読書感想文#10 論文の教室:レポートから卒論まで
記念すべき10冊目の読書感想文です。
こんばんは、
isukです。
本日は大学入学の際の一括購入で買うことになり、最近メルカリで出品したら売れてしまったため急いで読んでこの本、「論文の教科書 レポートから卒論まで」の読書感想文を書こうと思います。
はじめに(アブストラクト)
今回、この本の中では
「大学や高校においてレポートの課題が課せられたものの書き方が分からない」
という課題(問題)を扱います。
この課題に対し、
長年、研究や講義のために様々な人が書いた論文を読んだ経験のある筆者が考える
「"論文"というものを書くときに気をつけなければならないこと」
をこの本では主張しています。
そして、その主張の理由づけや意味をわかりやすく解説することで、この本は、
「"論文"というものの書き方を定義」
し、読者にわかりやすく論文の書き方を伝えています。
感じたこと
結論として、
「国語力」ひいては物事を正確に記述し、誰にでも理解できるように伝える力
が大切であることを私は実感しました。
というもの、これまで以下のような経験をしたことがあったからです。
例えば、研究室で学習内容の発表をしている際に、同じ概念を説明するために複数の言葉を使ってしまったことで伝えたい内容が伝わらなかったり、部活動の新歓の打ち合わせを文章でやりとりしている際に、自分が意図していることがうまく言語化できなかったために伝わらなかったりしたことがあります。
このような事態に陥ってしまった原因として、この本を読んでみたことにより、
「誰にでも物事を理解できるように伝える力」
がまだまだ足りていないように感じました。
ここでの「誰にでも物事を理解できるように伝える力」の中で大事な3つのものを
1.自分の主張、言いたいことが何であるのか
2.なぜ、それを正しいと思っているのか
3.その根拠は「客観的に」正しいと言えるのか
とします。
まず、1.自分の主張、言いたいことが何であるのかについて。
これがなければ始まらないのですが、論文を書くにしろ、コミュニケーションをとるにしろ、「相手に何を伝えたいのか」とまずは自分が明確に理解し、それを明確に相手に伝える必要があります。
例えば、以下のような文章があったとします。
何を言いたいのかわかりますか?
今日は5月だというのに寒い。もしかしたら地球温暖化のせいで天候おかしくなってしまっているのではないか。国連の調査でも年々地球上のCO2の量が増えてきているという結果が出ている。なぜCO2が増えてきてしまっているというかというと、家電に使用されている部品が非常にCO2の排出に関わるものであるからだ。しかし、私たちの便利な生活のためにこれらの家電は欠かせない。近年の家電業界全体は市場規模が拡大しており...
冒頭では「天候の変動」に関して述べ、その後「地球温暖化」から「CO2排出」に変わり「家電業界の市場拡大」というように内容がコロコロと変わってしまっています。
もしかしたら、こうした文章を書いている本人は何を伝えたいのかをはっきりと認識できているかもしれませんが、これを読んでいる人がそれを理解することは難しいです。
ですので、しっかりと1.自分の主張、言いたいことが何であるのかをはっきりと明示させる必要があります。
次に、2.なぜ、それを正しいと思っているのかについて。
これはなぜそのような主張に至ったのかを説明するために必要な要素と言えます。
例えば、
明日は雨が降る!
とあなたが友達に向かって発言をしても、普通の人であれば「なんで?」とか「天気予報がそう言ってたの?」とか聞き返してくると思います。
この例から分かるように何か主張があったときは、それを下支えする要素がなければ他人に理解してもらえないということです。
根拠もないことばかり発言をしていても、そのうち狼少年のような扱いを受けかねませんしね。
最後に、3.その根拠は「客観的に」正しいと言えるのかについて。
これは2番目の主張に至った理由が満たしていなければならない条件だと思ってもらえれば良いです。
例えば先ほどの雨の例に関して、
僕がお腹を壊した日は雨が降ると決まっていて、ちょうどさっきお腹を壊したところだから、今日は雨がふる!
と言った人がいたとします。
この人が神の使いで超能力的に、天候とお腹の調子が一致していればこの話も信じてもらえるかと思いますが、そんなことはあり得ないと思います。
雨が降ることは彼のお腹の調子によって変わるものではなく、
気圧の変化や大気の状態によって変わるものです。
ですので、なぜ、その根拠は「客観的に」正しいと言えるのかという事実を含めて相手に伝える必要があります。
これまで3つの大事な要素について話してきましたが、
どれも「当たり前じゃん」と思ってしまうような内容だったと感じたと思います。
まさにその通りで、「当たり前」だと思うようなことを意識してみるだけでも
相手への伝わり方は大きく変わります。
本書の中ではこれ以外にも
・文章の構成の仕方や、
・話している内容、テーマを揃える
などのわかりやすい文章が書かれていますので、もっと知りたいと思った方はぜひ読んでみてください!
まとめ
「誰にでも物事を理解できるように伝える力」の中で大事な3つ
1.自分の主張、言いたいことが何であるのか
2.なぜ、それを正しいと思っているのか
3.その根拠は「客観的に」正しいと言えるのか
余談
この本の著者、戸田山先生は私が通っている大学の先生であり、以前から興味を持っていました。彼が書く著書の文章は堅苦しくなく、面白おかしく読めるものになっていて、最近になってかなり興味を持っています。
もっと早いうちから彼の魅力に気がついていたらよかったと思います笑