マグマのような【読書感想文】〜『CAN'T HURT ME』〜
明けましておめでとうございます!ウジョーズです🦈
新年一発目の投稿は、久しぶりの読書感想文です!
前回の読書感想文からだいぶ期間があいてしまいましたが、
新年のnote初めにふさわしい熱い感想文になったかと思います。
ちなみにこちらがその読書感想文です↓
さて今回題材となる本は、
デイビッド・ゴギンズ 著 櫻井祐子 訳『CAN'T HURT ME』です。
年が変わって、目標も新たに今年一年を良い年にしようと燃えている
そこのあなたにこそ読んでもらいたい!
そして
・目標に向けて行動を起こそうとしても全然続かない
・辛い状況になるとすぐに逃げてしまう
・他人や環境のせいにしてしまう癖がある
これらの悩みがある方々にも、おすすめの一冊となっています。
人生、うまくいかないことばかりで、
何もかも中途半端だった僕が、心の奥底から熱い何か(やる気なのか、覚悟なのか、決心なのかわからない)が噴き上がるものを感じた本でした。
この熱を冷まさせないように読書感想文を書いた次第です。
貧乏、デブ、いじめ、無学、黒人差別の全てに打ち勝ち、
死者が出るような軍隊の訓練に何度も耐え抜き、
100km以上のマラソンや極寒の中の足を凍らしながらのマラソンを走破した著者の言葉は過去一で心が熱くなりました。
”背中を押す”というより”背中に手を添えてくれる”ような
著者の一言一言はあなたの想像を超えるような明るい未来へ
連れていってくれることでしょう。
〜マグマのような読書感想文〜
この文章が僕とこの本の最初の出会いでした。
昔から僕は何においてもそつなくこなせるタイプの人間でした。
「人から言われたこと」「自分の苦手なこと」
あらゆることで平均の少し上をキープすることができる。
俗に言う”器用貧乏”。
でも生まれながら”器用”だったのかというとそうではありませんでした。
子どもの頃、たくさん怒られてたくさん泣きました。
僕は、怒られることがすごく嫌いです。
怖かったというより見限られると思ってました。
もうこれ以上「怒られたくない」という負の感情から
生存戦略として身につけた技術が「器用」でした。
「器用」という技術を使って”いい子”を演じることが
一番怒られにくいんだと子どもながらにして学んでいました。
”いい子”には「できない」が許されない。「わがまま」も許されない。
でもそういう”設定”で数十年生きてきて分かったことがあります。
「いい子」で生きていくことには限界があるということ。
「正解」が必ずある「問い」を与えられる学生まではそれで良かった。
でも社会に出れば、学校以上に「正解のない問い」
つまり”理不尽”や”不遇”が跳梁跋扈しています。
僕はいい子なのになぜあの人は選ばれて、僕は選ばれなかったのか。
僕はいい子なのになぜこんな辛い目に遭い続けなければいけないのか。
僕はいい子なのになぜ、僕はいい子なのに、僕はいい子…
日に日に不遇に対して黒い感情が湧いていくことに
気がついていましたが、止められませんでした。
そしてそんな感情を抱いている自分が大嫌いでした。
著者のゴギンズ自身も僕以上に幼少期からあらゆる不遇に遭ってきていました。父親の虐待、人種差別、過重労働など。
でも僕と違うのは、全て自分の責任にしていたこと。
どうして不遇な扱いを受けているのに自分のせいにできるのか?
