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一日一頁:川端康雄『ジョージ・オーウェル 「人間らしさ」への讃歌』岩波新書、2020年。
震えをもって読了した。
オーウェルには怒りの告発文と併存する「明るさ」があったといい、「『ディーセンシー』と呼ぶ、ふつうの人々がもつ『人間らしさ』への信」があったという。かくありたいと強く願う。
時間がなくても1日1頁でも読まないことには進まない。
すべてではないにせよ、オーウェルの著作の原動力に怒りがあった。見たように、『カタロニア讃歌』はスペインで同志が不当に弾圧された事実に怒ったからこそ書いたのだと本人は語っていた。他の著作でも許しがたいものへの怒りの強度は並大抵ではない。帝国主義、階級差別、弱者への抑圧、為政者や知識人の不誠実な言動、体制順応主義、権力への忖度、阿諛追従、(自己)検閲、人間の精神を狭めようとするあらゆる「正統的教義(オーソドクシー)」ーー怒らずにはいられないものが確かにあった。
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