指摘するまでもありません。改善が望まれるよう努力したいと考えています。

 そしてヘイトスピーチという言葉がありますが、ゼノフォビア(外国人憎悪)の念が強まっていることにも対峙していく必要があると考えます。例えば、外国人による犯罪件数は減少傾向にあるのですが、この国の一般認識は誤ったままです(同じように凶悪な少年犯罪の件数も減少傾向です)。
 一見すると長閑(のどか)に見える田植えの光景には、社会のあり方を考えるヒントがたくさん詰まっているように思えます。

デジタルカメラの原型は2005年に完成したのではないか

 さて、色々なデジタルカメラを使ってきましたが、筆者は、現在流通しているコンパクトデジタルカメラの基本的な雛形が完成し実用品として現在でも耐えることのできる製品の登場は、2005年ではないかと考えています。

 筆者自身の個人的な体験に基づくものですが、2005年ぐらいまでは、やはり銀塩カメラをメインで使い、コンデジをサブで使っていました。その使い方に転換をもたらしたのが、Panasonicの LUMIX DMC-LX1です。このカメラとの出会い、銀塩カメラは銀塩カメラとして使い、日常生活の記録はもっぱらデジタルカメラで使うようになったと記憶しております。

 LX1が登場した時、そのウリはハイビジョンテレビアスペクト比16:9での撮影が可能というものでしたが、筆者としては、「広角28ミリ」で撮影できること、そしてコンデジでありながら容易にマニュアル撮影ができること、そしてライカ党ですから「VARIO ELMARIT」レンズに注目し、大枚をはたいて購入した記憶があります。RicohのGR Digital II に更新するまで都合2年ほど使いました。
 今回紹介するのはLX1が発売された翌年の2006年に発売されたLX2です。メインで使うコンデジをLX2に更新しなかったのは、色使いが派手すぎるということでリコーに乗り換えましたが、久しぶりに使ってみると鮮やかな色使いも「悪い」ものではありませんね。

ワイドな「アスペクト比16:9」に慣れることができるかどうか

 では、簡単にスペックを紹介します。撮像素子は1/1.65型総画素数1041万画素CCDで、このクラスのコンデジでは大きなセンサーを搭載しています。レンズは、8群9枚LEICA DC VARIO-ELMARITで、アスペクト比16:9時で、35mmフィルムカメラ換算28mm-112mmの4倍ズーム(アスペクト比3:4の場合、34-136mm相当)になります。16:9で撮影すると28mmのレンズの広角感「以上」にワイド撮影が気楽に楽しめるカメラとなっています。

 ややブレやすいのは、この時代製ゆえの制約かもしれませんが、背面のジョイスティックは意外と使いやすく、フルマニュアル撮影が簡単にできる点はポイントが高いと思います。LX1でノイズが高いところが欠点と言われておりましたが、たしかにISO感度をあげるとノイズは高くなってくるのですが、ISO200ぐらいまでは鮮明に描写します。

 動作感や操作感に関しては、発売からすでに10年以上経過しているものの、まったく現代でも容認できる範囲内です。ピント迷いが若干気になるもの、これも誤差の範囲内でしょうか。


 広角ワイド撮影を気楽に楽しめる、使いやすいカメラと評価できると考えます。ただし、これは好みの問題ですが、筆者は、ワイドな「アスペクト比16:9」にどうしても慣れませんね。


ということで撮影データ。プログラム撮影。ISO100、露出補正なし、ホワイトバランスオート。アスペクト比16:9で撮影、画像は4,224×2,376で保存。撮影は6月15日~6月23日。撮影場所は香川県善通寺市、丸亀市、三豊市、仲多度郡多度津町。


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氏家 法雄 ujike.norio
氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。