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在庫の話⑨ 消化仕入で得するのは?

いらっしゃいませ。
本日も小売王_マグロ大使のnoteにご来店有難うございます。
今週から金曜に移動して「在庫の話」をお届けします。

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消化仕入は納品側から仕掛けられる

消化仕入れとは場所貸しのような売り方で、売れた分だけ後から仕入れ代金をを払うものです。一般小売店でも一部にそういった形態の商品が並んでいる場合がります。

結果的に百貨店の消化仕入とほぼ同じですが、これは積極的に業者側の販売戦略として用いられています。たいして売れない品種や品目では店側も積極的に仕入れようとはしませんし、売り場を割くなんてもってのほかです。

しかしレジ後ろや出入り口付近のスペースに消化仕入であれば、と契約に至るわけです。

月に一回業者が数えに来て、「何個減ってます」と言い、お店のPOSデータと照合した上で、基本的にはPOS売上に応じて内○○%という形で支払います。個数のずれは万引きロスとして業者負担です。

店舗側にとっては非常にいい仕入条件だと言えます。在庫0で売れた分だけ支払えばよく、商品ロスのリスクもありません。家庭や職場に薬箱ごとおかせてもらって、使った分だけ支払う置き薬と同じスタイルです。

気軽に導入してしまう

ここには店側がつかれた盲点があります。普通の取引であれば支払いをできるだけ先伸ばしにしようとするのに、売れた分だけ後から支払えばいいと言われれば、毎月「今月分」と言って支払うのです。

現金払いの場合すらありますが、支払いと商品のリスクを回避できるとあれば、納品業者とのパワーバランスはうまく取れているのかもしれません。

導入するかどうかは販売効率を主眼にすべきですが、在庫0で支払いも後からという言葉につられて、簡単に導入してしまいがちです。この商品は魅力が弱いからこういう扱いになっていることを忘れてはいけません。

業者側にとっては、なかなか仕入れてくれない品種だが原価率が低いような場合は、とにかく売るためのきっかけさえ作ればいいわけです。

少々万引きされても影響は小さいですし、後からも支払ってもらえるのなら、とにかくそこに食い込むために「消化仕入」を武器に売り込むのです。

あくまでもスキマ商品。甘い言葉に誘われて、売れない売り場を増やしていってはいけません。

均一価格は顧客も便利、お店も便利

DAISOも以前はこういう商売をしていました。「このスペースに商品陳列させてください。どれでも100円なのでレジ打ちだけお願いします。売れた分だけ翌月お支払いください」というやり方ですね。

100円均一だから、お店側は商品マスタ登録したり、売価を把握する必要はなく、「あのコーナーの商品はとにかく100円」ということででスーパーなどに「場所貸してください」と売り込んでいたのです。

「100円均一」は、顧客にとってもわかりやすかったのだけど、お店へ売り込みやすいというのが元にあったのだと思います。

古来からこういった数か月先の支払いの慣習はあります。農業・漁業など第一次産業が主であったりして毎月の支払いが馴染まない場合には機能的に活躍します。

しかし、現代にあっては取引上の立場でほぼ決まっています。大手のメーカーなどでは逆に、入金がないと納品しないなどという強気の商売をしているところもあります。

様々な法律や規制で、手形取引を中心として支払いを先延ばしにする手法を締め出そうとしています。確かにこれは取引の健全性を失いますから、取引上の利便性を主とした月締めの翌月払い以外は縮小すべきと考えます。

つづく

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