空想小説*花様年華〜ヌナのおはなし〜

はじめまして😊 ARMY🔰のUIARMYです。 BTSの花様年華シリーズを知り、膨らんだ想像を形にしてみました。 「こんな話、あったらおもしろいかな?」という娯楽の一貫により生まれた作品です。 どうぞお気軽にお楽しみいただければ幸いです❣️

空想小説*花様年華〜ヌナのおはなし〜

はじめまして😊 ARMY🔰のUIARMYです。 BTSの花様年華シリーズを知り、膨らんだ想像を形にしてみました。 「こんな話、あったらおもしろいかな?」という娯楽の一貫により生まれた作品です。 どうぞお気軽にお楽しみいただければ幸いです❣️

最近の記事

花様年華〜23-2. save Hoseok and Jimin #3

23-2. save Hoseok and Jimin #3 →つづき 助手の一人が試験室の外まで私を追いかけてきた。 『瑞上さんっ...』 彼女が入所してから、長い付き合いになる。 これまで数え切れないほど試験を共にしてきた。 『何があったんだろうね?もう...私もどう接したらいいか』 口元から漏れる苦笑いが本当に苦く感じる。 『管理士の話がどのくらいかかるか分かりませんが、被験者には説明した上で、待機室で瑞上さんを待っていてもらいましょうか?』 彼女の精一

    • 花様年華〜23-1. save Hoseok and Jimin #3

      23-1. save Hoseok and Jimin #3 ねぇジン。 今、ジンの心の中にいるのは誰? 『キム・ソクジンさん、落ち着いてください、タイムリープ試験は終了しましたよ』 東条先輩が落ち着いた声で話しかけ、助手たちがベッドから転げ落ちそうになるジンの体を支える。 『あっ...あのっ...僕は...』 アラートは止んだが、バイタルチェックの小刻みな音が私の不安を煽る。 『キム・ソクジンさん、今回の試験で脳波に変調が見られました。ケガなどはなさそうでしたが

      • 花様年華〜22-2. save Hoseok and Jimin #2

        22-2. save Hoseok and Jimin #2 →つづき 「おい、大丈夫なのか!」 勢いよく扉を開き、東条先輩が試験室へ入ってきた。 良かった... 東条先輩まだいてくれたんだ。 脳波やバイタルの変調を伝え、東条先輩が食い入る様にデータを見つめる。 「...まぁ何かあったのは間違いないが命に関わることじゃなさそうだな」 東条先輩はそうつぶやいた後、助手にも韓国語で伝えるとジンの手を握り、反応を確かめた。 現在に置いていかれたジンの体に生体反応がある

        • 花様年華〜22-1. save Hoseok and Jimin #2

          22-1. save Hoseok and Jimin #2 ねぇジン。 ジンのそばには私がいていいんだよね。 ずっと、いていいんだよね? 慣れたもので、ジンは研究所内で出会う人に笑顔と挨拶を届ける。 性別問わず、ジンの優しく穏やかな人柄が受け入れられるのに時間はかからなかった。 『ヌナ、所長さんっていい人だね。タイムリープで是非友人たちを救ってあげてください、って声かけられちゃった』 『えっ!所長に会ったの⁉︎』 所長は自分の研究室から滅多と出入りせず、一度も言葉

          花様年華〜21-2. save Hoseok and Jimin #1

          21-2. save Hoseok and Jimin #1 →つづき 『この前のタイムリープでホソクとジミンが同じ病院に入院していることが分かったんだ。ホソクは常飲している薬の入手ルートさえ分かれば特に問題ないんだけど...』 私から質問しなくても、ジンは口を開けばタイムリープの時の話ばかりになってきた。 言い方は悪いが、どうでもいい話だ。 もう既にジンの提出したレポートに事細かに書かれている。 一応、担当研究員として何度も読み返すし、文章から精神の錯乱が表れていない

          花様年華〜21-2. save Hoseok and Jimin #1

          花様年華〜21-1. save Hoseok and Jimin #1

          21-1. save Hoseok and Jimin #1 ねぇジン。 人はひとつ手に入れると、心に秘めていた全てを手に入れたくなるんだね。 『ヌナ、ありがとう。僕のためにタイムリープの回数を調整してくれて』 ジンのタイムリープ臨床試験は7回目を迎えた。 体調はすこぶる良好で、精神的にも落ち着いている。 リリーフピリオドを調整し、試験回数を増やすというだけで、ジンのこの安定感だ。 『ジン、いってらっしゃい。決して焦らないでね。時間はたっぷりあるからね』 ジンの手を

          花様年華〜21-1. save Hoseok and Jimin #1

          花様年華〜20.

