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「営業の科学」連休でぜひ読もうと後輩と約束した本。

 はい、大変大変ご無沙汰しております。ここのところまったく読書レビューも投稿も出来なくなるぐらい、あいかわらず多趣味でいろいろやっておったのですが(もちろんゴミ拾いもラグビーもやってましたが)、大型連休ということで、ぜひとも読もう・読んでnoteアップしよう!と心に決めていた活動を実施しようと思います。 6,000文字超えちゃっているから、だいぶ長めですけど、後半の抜粋がほとんどですから行ってみましょう!

営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する

高橋浩一 著 
2024年4月の本

 無敗営業シリーズに2019年に出会って、それまでSPINやシップレイほかで学んできた営業ノウハウがすごく体系化され、それ以来すっかり高橋浩一さんの大ファンになっており、連休でぜひ読もうと後輩と約束した本。 これまで無敗営業や質問力の本は、それこそ10冊以上買っていて後輩にプレゼントしています。 この本も僕が関連する営業の皆さんには多くの方に読んでもらいたい本ですね。サブタイトルにもありますが「根拠なき指導を一掃する」とは手厳しい。しかしながらメッセージは非常にわかりやすく、さすが高橋浩一さんだなとグイグイ読み進められました。

 無敗営業に始まり、チーム戦略、質問力、ほか、高橋さんの本は読み進めてきたのでベースとなる部分があるからこそ読みやすい、というところもありますが、今回は何といっても営業1万人、お客様1万人という事実のデータから積みあがった情報から考察・解説していることもあり、まさにデータドリブン。

「お客様の仮面の外し方」に関しても、「忙しさの仮面」の部分を読んでいると、あぁ〇〇君が苦戦している△△さんの対応だな、なるほどなるほど、確かになぁ、と思うところ多数。
「検討しますの仮面」の部分に出てくる「決裁者は、権限はあるが決められずに悩む人。提案がきちんと腹落ちするよう、緻密に提案を練りこもう」という部分は、あぁこれは◇◇さんが応対している□□さんへのアプローチだな、「費用対効果は、財務インパクトだけでなく『成長イメージ』『理念の実現』『負担軽減もセットで』」というところなんて、まさに□□さんへの次の提案書に盛り込もう!なんて具体的に思ったりしてました。

 2019年より無敗営業で学んだ工夫をいろいろと日々の実践でチャレンジし、おかげさまでハイパフォーマーとは言えませんがいくつか成果が出た事実もあります。 お役立ち情報や高速ラリーや深堀質問、要件整理(要件整理に関してはフォーマットにまで落とし込んでよく活用させていただいています)等々、高橋さんのおかげで確実に実績があがってきている事実があります。 後輩たちにも質問力の本や無敗営業を配ってチームとしての底上げを図っているところです。

 そんなところで、P202 の“「課題解決力」「費用対効果」「クイックレスポンス」は個人として取り組むだけでは足りず、会社(チーム)として実現させるタスクであると考えています。”の部分には、ガーンとなりました。ほんとおっしゃる通りですよね。確かに僕ぐらい長いこと営業やってれば確かに「お役立ち情報」も「クイックレスポンス」も意識すればかなりなスピード感で実施できますが、若手社員にはやっぱり難しいですよね。少しでもチームで解決できるネタを少しでも少しでも集めていけるよう行動に変えていこうと感じました。

雑多な感想はこのぐらいにして、以下、抜粋引用となります。(ほんとはもっと多いのですが…)
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お客様の隠れた本音にはパターンが存在する

P9 「お客様の隠れた本音にはパターンが存在する。 表面的なセリフに振り回されず、適切なアクションを取れれば、商談は前に進むんだ」と言うようになりました。指導が具体的になったのです。

P31 (忙しさの仮面に対して)「今取り組まれている別件について、差し支えない範囲で伺ってもよろしいでしょうか?
 「忙しい」と言われたときは、相手の様子を見て、聞けそうな雰囲気なら「どんな別件で取り組まれているのか」をヒアリングすることを推奨しています。

