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高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』

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高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』⑦

高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』⑦

第九話 友達には幸せでいてほしいから
 瑞稀の家についた。インターホンを押す。

 五分経った。誰も出ない。ドアに手をかけると、鍵がかかっていないことに気づいた。もしこのまま無 断で入ってしまえば、私は住居侵入罪を犯すことになるだろう。しかし今になってそんなものは関係ない。私は ドアを開けて瑞稀の家の中へ入った。

 リビングに着いた。そこには、一枚の紙が置かれていた。

椿へ

      ごめ

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高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』⑤

高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』⑤

第六話 覚悟
 終業式前日となっても、私たちは授業を受けている。国語の授業だ。この授業が終われば帰れる。少し前の私とは異なり、もう私の頭の中は楽しいことしか考えていないお花畑状態ではない。

「えーであるからして、この本文で紹介されているユクスキュルの『環世界』という概念は、生物それぞ れにはそれぞれの知覚する、独自の環境があるということを言っているわけです。少し拡大解釈になるかもしれませんが、こ

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高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』④

高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』④

第五話 未来
 七月の期末テストも近付くある日の朝、担任の先生が「二年次選択科目について」と書いてある紙を私 たちに配った。その名の通り、二年生になったときに数時間分だけある選択科目で何を選べるのか等の情報が載っている。最終決定は秋のようだが、今これを配るということはじっくり悩めということだろう。

 そろそろ私たちにも将来を考える時が来たと言うことらしい。

「そろそろ将来のこと考えないとなぁ…

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高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』③

高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』③

第三話 世の中に 絶えて桜のなかりせば 
    春の心も のどけからまし
 選挙の結果が分かったその日、朝のホームルームが終わると、つい数日前にあったテスト返しが始まっ た。正直選挙のことで頭がいっぱいだったから忘れていた。なんだか一気に現実へ引き戻された気分。

 テストといえば何が一番気になるだろう。自分のテストの結果だろうか。普通はそうだと思うけど、私は自分の結果よりも瑞稀の結果が気にな

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高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』②

高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』②

第二話 ケツイ、協力
 楽しかったゴールデンウィークもあっという間に過ぎ去り、気付けば高校最初の中間テストが近づいていた。それと同時に、テストの最終日に行われる生徒会選挙も近づいている。

 テストはともかく、私には選挙なんて関係ないと思っていたのだけれど、

「私……生徒会選挙に立候補するつもりなんです」

 柚葉のその一言で他人事ではなくなった。たしかに真面目な柚葉には向いているとは思うけど

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高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』①

高校生が書いた小説『ツバキの花は落ちたまま』①

『ツバキの花は落ちたまま』
目次
プロローグ  栄華と衰退、夢のごとし
第一話    出会い
第二話    ケツイ、協力
第三話    世の中に 絶えて桜のなかりせば     
       春の心も のどけからまし
第四話    夢
第五話    未来
第六話    覚悟
第七話    直感がそう言ったから
第八話    死期はついでを待たず
第九話    友達には幸せでい

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