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note120本目 丸ノ内で優雅な昼下がり 文豪クリームソーダとインターメディアテク

友人Rに一本釣りされ、丸ノ内丸善の美しいソーダを飲みに行くことになった。

文学作品がクリームソーダに!「文豪クリームソーダ」フェア開催 | お知らせ,イベント | 丸善ジュンク堂書店コーポレートサイト (maruzenjunkudo.co.jp)


文豪クリームソーダを優雅にいただく

東京・大手町の地下迷路をたどり、なんとなくエスカレーターを上がるとそこにある。
丸ノ内丸善のカフェ。
丸善は何度も来たことがあるが、一人だとこんな高級カフェに入ろうという気にならない。
しかし今日は珍しく二人づれ。
私はツーピースでめかしこみ、
Rは上下黒のイケメン紳士スタイルでご登場。
 
店前にはfabulousなくりぃむソーダを求める人々の行列ができていたが、先着したRが記名していてくれたためすぐに入店できた。感謝。
 
上品なお味のハヤシライスをいただいているその間にも、ひっきりなしにエモい色合いのソーダがお客のテーブルに運ばれていた。
うちらのとこにもアレが来るよ。……来た!
 
私は「女生徒」(太宰治)
Rは「檸檬」(梶井基次郎)
 
おお……宇宙的ノスタルジア!!(これは宮沢賢治ぽいな)

手前が「女生徒」

「檸檬」はレモン汁をかけると紫色に。
バタフライピー的な。
「女生徒」はアイスがしだいにとけ、青色が煙がかった水色のようになっていった。
このような美しい飲み物がこの世にあるのか。生きていてよかった。
 

元教員コンビ、丸ノ内丸善を冷やかす

その後、我々は本屋エリアを逍遥した。
Rは元・理科教員なので「プラスチック」「ゴム」が気になるようだった。
理科エリアで私の目を引いた一冊
『ペンギン 化学辞典』
 
茶「あっ、ペンギンの辞典だって!」
R「wwwwwwwちがwwうwwwww」
……「ペンギン」の本じゃない……だと……!?

出版社の「ペンギン」……?

……そらそうよ。
どこの世界に「ペンギン」に一冊丸ごと捧げられた「化学」辞典があるんや……!!
文系理系以前の問題ですよこれは
いやだって字でかいんだもん「ペンギン」アピール強いよPenguin Classicsと同じとは思わんよ(思えよ)
 
そんなこんなで本屋をぐるぐるし、エスカレーターをちょっとずつ下り、
……何も買わずに出てきた(汗)
あのfabulousなソーダは……本屋を元気づけるための……客寄せだったのにな……
こういうことに帰宅して数日たつまで気づかない。

インターメディアテクという異世界

さて、お次はインターメディアテク訪問である。
東京駅からすぐ、Kitte内にある博物館。
ここには東大の学術標本が展示されているというのだが、
なんと、無料だという。正気とは思えない。
 
で、正気を疑うくらい、充実していた。
入るなり、アカデミックなロマン空間が目の前に広がり、圧倒される。
骨格標本、剥製、機械、実験器具、岩石、貝殻、薬草……
サイエンス系のコレクションがずらり。
数式を形にしたもの、とかいう茶ぶどうの理解をこえた謎の物体も数多く陳列されていた。
(※以下、画像はR様ご提供!)

ホネホネロック
お外も素敵
なぜか直置きで扱いが悪いものも
亀の甲羅と足の関係なんか考えたこともなかった
ナウいやつもあった 最近みんなこれ首にかけてる


以下、心に残ったものをいくつか記す。
 
〇アカシカの骨格標本
BEASTARSを読んでいたので、アカシカに反応してしまった。
ルイ、でかいやん……! オオカミより全然でかいやん!!