P53 表面的なセリフとして「検討しますのでお待ちください」と言ってくるお客様のうち86.3%は、心の中では(特定の条件が満たされれば)話を聞いてもよいと思っています。「お待ちください」と言われてそのまま待っていても、受注は増えないのです。

営業の科学P9 , P31, P53

お客様の裏にある目的や背景を考えて行動

・「とりあえず、予算は決まっていなくて」
→「提案がズレないよう、『この金額を超えたらNG』のラインを教えていただけますか?」と聞いて予算感をつかんでから提案する

・「とりあえず、今は忙しいので資料をください」
事例提示をお客様に合わせて工夫した資料をお送りし、アポイントにつなげる

・「とりあえず、すぐに見積もりをくれませんか」
→見積もりを送るだけでなく、お客様との高速ラリーで「話が早い営業」を思わせ、信頼を勝ち取る

・「とりあえず、もっと安くなりませんか」
お客様と判断基準を議論して整理することで、費用対効果を感じられる提案をする

・「とりあえず、社内で検討しますのでお待ちください」
お役立ち情報の提供を続けてチャンスを探り、反応があったら再アプローチする

営業の科学 P65

「はぐらかしの仮面」を外すアプローチ

「はぐらかしの仮面」を外すアプローチとしては、主に次の3つがあります。
1.お客様の不安をやわらげる
 予算を聞いてもはぐらかされてしまう場合は「教えていただければ費用対効果の高いプランを提案できる」、あるいは「お客様が社内コミュニケーションをしやすくなる支援が可能」といったことを伝えるのが効果的です。

2.質問に答える負担を軽減する
 お客様が質問に答える負担を減らすために、「答えるのが楽な」形で質問します。 「お困りごとは、Aですか?それともBですか?」のように選択肢を提示して聞くと、お客様の負担を軽減できます。選択肢を示せば、お客様は答えることが楽になるのです。

3.「売り込みの匂い」を消す
 提案内容を「営業からの押し付け」だと感じさせないことも重要です。「お客様と一緒に課題解決したい」と示すことで、意に沿わないものを売りつけられる不安がなくなります。
「はぐらかしの仮面」を外すうえでカギになるのは、「質問の引き出し」です。

営業の科学 P85

実は大したことのない理由ではぐらかしている

予算や検討状況を聞こうとする営業にとって、「はぐらかしの仮面」の登場確率は4割以上ということです。(中略)
 回答の1位は「質問に答えることによるデメリットやリスクを心配しているから」(30.8%)です。そして、2位は「特に深い理由はないが、なんとなく警戒しているから」(20.6%)、3位が「あたりさわりのない答えを即座に返したところ、それ以上つっこんでこなかった」(13.8%)です。
 上位1位~3位は、営業との関係構築不足が原因ではなく、「大したことのない理由ではぐらかしている」ということになります。

営業の科学 P89

「困っていないのでは?」と聞くと、売り込み臭が消える

 「困っていないのでは?」と聞くと、売り込み臭が消える
 私は、新規の初回訪問をする際、あるときから「困っていないんじゃないですか?」という角度から質問するのが習慣になりました。(中略)
 するとお客様は、「いやいやそんなことないですよ、弊社なんか問題だらけですよ」と、自社の問題点を自分のほうから話してくれたのです。

