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絵とエッセイ③若葉の頃


庭から見える銀杏の木

夏至も過ぎ。
花々が咲き乱れ色鮮やかな季節が過ぎ、葉がざわめく季節。

庭からは大きな銀杏の木が見えてサワサワとそよぐ若葉色に癒される日々。
思えば今のようにゆっくりと緑を眺めたことは無かったように思う。

気が付けば下を向いていて、眩しいのでサングラスをかけて歩いていた。
いつも忙しなく、何をしても満たされず。
満たされないから、自身にも自信がなく前を向いて歩く事が出来なかった。
色のついたガラス越しから世界を見て、〈自分〉と〈世間〉に対して境界線を引いて生きてきたのかもしれない。

空は〈青〉で木々は〈緑〉
しみじみと色の違いをかみしめてここ数年過ごしている。
空の色が分かり、緑の色を楽しめるほど上を向き始めた最近。
数年間ほど道路の灰色と夜の紺色しか記憶にない日々を過ごしてきたので、穏やかな気持ちで木を見上げるのはとても気持ちの良いものだ。
サングラスをかけていても、下を向いていても〈色彩〉は目に入っていたはずなのに、改めて色の鮮やかさを再認識するこの頃。
思うに〈自分を見直そう〉と覚悟を決めて色彩心理講座を受けてから世界が変わった。
「自身の変化は覚悟がいる」と言うが、まさに半月ほど自分の心の中を重箱の隅をつつくように見つめ直した。
〈認めたくない思い〉〈忘れていた感情や思い出〉〈足りない感情〉など、毎回掘り出される【自分自身】に驚き呆れる事が多かった。

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