それは、世間とはそもそも不遇であり理不尽だと理解していたからです。
そしてその不遇と理不尽で生じた怒りの矛先を自分自身に向けていたから。
僕は世間に対して期待をしていたんだと思います。
いい子でいるんだから、それなりの見返りを世間は与えてくれるだろうと。
だからこそ余計に不遇な扱いを受けていると感じると、世間や周りに対して
黒い感情が湧いてしまう。
”心”というのは、いじめや虐待、失敗、挫折などの困難を経験する前は、
柔らかくて無防備です。
そして人生の特にネガティブな経験をしていくうちに、心の周りは鎧のように厚く鍛えられていきます。
でもこの鎧のような心は表裏一体で、間違った使い方をしてしまうと人生を良くない方向へ導いてしまいます。
僕は「鎧の心」を間違った使い方をしていました。
自分の人生は自分で変えるしかない。
たくさんの理不尽や不遇に遭遇したとしても
そこにヒーローはやってきません。
理不尽や不遇と戦うためには、
自分との戦いに変換していく必要があります。
僕自身「気合いと根性でなんとかする」「自分との戦いだ」みたいな
根性論はすごく苦手です。
なぜかというと、僕が気合いと根性を出せるタイプの人間ではないから。
今まで頭で考え続けてきた人間には、生きる世界が違いすぎると感じていました。
でも実際は、思考を巡らせるだけで生きていけるほど、僕は器用ではありませんでした。(技術的な器用は持っているけど)
生きる上で、思考を巡らすことはとても大切だと思います。
でも最終的な決断は「心」で決めます。
その大事な決断のときに「心」が使いものにならなければ
今後の人生はかなりしんどいことになります。
そうならないためにもまずは土台となる「心」を鍛えなければなりません。
”心を鍛える”とは”心を使う”ことです。
ここで本書とは関係ないんですが、大好きな映画『ホームアローン2』から
ホームレスの鳩おばさんと主人公ケビンとの会話を引用したいと思います。
ケビンは壊したくないと思ってずっと大切にしまい込んでいたスケートを
いざ履こうと思ったら、自分が成長して履けなくなってしまったことを「心」も同じだよねと言っています。
そしてゴギンズは本書でこう言っています。
不遇に迎合していれば、その場では面倒なことは起きませんし、
その方が心を使わないので心理的にも楽です。
でもその先に待っているのは
「葛藤」「不安」「嫉妬」などの”心の負債”の蓄積です。
ここをいかにして、自分との戦いに持っていくか、
自分を奮い立たせていくかということを本書を通して学ぶことができました。
ゴギンズ曰く「人間の心の奥にはリミッターが埋め込まれている。そのせいで人間のほとんどは全力の40%しか出せていない」と言っています。
これは別に科学的に証明はされていなく、100kmを超えるマラソンや軍隊の訓練を体験した本人の感覚なのですが、限界を感じたら、そこからもう少し余力を捻り出す。徐々に限界の限界をこじ開けていく。
「まだ60%も余力も残しているんだから」と常に念頭に置いて、自分の限界と戦う。
正直、一番苦しいことだと思いますが、こうやって自分と戦い続けることが一番報われることだと教えてくれました。
今、流行りのタイパ、コスパ、ワークライフバランスという言葉。
確かに重要なのはわかりますが、「効率」を求めすぎるというのは良くないのかもしれません。
僕自身、「効率」という建前を使って、楽な道へ逃げてしまうことが多々あります。
それになんとなくですが、人間は効率を求めすぎたせいか、
「不遇」や「理不尽」の対処が下手くそになっているように感じます。
ゴギンズの辞書に「タイパ」「コスパ」の言葉はありません。
”不快”や”限界の先”の中にマグマのような熱量があることをゴギンズは
身をもって知っていました。
そしてそのエネルギーは「不遇」「理不尽」「効率」などを超越する。
「不遇」や「理不尽」の圧力を真っ向から受けて立つことでより強固で
心にマグマのような熱量を持った”自分”というダイヤモンドが出来上がるんだとゴギンズの人生から感じました。
〜最後に〜
本書には、今回引用した言葉以外にもまだまだゴギンズ節の効いた言葉が
読者の心に熱く訴えかけてくれます。
「今の自分にモヤモヤする」「もっと勢いが欲しい」
「突破力を身につけたい」そういった方たちの燃料となる一冊になるかと思います。
ぜひ本書を手に取ってゴギンズとともに人生というマラソンを並走しては
いかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。