営業の科学 P118

営業が強い会社ほど、事前準備を徹底

営業が強い会社ほど、事前準備を徹底しています。(中略)
 お客様1万人調査で「あなたが『この営業担当者は事前準備をしてきている』と感じるのはどんな時ですか。よく当てはまるものを1位から3位までお答えください」と質問を投げかけた結果です。
 最も多かった回答は、「こちらの質問や要望に対して、その場でスピーディーな対応がなされたとき」(1位23.0%、2位16.8%、3位12.5%でした)お客様は事前準備の質を、「質問や要望があったとき、的確に即答できるか」で見ているということです。
 2番目に多かった回答は、「前回の商談で伝えたことを漏らさず盛り込み、資料が作りこまれていたとき」(1位17.6%、2位15.5%、3位12.8%)です。前回の商談で言ったことが漏らさず盛り込まれた資料を見ると、お客様としては「自分の言ったことをわかってくれているな」というポジティブな感情が湧いてくるのでしょう。
 そして3番目に多かった回答は、「商談の進行および時間配分がスムーズで、何のストレスも感じなかったとき」(1位14.1%、2位12.9%、3位12.5%)です。
 事前準備の質は「レスポンス」と「段取り」で判断されます。レスポンスと段取りによって営業のレベルを示すことで、「時間を使う価値がある」という安心感がお客様に生まれ、「忙しさの仮面」が外れていきます。


P172 時間の配分は、商談の時間が何分であろうとも、概ね前半(拡散)50%、後半(収束)50%となるように組むのがよいでしょう。(中略)
 お客様に自由に話をさせているようでいて、最終的にはきちんと着地させる商談は、ひとえに事前準備のなせる技です。

営業の科学 P166, P172

「組織ぐるみで素早いレスポンス」を

ハイパフォーマーが実践している「レスポンスの早さ」と「お役立ち情報の提供」を、習慣化するにはどうしたらよいでしょうか?
 ハイパフォーマーは、課題解決スキルや商品知識が優れており、お客様から何かしらの質問や要望が来たとき、迅速かつ適切に対応し、価値ある情報を提供することができています。これを、単なる個人のファインプレーで終わらせず、組織に展開する必要があります。(中略)

 ハイパフォーマーの行動を横展開できている組織は、営業チームに対して強力なサポートを提供しています。(中略)
 その結果、組織ぐるみで、お客様からのリクエストに対して素早いレスポンスをしているのです。要するに、ハイパフォーマー営業が真に生まれる組織は「個人戦でなくチーム戦」を前提としています。

P202 「課題解決力」「費用対効果」「クイックレスポンス」は個人として取り組むだけでは足りず、会社(チーム)として実現させるタスクであると考えています。

P231 「スピーディーな仮提案」は組織ぐるみで取り組む
 当社では、「初回訪問から2日以内に仮提案を出す」というルールを設けています。課題の整理をして、自社がどのように応えられるかを2日以内で示すことを会社として「ルール」化することにより、助け合う文化も生まれ、営業対応のスピードは大きく上がりました。

営業の科学 P187, P202, P231

費用対効果、コスパにロマンを加えて

 お客様1万人調査で、「あなたは営業担当者から見積もりを受け取ったとき、費用対効果をどこで判断しますか。1位から3位までお選びください」と質問した結果です。(中略)
 最も多くの票を集めたのは、
サービス導入によって、売り上げプラスやコストダウンの定量的な試算が成り立つか」です。(中略)
 2番目に票を集めたのは、
サービス導入によって、会社全体が成長する将来イメージが描けるか」でした。(中略)
 3番目に票を集めたのは、
サービス導入によって、自社のミッション、ビジョンやパーパスの実現に役立つか」です。(中略)
 そして4番目に票を集めたのは、
サービス導入によって、会社のメンバーの心理的負担やストレスが軽減されるか」です。

 たとえば、それまで社内のメンバーが行っていた大変な業務を外部に発注することで、「他に時間をかけるべき業務へ安心して集中できる」というのは、金額には換算できない心理的メリットがあったりします。

営業の科学 P276

失注分析でなくケーススタディ

特に失注した場合の振り返りは、やり方に注意することが必要です。たとえばこれを「失注原因の分析」のように名付けてしまうと、ともすると失注した本人を責めるような雰囲気になりがちです。
 そこで、当社は会議の場でこれをやるときには「ケーススタディ」と定義し、決定した場面の情報からみんなで学ぶ大事な取り組みと位置付けています。

