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uisan4869/小説
2020年10月27日 08:03
もうすぐ深夜0時を回ろうとしている頃。誰もいない24時間営業のコインランドリーで大量の洗濯物に埋もれていた。設置されている洗濯機何台かに分けて、持ってきた物をせっせとぶちこんでいく。大きな手持ちバックから愛用している洗剤と柔軟剤を取り出し、物に合わせて使い分ける。三台が同じ時間に終わるように調節してスイッチオン。今までの静寂を破る洗濯機の機械音が室内に響き渡る。ふと外を見るとさっきま
2020年10月8日 09:03
電気ポットに水を入れ、コードをコンセントに差し込み、スイッチオン。徐々にポットの中の水がコポコポと音を立て始める。水が熱湯へと進化している証拠だ。この間にメインの準備。テーブルの上に用意されたカップ麺の蓋を開け、付属の加薬やソース、ふりかけを取り出す。俺の好きなメーカーの焼きそばだ。事前に加薬を開き、カップの中に入れていくが、ここでちょっとした裏技。普通の人は麺の上に加薬を
2020年10月10日 17:36
海の怪物。人によって様々な解釈がある。サメやタコ、クジラなど言い出したらキリがない。だがあくまでそれは昔の話。実際に見た人や文献自体もそう多くはないのが事実。その存在は半分伝説じみている。それでも俺は一眼でいいから自分の目で怪物というものを見てみたい。そのために海洋学者にまでなった。海の怪物を調べ始めて早一年が経とうとしていた。だがでてくるものは伝説の生き物だったり、古代生物や突然
2020年10月14日 11:15
死期が近い人間には死神が見える。なんてことを言い出す奴ほど実は死期が近い。死神は、やれノートを拾えば見えるや霊感が強すぎたら見えるなどといったことは全くない。死期が近い生物の前に現れ、死を見届けると同時に、その生物が本来送るはずだった残りの寿命をいただいて生きている。生物がいなくなれば消えてしまう、儚くも弱い存在なのだ。毎日のように出てくる死者のリストの中から自分が見届ける生物が無尽蔵に選
2020年10月19日 08:00
もうどれくらい経っただろうか。暗闇だけが包むこの空間に潜むそれは、紅の瞳を輝かせこちらをじっと見つめてくる。目を離すことなくじっとこちらを。身体は動かない。なのに震えだけは一向に止む気配はない。俺はそれと目を合わせないように身体を縮こませ、その瞳がいつ過ぎ去るのもわからないまま、じっとその時を待っている。あれの正体は未だわからない。家で寝ていただけなのに、いつの間にかこんな暗闇の空間にいて