事務職から販売職へ異動願を出した【音声と文章】
山田ゆり
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のり子にとっては、「服」「髪」「靴」、この3つが揃い、会社では堂々といられるようになり意欲的に仕事をしていった。
のり子が入社して4~5年位の頃に、会社では「業務改革」という言葉が使われ始めた。
時代はどんどん変わっている。だからこれまでの成功が今後も続くとは限らない。過去の成果にこだわっていては時代の波に乗られないと考えられ、社内の組織が劇的に変わり業務もどんどん新しくなっていった。
そのような風潮の中でのり子は
「社内も世の中もどんどん変化しているのに自分はどうだ。このまま同じことをしていていいのか。
せっかくモノを売る会社に入社したのだから、売り場を経験してみたい。自分で仕入れて自分で販売してみたい」
という気持ちがムクムクと湧き上がってきた。
しかし、その思いを打ち消す自分がいることものり子は感じていた。
というのは、のり子は「事務職に就きたい」と思い、縁あって事務職に就くことができたのだ。
そして、販売職の方とは違い、土日祝日も皆さんと調整し合いながらではあるが、休める確率が大きい。
更に、販売職には、「早番」「中番」「遅番」があり、出勤時間がまちまちなのだが、事務職は一つの勤務体系しかなく、毎日17時に上がることができた。
社内での事務職は、子育てをしている女性社員からは憧れの職場だった。
だから、のり子は将来結婚・出産しても今の事務職にいたら、売り場の方に比べとても恵まれた境遇にいた。
そして一番は、「事務職」が面白かった。コツコツと何かを積み上げていく感覚が真面目なのり子にはぴったりなのである。
一緒に働いている仲間や上司、周りの職場の方々からも、事務リーダーののり子は信頼されていると肌で感じていた。
だからこのままずっと事務職でいることがのり子には当たり前すぎることなのだ。
しかしである。
自分に適した職場で楽に過ごすか、それとも「販売職」という新しい環境に挑戦してみるか、のり子は天秤にかけて考えるようになった。
楽な方を選んでもいい。チャレンジする方を選んでもいい。
自分の人生だから、決めるのは他人ではなく、自分なのだ。
のり子は自問自答する日々が続いた。
その日によっては、「このままでいたら楽ができる」と思い、「いや、やりたいことがあるのだったら挑戦すべきだ。」と思うもう一人の自分と対話をしていた。
そして悩みに悩んだ末にのり子は売り場への配置転換を店長に申し出た。
店長は事務リーダーとして立派に仕事をしているのり子がそのようなことを考えているとは思ってもみなかったので青天の霹靂だと言われた。
のり子はすぐにでも売り場に異動したいと申し上げたが、「君に替わるリーダーが育つまで待ってください」と店長がおっしゃりのり子はそれに従った。
恐らく店長はのり子の考えが一時的なものなのかどうかを見極めるためそのようにおっしゃったのだとのり子は感じた。
のり子の売り場異動のことは、誰にも口外せず、のり子はそれからは後輩の指導に更に力を入れた。そして一年後に「そろそろいかがでしょうか?」とのり子は店長に申し上げた。
のり子の気持ちが一時的なものではなかったことと次のリーダーが育っていることでのり子はやっと売り場異動の辞令をいただくことができたのである。
のり子が売り場へ異動になることを知ったある男性社員から
「女子社員の誰もがあわよくば事務職に移りたいと思っている中で、君は売り場に出ることを自分で決めた。君のその姿勢は素晴らしい。僕は君にエールを送る」という内容のお言葉をいただいた。
信頼していた方からのお言葉だったのでのり子はそれをはなむけの言葉として受け止めた。
就職試験の面接の時に「事務職の枠が無い場合は入社いたしません」と言った高卒ののり子が事務職として入社できた。
そして誠実・正確に仕事をするのり子は周りから信頼を得るようになり、人事考課の評価はとても良かった。
それは賞与支給の際、人事考課のランクが明細書に印字されくるから、自分がどのランクにいるのかが一目瞭然だった。
そのままずっと売り場よりも優遇された事務職にいられたのに、のり子は自分の足で新しい階段に足を乗せることになった。
のり子は事前にどの売り場が良いかを聞かれ、売り場だったらどこでも良いとお答えをした。
のり子はおもちゃ売り場に配置転換された。
長くなりましたので、続きは次回にいたします。
※今回はこちらのnoteの続きです。
↓
https://note.com/tukuda/n/n91704e31216b?from=notice
※note毎日連続投稿1900日をコミット中!