営業の科学 P288

余裕のある予算を確保してもらうコツ

 それには、お客様の期待値を超えた行動を見せることが重要です。特に、新規の営業においては、お客様の期待値が最も低い初期段階のうちに付加価値を感じさせることで、高めの予算を用意してもらう布石を打つのです。(中略)

 「多めに確保いただいたほうがプラスになりますよ」というメッセージを伝えられると効果的です。
・ある程度の予算をご用意いただいたほうがROI(投資回収率)があがる
・投資額に応じてお客様のビジネス競争力があがる
・業界トレンドの観点から、各社このぐらいの規模の予算を用意されていることが多い
・この投資は、短期的で考えると損をするので、中長期的な観点から考えていただくべきである

営業の科学 P303

だいぶ長くなってきましたが、終盤戦にはいってきました。あと少しです!


商談終盤の10か条

 商談終盤の10か条
①今ここに時間を使っている理由
②提案への感触
③進め方の意向
④BANTCH情報
⑤社内における次のアクション
⑥検討上のネックや判断基準
⑦ネクストステップ
⑧当社へのリクエスト
⑨こちらの熱意
⑩直後のコミュニケーション許可

営業の科学 P334

提案に「3つのサブメッセージ」を込める

 「当社は貴社の課題解決に貢献できるので、提案を採用してください」がメインのメッセージだとしたら、その下に
「貴社はこのような課題にお悩みではありませんか?(課題の把握)」
「当社のサービスは、貴社の課題を解決できる希少な選択肢です(解決策の希少性)」
「買っていただく費用を上回るメリットを生み出せます(費用対効果)」
という3つのサブメッセージを用意します。

 できれば、費用対効果の高さを示すシナリオは、一つだけでなく複数考えておけると望ましいです。
 たとえば、「将来的にはX億円のプラスインパクトが望める」のような訴求に加えて、「従来の業務で現場担当者に発生していた負担を軽減できる」といったシナリオも準備しておくのがおすすめです。

営業の科学 P359, P363

 決裁者は、権限はあるが決められずに悩む人

「決裁者は、権限はあるが決められずに悩む人。提案がきちんと腹落ちするよう、緻密に提案を練りこもう」と考え、どう支援するかを周到に準備することで、結果的にはうまくいきます。
 この準備こそが、決めきれずに悩む決裁者にとって、何よりの「助け舟」となるのです。
 
 お客様は判断に迷い、疑問や反論も思い浮かぶものです。お客様へのクロージングにあたっては、事前にゴールを考えるだけでなく、「起こってほしくないこと」を徹底的にシミュレーションしておくことも重要です。
 そうすれば、いざ異論・反論がきたとしても、落ち着いて「もう少し詳しく伺えますか?」と深堀りすることができます。

営業の科学 P363, P420 

あとがきより

 「がんばること」がもはや人生の土台になっていた私にとって、「方向を間違えた努力がもたらす恐ろしさ」は痛みを伴う教訓でしたが、大きな学びでした。
 「がんばれば結果がついてくる」というのは、自分自身に対する叱咤激励としては効果を発揮するのですが、他人に対してこのメッセージを使うと、とても危険だということを実感したのです。
 何よりも衝撃的なのは、「みんなが売れる営業組織」になるように、自分としてはできることをすべてがんばってきたつもりが、実は組織の成長にストップをかけていたいちばんの原因が「私の誤った指導」だったということです。(中略)

 この本は、「ガンバリズムの罠」にどっぷりとハマっていた当時の自分へ語りかけるつもりで書きました。

営業の科学 P429


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以上

読んで伝えたいこと・抜粋したいことが多すぎて、かなりなネタバレになってしまってますが、高橋浩一さん、多くの知り合いにオススメしますのでお許しください(笑)。

貴重なお時間を割いて最後までお付き合いいただきありがとうございました。 最後に「スキ」していただけると筆者励みになりますのでどうぞ宜しくお願いいたします。

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