TMS療法(経頭蓋磁気刺激療法)とは
過去に ↓ を書きましたが、TMS療法自体あまり知られていないみたいなので、改めて解説します。
TMS療法の治療対象
TMSとは?
概要
脳の前頭前野に磁気を使った刺激を与え、神経伝達物質の動きを活性化させます。
ざっくりいって、前頭前野は理性と思考を生み出します。
それに対し、うつや強迫性障害の症状は、恐怖や不安を生み出す偏桃体と、それらのソースとなる記憶を司る海馬の活動異常からきています。
前頭前野の活動を活性化し、感情や集中の不安定を理性で制御するという仕組みです。
つまり、理性的な思考を取り戻すことで、必要以上に怯えなくなり、嫌な記憶の反芻も減少する、という理屈です。
脳に電磁気刺激を与えるのは危険そうですが、即効性があるからこそ、安全性や副作用の検証を慎重にやっているので、逆に薬物より安全だと思います。
TMSの磁気もMRIよりずっと微弱です。
(ただし、費用に見合う効果が出るかは個人差があります。)
保険適用の場合
保険適用の条件は以下です。
それ以外は自己負担になります。
自己負担の場合
治療完了まで15万〜35万程度が相場です。(外来治療)
保険適用と違い2ヶ月の入院が不要になるので、トータルの金額は実は大差ないようです。
自由診療のメリットはプロトコルの自由さです。
プロトコルとは、方式、という意味です。
つまり磁気の強さ、波形、時間、回数など様々なパターンがあり、症状や治療の進み具合によって変えることができます。
その際に大事になるのが、その判断を下す施術者のスキルです。
メリットとは言いましたが、そこを見極められないと博打になってしまう場合も当然あります。
素人が信頼できるプロを探すためのアプローチは ↓ を参考にしてください。
ニューロモデレーションとは
電磁気を使って脳に刺激を与える神経治療全般を指します。
知識がないとヤバそうな医療に思われがちですが、電磁気治療自体は古くからある療法です。
わかりやすい例が整体ですね。
痛みの緩和やインナーマッスルを鍛えるため電気を流して神経を刺激します。
磁気ならピップエレキバンです。
そういったものの中枢神経バージョンがニューロモデレーションです。
TMS以外にも電気を使用するCES療法などがあり、そちらは機器を購入・レンタルして家庭で行うこともできます。
研究途上でもありますが、TMSは条件を満たせば保険適用になる段階にきています。
機能性医学より器質性医学に傾いた日本の医学界を鑑みるとTMSにはかなり可能性を感じますね。
器質性、とは「目で見える物」という意味です。
レントゲン、CT、内視鏡などを駆使して患部を目視確認し、薬と手術で対処する。
そういう技術は世界有数ですが、発達障害/精神疾患の根本原因は大抵が機能性疾患です。
機能性のほうは目に見えません。
ホルモン分泌や酵素の働きって、臓器や脳そのものを「目視」しても何も分からないんですね。
なので、電磁気刺激を与えて神経活動に働きかけよう、という治療法はずっと隅に追いやられていました。
日本中どこでもある整体ですら保険が効かないことが多いです。
以上から、ニューロモデレーションは(国内では)マイナーなものが多く、とても発掘しがいのある医療分野です。
また、疾患原因の根本対処でなく神経機能の向上というアプローチなので健康体になっても利用できます。
これからもさまざまな情報を集め実践し、記事を書いていこうと思います。
ただし、これらの神経治療全般を上手く行かせるため、気をつけなければいけないことがあります。
冒頭で紹介したTMS療法が効く条件についてで解説していますので、気になる人は確認してください。
追記:詳細解説記事
横浜にある専門クリニックの解説サイトです。
TMSにまつわる、適応、機器の違い、コイルの種類、プロトコル、料金目安など情報がかなり網羅的に記載されています。
また、実際に治療を受けてる方が書いたとてもためになる記事もリンクさせてもらいます。
費用等についてこちらよりずっと詳しく書かれてますね。
僕もいずれ受けようと思うので、実際に試行錯誤されてる方が情報発信されるのはとても嬉しいです。
以上です。
頂いたお金は新しい治療法の実験費用として記事で還元させていただいております。 昔の自分のようにお金がない人が多いと思いますので、無理はしなくて結構です。