1801日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。
どちらでも数分で楽しめます。#ad
~事務職から販売職へ異動願を出した~
ネガティブな過去を洗い流す
のり子が入社して4~5年位の頃に、会社では「業務改革」という言葉が使われ始めた。
時代はどんどん変わっている。だからこれまでの成功が今後も続くとは限らない。過去の成果にこだわっていては時代の波に乗られないと考えられ、社内の組織が劇的に変わり業務もどんどん新しくなっていった。
そのような風潮の中でのり子は
「社内も世の中もどんどん変化しているのに自分はどうだ。このまま同じことをしていていいのか。
せっかくモノを売る会社に入社したのだから、売り場を経験してみたい。自分で仕入れて自分で販売してみたい」
という気持ちがムクムクと湧き上がってきた。
しかし、その思いを打ち消す自分がいることものり子は感じていた。
というのは、のり子は「事務職に就きたい」と思い、縁あって事務職に就くことができたのだ。
そして、販売職の方とは違い、土日祝日も皆さんと調整し合いながらではあるが、休める確率が大きい。
更に、販売職には、「早番」「中番」「遅番」があり、出勤時間がまちまちなのだが、事務職は一つの勤務体系しかなく、毎日17時に上がることができた。
社内での事務職は、子育てをしている女性社員からは憧れの職場だった。
だから、のり子は将来結婚・出産しても今の事務職にいたら、売り場の方に比べとても恵まれた境遇にいた。
そして一番は、「事務職」が面白かった。コツコツと何かを積み上げていく感覚が真面目なのり子にはぴったりなのである。
一緒に働いている仲間や上司、周りの職場の方々からも、事務リーダーののり子は信頼されていると肌で感じていた。
だからこのままずっと事務職でいることがのり子には当たり前すぎることなのだ。
しかしである。
自分に適した職場で楽に過ごすか、それとも「販売職」という新しい環境に挑戦してみるか、のり子は天秤にかけて考えるようになった。
楽な方を選んでもいい。チャレンジする方を選んでもいい。
自分の人生だから、決めるのは他人ではなく、自分なのだ。
のり子は自問自答する日々が続いた。
その日によっては、「このままでいたら楽ができる」と思い、「いや、やりたいことがあるのだったら挑戦すべきだ。」と思うもう一人の自分と対話をしていた。
そして悩みに悩んだ末にのり子は売り場への配置転換を店長に申し出た。
店長は事務リーダーとして立派に仕事をしているのり子がそのようなことを考えているとは思ってもみなかったので青天の霹靂だと言われた。
のり子はすぐにでも売り場に異動したいと申し上げたが、「君に替わるリーダーが育つまで待ってください」と店長がおっしゃりのり子はそれに従った。
恐らく店長はのり子の考えが一時的なものなのかどうかを見極めるためそのようにおっしゃったのだとのり子は感じた。
のり子の売り場異動のことは、誰にも口外せず、のり子はそれからは後輩の指導に更に力を入れた。そして一年後に「そろそろいかがでしょうか?」とのり子は店長に申し上げた。
のり子の気持ちが一時的なものではなかったことと次のリーダーが育っていることでのり子はやっと売り場異動の辞令をいただくことができたのである。
のり子が売り場へ異動になることを知ったある男性社員から
「女子社員の誰もがあわよくば事務職に移りたいと思っている中で、君は売り場に出ることを自分で決めた。君のその姿勢は素晴らしい。僕は君にエールを送る」という内容のお言葉をいただいた。
信頼していた方からのお言葉だったのでのり子はそれをはなむけの言葉として受け止めた。
就職試験の面接の時に「事務職の枠が無い場合は入社いたしません」と言った高卒ののり子が事務職として入社できた。
そして誠実・正確に仕事をするのり子は周りから信頼を得るようになり、人事考課の評価はとても良かった。
それは賞与支給の際、人事考課のランクが明細書に印字されくるから、自分がどのランクにいるのかが一目瞭然だった。
そのままずっと売り場よりも優遇された事務職にいられたのに、のり子は自分の足で新しい階段に足を乗せることになった。
のり子は事前にどの売り場が良いかを聞かれ、売り場だったらどこでも良いとお答えをした。
のり子はおもちゃ売り場に配置転換された。
長くなりましたので、続きは次回にいたします。
※今回はこちらのnoteの続きです。
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