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記事一覧

プロダクト開発では「ヒアリング」をしてはいけない

ビジネスの世界では「顧客へのヒアリングが大事だ」とよく言われます。 お客さんのもとを訪れて「どういうことに困っていますか?」と質問し、そこで聞き出した課題をもとに、プロダクトの開発や改善に活かしていく……。これが定石だとされています。 しかし、これはIT業界に広がる大きな誤謬であると、私は考えています。 ヒアリングによる「追体験」には限界があるからです。 ダイニーは飲食店に向けて、モバイルオーダーやPOSシステム、決済や勤怠サービスなど、お店の課題解決につながるプロダ

経営戦略の考え方、プロダクトと経営戦略の結び付け方

皆様、こんにちは! テックタッチ株式会社のCFO/CPOの中出 昌哉(なかで・まさや)です。(@masaya_nakade)2024年の夏にCPO協会の理事に就任したということもあり、この記事では経営戦略の身に付け方と、経営戦略とプロダクト戦略のつなぎ方について書ければと思います。 【内容サマリー】 ・経営マインド、経営戦略の身につけ方 ・経営戦略とプロダクト戦略をどの様につなぐべきなのか(の僕の考え) ・プロダクトマネジメントに関わっている方だけではなく、製品を保有する会

【保存版】本当に成果の出るKPI設計(前編・設計編)

Xで@otc_tyouzai 郡司さんの投稿にリプしたら、思いのほか大きな反響をいただきました。そこで今回、KPIについてあらためてお話ししたいと思います。そういえば、部下とのKPI設計については毎年同じ説明をしてたなぁ…なんて、懐かしく思い出しました。 私はこれまで役員やファンドの投資先バリューアップ担当として、売上が数億円規模から1000億円以上の会社まで、事業戦略やKPI設計を手がけてきました。単なる「絵に描いた餅」にならない、本当に使えるKPIを求めていろいろ試行錯

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「UXとUIの違い」以前に、「サービスとプロダクト」を混同していないか?

UXデザインの文脈では、「UXとUIは違う!」という話をよく聞きます。 確かにUI(ユーザーインターフェース)はプロダクトの操作や見た目を中心とする要素であり、UX(ユーザーエクスペリエンス)はそれよりも広い「ユーザーが得る総合的な体験」を含む概念です。 とはいえ、なぜこれほどまでに混同が生じるのか――。 そこにはただ単純に「用語が曖昧だから」という理由だけでなく、「サービスとプロダクトは延長線上ではなく、次元が異なるもの」という大前提が理解されていないからなのではないで

「要求」を言語化する技術

僕はIT系の職種の方にはもちろん、非IT系の職種の方にも強くおすすめしているスキルがあって、それが「要求」を言語化する技術です。 これまでの社会人人生で、この能力があるのとないのとで、依頼先の人の力をどれくらい引き出せるかが圧倒的に変わってくるなというのを体感してきました。 ※今回の話は、要求の抽象度の話など微妙に業界で統一的な見解があるものでもないので、僕の持論ぐらいに思っていただけると幸いです。 前提 ビジネスの(特にIT系の)現場では、「こんなものが欲しい」とい

ブラックボックス化しがちな「目標設定」のナレッジ。組織の上位方針と個人の衝動をミートさせ、「物語」を駆動させるには?

新年度のバタバタが落ち着いて、組織やチームとして新たに設定した目標に向かって走り出しているところかと思います。1年間のチームの歩みに影響を与えるという点で、非常に重要な意味を持つ目標設定と、その伝え方。 しかし、そのナレッジはブラックボックスになりがちであり、「うまくいかない」と相談を受けることも多くあります。 相談の詳細を尋ねると、多くのマネージャーが、上から降ってきた目標をそのままチームに下ろしていることで、さまざまな問題が生じていると感じます。この"伝言ゲーム方式"

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”顧客解像度”の上げかた ~事業開発こそ「お客様」を一番理解するべき~ #BtoB事業開発アドカレ

■ はじめに こんにちは、LayerX・バクラク事業開発の稲田(@HirotoInada)です! 今回は事業開発をしていく上で必要になる”顧客解像度”をどのように上げていくのかに関して自身の経験を踏まえてまとめていきます。 時間がない方向けのAIサマリー 時間がない方は、サマリーを読んでもっと詳しく知りたいなとなったら、ぜひ全文読んでみてください! 自己紹介株式会社LayerXで法人支出管理サービス”バクラク”シリーズの事業開発を担当しています。 現在は主に以下の2