          20. ねぇジン。 ジンのために奔走する私の姿は周りからは滑稽に見えてたりするのかな? 「...というわけなので、被験者の体調を管理しながらリリーフピリオドを短縮できないかと」 恋人のわがままにまんまと乗せられ、仕事に影響が出てる。 そんな私を、意外にも東条先輩は気の毒そうに見ていた。 「なぁ...お前、本当にそれでいいのか?」 いいか悪いか、じゃない。 ジンの納得いく形で早く試験を終わらせたい。 これが私の本音だ。 「被験者本人が望んでいますし、体調も良いようで

          花様年華〜19-2. save Yoongi

          19-2. save Yoongi →つづき ジン、気付いて。 臨床試験は最後の回まで、被験者が無事でいることが一番大事なの。 目的は果たせなくても、ちゃんと現在に戻って過去を受け入れる心の余裕を生み出す。 それが目的なの。 『ジン。私にとってジンは一番大切な存在なんだよ』 ジンの長くきれいな指に触れる。 いつもより少し冷たい。 『僕にとってもヌナが一番大切だよ?』 小さな声で呟くようにジンが答える。 『ヌナと堂々と幸せになりたいんだ』 分かってるよ。 分か

          花様年華〜19-1. save Yoongi

          19-1. save Yoongi ねぇジン。 問題をひとつ解決するごとに笑顔が増えてくジンを見て、私は... 本当は喜ぶべきなんだよね。 隠し切れない達成感がジンから溢れ出す。 6回目のタイムリープでユンギを火の海から救ったからだ。 4、5回目と、事故前にユンギと出会える手応えがなかったようでジンはかなり意気消沈していた。 しかし、ナムジュン、ジョングクに加えて、6回目のタイムリープ中にテヒョンと再会、協力し、ジンの覚醒直前にユンギを探し出せたようだ。 『結局、ユン

          花様年華〜18-2. save Jungkook

          18-2. save Jungkook →つづき これまでの試験で被験者が過去で亡くなったケースは当然ながらゼロだ。 そうならないように被験者本人も現在で見守るこちらもブレーキをかける。 そういった事故が起きてしまえば研究所自体も閉所に追い込まれ、所長は倫理責任に問われてしまう。 何より現在から過去へ意識を飛ばしたまま亡くなった場合、現在にどのような影響を及ぼすかは全くもって未知数なのだ。 現在に置いていった体、意識を飛ばした過去から現在までの間に出会った人の記憶、もし

          花様年華〜18-1. save Jungkook

          18-1. save Jungkook ねぇジン。 隠し事なんてしてほしくない。 ありのまま話してほしいよ。 ジンはタイムリープにより過去でナムジュンと再会し、2人で協力しながら仲間を救い出すことをベースとしたようだ。 次は最年少のジョングクらしい。 2回目の試験では居場所は突き止めたものの、ジョングクの不幸を知らせる電話に出た時点で覚醒したようだった。 その2回目のタイムリープを終えたジンはひどく疲れていたものの、何か確信を得たような自信が瞳から伝わった。 あと

          花様年華〜17-2.

          17-2. →つづき 2回目のタイムリープ臨床試験の日がやってきた。 1回目の時とは人が変わったようにリラックスし、確実に何か手応えを感じているような表情のジンを見ていると、本当に過去から帰ってくるのか不安になる。 もちろん絶対帰ってくるし、帰ってきてくれなきゃ困るっ... 『被験者No.613、キム•ソクジンさん。これから2回目の臨床試験を開始します』 『ヌナ』 差し出された手を握り、ジンの温かさを感じる。 たった48時間よ。 ジンは必ずここへ、私の元へ戻ってく

          花様年華〜17-1.

          17-1. ねぇジン。 次のタイムリープから帰ったら友達のことじゃなくて... 私たちのことを話したいな。 通常リリーフピリオドは8日〜10日設けられる。 被験者の年齢や体調、到達する過去時間の調整など考慮してだいたいは10日後に行う。 『ヌナ、僕体調がすごくいいんだ。リリーフピリオドを切り上げて次のタイムリープにいけそうなんだけど、どうかな?』 そんな... 散歩に行く前の犬みたいなワクワクした顔しないで。 『ジン、焦っちゃだめだよ。まだ一度タイムリープしただけだ

          花様年華〜16-2. save Namjoon

          16-2. save Namjoon →つづき 初めての試験後、ジンはヒアリングと身体検査を無事終えて、次のタイムリープに向けて体調を整えるリリーフピリオドに入った。 次のタイムリープまでに、訪れた過去での出来事を被験者自ら追憶・記録し、次の試験に備える。 試験に回を重ねると本来のタイムリープの目的を忘れてしまう被験者も多いため、記録はレポートとして研究所へ提出してもらう。 ここで、現在の家族などに知られては困るようなことを隠してしまうと後でとんでもないこと、極端に言え

          花様年華〜16-1. save Namjoon

          16-1. save Namjoon ねぇジン。 ジンが踏み出した一歩はとても大きいものだったね。 『...ヌナ...』 ジンは長い過去への旅から無事に戻ってきた。 目を開けて最初に私を呼んでくれるなんて、こんな幸せなことはない。 『うん...ジン、おかえり。待ってたよ』 ジンの手を握り、小さく微笑む。 もちろん抱きしめたいのは山々だが、ここは試験室だ。 被験者初めてのタイムリープからの覚醒のため、私や東条先輩、助手がいるのはもちろん、かなり久しくNOTESを使用し

          花様年華〜JIN side⑥

          JIN side⑥ 君と出会って僕は変わった。 ほんの少しだけ前へ進みたくなったんだ。 溢れる涙を僕は敢えて止めなかった。 彼女を想って泣くのはこれが最初で最後になるだろう。 好きなだけ。 泣けるだけ泣けばいい。 ホテルのチェックアウト申請と韓国へのフライトを予約した。 あと一日。 明日一日でけじめをつけよう。 ダメならダメで帰ればいい。 こんなヤバいストーカーじみた僕のこと、韓国では誰も知りえない。 彼女に会うことは、もう二度とないんだから。 夜のうちに荷物を整