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『店舗の顧客接点を最適化する』スタートアップ企業に出資しました

2011年にGoogleが提唱した”ZMOT(Zero Moment of Truth)”。

これによると、消費者は気になる製品やサービスがあれば常にウェブサイト上の情報や評価やレビューサイト、SNS上の情報を得て、意思決定をしているといったことが述べられています。

ZMOTが提唱されたのはCOVID-19以前の話ですが、コロナ禍で不要不急の外出自粛や店舗営業自粛が要請された影響もあり、店舗へ訪れる前にインターネットを見て“どこに行くか”、“何を買うか”を調査・決定するという消費者行動は、ますます加速&習慣化してきているのではないでしょうか?

さらに、インターネットサービスを利用する際は検索サイトやSNSだけではなく一般的な地図アプリ(Google マップやAppleマップ、Yahoo! MAPなど)からの情報収集も増加しているようです。

実際、ニールセン デジタル株式会社が2020年7月に発表した調査では、地図・旅行情報カテゴリーのメディア利用状況をレポートした上で「COVID-19の影響で、テイクアウトができる飲食店の検索ニーズの増加や、位置情報や地図の検索内容に応じた広告の表示など、地図サービスは今後ますます注目されることが予想されます」と、地図サービスの需要増加を予測しています。

総務省の「令和3年版情報通信白書」でも、普段利用しているインターネットサービスとして、1位のインターネットショッピング(73.4%)、2位の支払い・決済(66.9%)に次いで、地図・ナビゲーションが3位(61.4%)にランクインしており、地図サービスがよく使われていることが分かります。

さらに、近年はGoogleマップ上に表示されるコンテンツの影響力も高まっているようです。Google Japanによると、Googleマップのユーザーから投稿されるコンテンツは1日あたり約20,000件にのぼり、世界中のユーザーから投稿される口コミは数百万件あります。そして、営業時間や感染症対策など、投稿コンテンツによって追加・更新されたビジネス情報の数は2020年から約30%増加しているそうです。

このようにWebサイトのコンテンツはもちろん、地図サービスに付随するコンテンツやSNSのコンテンツの重要性も増していることから、店舗側では複数の媒体に掲載する情報を、いかに効率的に管理していくか?というニーズが生じています。

こうした市場背景を踏まえ、東芝テックはSaaS(Software as a Service)型の店舗情報一括管理「Canly」を提供する株式会社カンリーに出資いたしました。

株式会社カンリーは “店舗の顧客接点を最適化する“をビジョンに掲げ、店舗の情報を一元管理するクラウドサービス「Canly」を提供しているSaaS企業です。

「Canly」はGoogleビジネスプロフィールや自社HP、SNSなど各種デジタルチャネルにおける投稿、口コミ対応、情報更新、データ分析といったあらゆる運用業務を一括管理し、業務効率化と集客効果の最大化を実現するサービスです。

ますます煩雑になりつつあるデジタルマーケティング運用を簡略化するだけでなく、悪質な情報改ざんを検出しブロックする機能や、経営改善につなげるデータ分析・可視化に関する機能も充実。業務効率化と集客効果の最大化を実現します。

さらに、操作性にこだわった分かりやすいUX/UIや、全店舗分の口コミ閲覧・返信機能に加え、1店舗から全店舗まで一括で分析できる機能などが導入企業からも評価されており、現在、国内外35,000店舗の導入数を突破しております。

今後も店舗集客手段の多様化・煩雑化が見込まれる中、当サービスのようなGoogleビジネスプロフィールを中心としたサイトコントローラーへの注目は高く、この領域は黎明期であることから今後さらなる市場拡大が期待できます。

東芝テックとしては先述した市場背景に加え、同社の「店舗に関わる全ての人に、最も信頼されるインフラを創る」というミッションに深く共感し、私たちの主要顧客である小売/飲食業様からの評判も非常に高いため、今回の出資に至りました。

今後、 認知検索から来店・購買に至るまでの店舗と顧客接点の最適化を目指し、POSデータと「Canly」サービスを組み合わせたデジタルマーケティングの可能性を模索することで、両社の価値を高める取り組みを推進していきたいと考えております。

■東芝テック 投資担当者からのコメント

「Canly」というサービスの魅力はもちろん、運営チームにも魅力を感じ、また将来的な取り組みによって両社の価値を高める可能性が十分にあると思い、出資をさせていただきました。カンリーのデータとPOSデータを掛け合わせて顧客接点を可視化していくなど、店舗運営における“理想の姿”の実現に向けて取り組んでいきたいです。

■カンリー 代表取締役Co-CEO 辰巳衛氏、秋山祐太朗氏からのコメント

“店舗に関わる全ての人に、最も信頼されるインフラを創る“をミッションに掲げるカンリーもリリースから2年が経過し、いよいよ本格的な拡大期に突入いたしました。カンリーを通して店舗経営の生産性を向上させ、店舗関係者の皆様が創造的な仕事に注力してもらえるような世界を目指します。将来的にはカンリーのデータと東芝テックのデータを掛け合わせ、顧客接点を可視化していくことで店舗経営の理想の姿を作り上げて参ります。東芝テック様との協業をとても楽しみにしております。

★関連リンク★
 ・東芝テックプレスリリース
 ・株式会社カンリー