アプリ内課金をハックする〜アプリ売上・収益性を改善する〜

■ はじめに こんにちは!Repro Growth Marketerの稲田宙人(@HirotoInada)です! 今回はマネタイズ手法の中でも”アプリ内課金”をハックする〜アプリ売上・収益性を改善する〜をテーマにnoteを執筆していきます。 本noteでカバーする範囲は以下の通りです。 文章量が17,000文字強とかなりボリューミーなので、興味のあるトピックだけでもご覧頂けると嬉しいです。 1. アプリ内課金概論 2. 計測設計 3. 価格最適化 4. 課金アイテムの見た

人事的に意外とモヤモヤする6選!

こんにちは。なんやかんやで人事をやっている吉野高一(tkkz1009)です。 簡単な経歴は以下。 開発組織人事(イマココ)←人事・総務・法務・購買←SI営業←エンジニア 今回は、↑の煽りタイトルの通り私が個人的に感じたモヤモヤするけど意外とよく見かけるあるあるTIPSをいくつかご紹介できればと思います。人事というよりは人事以外の方にこそ知っていただきたい内容だと思います。(もちろん人事としては当然押さえて欲しいポイントです) 採用選考編スカウトの差出人と実際に送ってい

銭湯で学ぶプロダクトマネジメント〜僕たちには「ととのう」が必要だ〜

この記事は Money Forward 関西拠点 Advent Calendar 2021 - Adventar の 22 日目の記事です。 株式会社マネーフォワードの関西拠点 に所属するメンバーのテーマ自由なアドベントカレンダーです。 こんにちは!2日に1回は銭湯に行き、行ってない日は行きたいなって思ってるプロダクトマネージャーの杉浦です。 もともと温泉大好き人間だったんですが、ふとしたきっかけにサウナの梅湯に行き、銭湯の良さを知ってしまいました。(さすが初心者に優しい銭

プロダクトマネージャになろう

はじめに私は阪神ファンであるとともに、所属している会社ではプロダクトマネージャという役割の仕事をしています。私も良い歳なので、社内でプロダクトマネジメントとはなんぞやということを語る機会もそれなりにありまして、毎回同じことを説明している気がしたので、せっかくなので文章として公開することにしました。 私は自分が行なっている仕事がプロダクトマネジメントである、という自負がありますが、とはいえ外部の権威から何か承認を受けた事はありません。 なので世に出ている文献と異なった事が書か

プロダクト成長に関わるすべての人に役立つ!チームの目線をそろえるインセプションデッキ活用法

開発チームとのコミュニケーションの悩み プロダクトデザイナーにとって、開発チームとの協力体制の構築方法は、よく課題に上がります。 例えば、エンジニアに仕様背景が伝わっていないケース。そうすると、デザイナーからのコミュニケーションが社内外注のように一方通行になったり、仕上がった実装が想像と違っていたりと、トラブルに繋がることが多いです。 また、お互いに大切にしているものが違うと、「使い勝手の改善のために、この仕様を入れたい」と考えるデザイナーと、「実装コストが高すぎる。そこま

サービスは荒野に旗を立てるがごとく

サービスを生み出し、集客し、成長させていくとき、皆さんはどんなことをから考えますか?  自分は、一番最初に「荒野に旗を立てる絵」をイメージします。そういうメタファーを起点に考え始める。 まず、何もない荒野に一本の旗を立てる。その旗にどんな紋章を描くのか、聖句を刻むのか、そんなところからはじめます。そして、以下のようなイメージでサービスの道筋を考えます。 1. 荒野がある最初の状態。まだ何も存在せず、立ち寄るものは誰もいない。 2. 荒野にシンボルとなる旗を立てる荒野の

「ユーザーの声」を上手に聞く方法

この前、noteのCXOである深津さんの記事で、こんなものがありました。 簡単にいうと、「ものごとに対して、5回、なぜ?を繰り返す」ということが思考を深めるのによいよ、という話です。 元ネタはトヨタとかなのかな? これは、僕も昔から意識しており、絶対に実践した方がいいものだと思っています。 余談ですが nanapi の共同創業者である和田さんと最初に作ったサービスが「なんで」というサービスです。これは「解決したいことをいれると、5回、なんで?と繰り返し聴いてくれるサー