 
〇ヒトの骨格標本
サルなどとともにヒトのスケルトンが並んでいた。妙にファンキーに「やあ」って感じで片手をあげて。
茶「小さいよね、子どもかな」
R「……(じっとこちらを見ている)」
茶「お前そこに並んでみろって?」
どうも同じくらいの身長だったらしい。茶ぶどうは自分で思っているよりも小さい……
(先日の健診をもってめでたく2年連続「151cm」を記録)

一番うしろ(左)にいるのが 茶ぶどう(サイズのヒト)である

 
〇剥製の配置
タヌキの剥製が椅子で眠っていて何とも言えない気持ちに。
かわいかわいそかわいい。

なんの説明もなく脈絡不明な配置の剥製は館内そこかしこにあり、
なぜ君はここにいるの、の連続なのが面白い。

もちろんペンギンもいる

〇謎のオレンジの石
Rは岩石が好きだと言う。石の標本箱中に、気になるものがあった。
オレンジの、粉をふいているような石。

たしか まんなかのやつ……

例によって説明がほとんどない。名前が書いてあるようだが、英語でもない。
なんとかメモに写して、家で調べてみた。
ロシア語のようだ。
ネットのおかげですぐ、それらしきものにたどり着いた。

bはなんか読まない?字ぽかった ロシア語むずい

Realgar— 鶏冠石。
光に長時間さらされると変質するという。それがあのオレンジの粉か?
Realgar | Sulfide, Arsenic & Antimony | Britannica 
 
この博物館、説明が全体に少ないのだが、こうして調べさせることで学習内容を定着させようという狙いなのか……? 教育的配慮ってやつだな……!!(そうかな)
 
〇線虫のイラスト
先日、線虫の記事(ではない)を投稿したが、
線虫はイラストが何枚も掲げられていた。
とても大きく描かれており、あれ、私線虫の大きさ読み間違ったかな、と思ったが、今見るとやはり1ミリとかだった。ということは、顕微鏡で観察して描いたのか。つくづく物好きだな。

うにょろ うにょろ

 〇立派な地球儀、の輪
どでかい地球儀があって、本好きはそういうの好きな人多いと思うんですけど(偏見)、この「輪」にAries Taurus...と12星座がラテン語で書き込まれていてテンション上がった。

ある種のオタクは黄道12宮をすべてラテン語で暗唱しています

〇A-Aアトランダム!?
大量のチューブがつながった脳的な機械?の展示(?)
実際何を見たのかわかっていないわけだが……

なにかを思い出させる佇まい……

私これ知ってる……アトランダムだ!!
(『TWIN SIGNAL』大清水さち)
(なんと今またネットで連載中!)
「TWIN SIGNAL Biennial」 「大清水さち」 が無料で読める。クラウドファンディング×メディバンオリジナルマンガを読むならメディバン公式 (medibang.com)
 
〇実験器具など
なんの説明もないまま、そのへんの隅に転がされている器具が多数。
展示物なのかなんなのかわからない。今はとりあえずそこに置いとこう、みたいな空気を感じた。無造作展示。

なんかお高いものらしいが……
消火器の横なのがまた泣かせる


「足の指が少ない方が速く走れる」
「この機械はここがこうやって動く」
など理科教員らしい専門的な解説を加えてくれていたRだったが、
意外な弱点があった。
茶「これ、18世紀だって。新しいね意外に」
R「私……『世紀』ってよくわからなくて……』
茶「……ちなみに、いま何世紀?」
R「……22世紀? かな?」

教員ってこういうとこあるんすよ。
なので私の「ペンギン」も許してほしい。(それはアウト)
 
 
インターメディアテク。
理系なら間違いなくドンピシャな施設だが、文系でもこの雰囲気が好きな人は多いはず。
教室の再現なんかもすごくよいし、地図とか土器(南米のものなども)もあって、歴史と物語を感じさせる空間。
サイエンス系の博物館って思っていたより楽しいものなのかも、と新たな発見をした。
理科はからきしな私でも、ある種のノスタルジーを感じられた……
 
そうだ! 石とか、骨格標本とか、宮沢賢治が好きそうなモノだよね。
楽しいわけだ!(『銀河鉄道の夜』大好き)
 
ということで、宇宙的ノスタルジアに浸った、優雅な午後でした。
 
 
 
※この日のことは記事にしてよい、NGなし、とRから許可が出ている。
Rは帰りがけ、なぜか私に茶ぶどう(デラウェア)とシャインマスカットをくれた。
茶ぶどうは本当にブドウで生きているのだと思われている可能性がある…… 

ぶどうが入っていた袋には猫がインしました


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