音に とろけて 午後八時
スラリと華奢なグラスに
苺やベリー、葡萄の冷凍と
手頃なスパークリングワイン。
夏にひときわうれしい即席のサングリアです。
フルーツの隙間を縫うように
浮き上がる気泡は
しゅわしゅわシャワシャワと
水面でちいさな音をはじけさせ、
そこから微かに、
甘酸っぱい香りを放っています。
先日引越しを終えてからというもの、
知らない土地に対する不安と
進まない片付けに疲れで、
気の塞ぐ日々が続いていました。
自分だけがぽつんとひとり
そこに取り残されているような心細さで
胸がいっ