文フリの恥はかき捨て(たぶん)
文学フリマこと、文フリが終わりました。
「文フリ出るぞ〜!本作るぞ〜!」と表明した時から「やばい…チケットなくした…CACAOインストールできない(正しくはCOCOA)」と大汗をかいた文フリ前夜まで、見守っていただきまして本当にありがとうございました。
まずは御礼から
お礼を言いたい方がたくさんいます。簡単にではありますが、ご紹介させてください。
まずTwitterに鶴の絵を再掲し、宣伝してくださった橘鶫さん。鶫さんのおかげで、鳥界隈にも『ビール日和』が行き渡りました。
Twitter関連でもうお一人、すみかさん。当日にも「ところで文フリって何?」とご連絡をいただいて、「えっ?そういやちゃんと説明してないかも」と焦りました(笑)
そして「ところで文フリって何?」と思っていたにもかかわらず熱い声援を記事にしてくれたのが、とき子さん。
ハッシュタグの「#ちょっと圧強めのメッセージ」を「#ちょっと圧強めのマッサージ」と読み違えてツボってしまってごめんなさい。
それから、お隣のきりえや高木亮さんがご自身のホームページで紹介してくださったり。
そして文フリ前日にはデザイナーのさつきさんが宣伝動画を作ってくれ、当日にはがっつりと売り子を手伝ってくれて。
それからギタリストのジユンペイさんが、文フリに興味のあるギタリスト仲間に私のことを紹介してくれました。
さらにはリアルな友だちでもある歌うモナコさんが「つるる書店」の消しゴムはんこを送ってくれたり(当日や第一便の発送にはギリ間に合わなかった。無念!)。
そして「本を作るぜ!」という私の投稿を受けて、真っ先にTwitterのDMで情熱あふれる応援メッセージを送ってくださったのは戌亥さん。
自分の文章を繰り返し読んでいると、時々「これおもしろいのか?」と不安になることがけっこうあって。そんな時には何度も戌亥さんのお言葉を読み返して、元気をもらっておりました。
それからコメントで応援してくださったKaoRuさん、shinoさん、soraさん、スピカさん、xuさん、三谷乃亜さん、mimicoさん、めろしゃん、ゆりさん、あやさん、ささみさん、テツさん、nolyさん、つきよるほしこさん、カニさん、yuca.さん、村瀬香奈子さん、ピリカさん(コメント欄への登場順)。
お名前のみのご紹介でごめんなさい。
みなさまのお言葉にどれだけ励まされたことか……!
本当に本当にありがとうございました。
そして当日は、noteでお世話になっている皐月まうさんが来てくれました。
たまたま関東旅行と文フリ当日が重なっており顔を出せそうだとTwitterでご連絡いただいた時、嬉しすぎて「ヘイヘイホー!(マイブームの北島三郎「与作」)」と高らかに歌ってしまい、「いきなりなんなん…?」と彼氏が怯えていました。
それにしても普段ネットを介して文章を拝読している人が実際に目の前に現れるというのは、とっても不思議な体験で。
まうさんって、冷静に心の揺らぎを見つめて軽やかに紡ぎ出す、そんな静かに浸りたい作品を書くかと思えば、すごくポップなテンションでフォロワーへの愛を叫ぶパッション全開なエッセイも書けちゃうすごい方なんです。
そんな方が今、目の前で動いている。
ていうか私の本買ってくれたし、なんかキラッキラしたお菓子まで差し入れてくださったし。
しかも手渡しながら「外装は華やかだが中身はそれほどではない」みたいな身もふたもないことを誠実に説明してくださって、「めっちゃまうさんだ!」とひそかに感動しました。
他にも投稿を読んで来てくださった方やちんどんサークルの先輩、読書友だちやお世話になってるマジシャンの方(お名前を出していいのか確認を忘れてしまった)が来てくれて、本も買っていってくれました。
あっ!あと彼氏も!
全然関心なさそうにしていたけれど、一応日にちと場所だけ伝えたら昼すぎにふらりと遊びにきてくれて。
私たちのブースに来る前にふらふらと会場を歩いてきたらしく、「この会場の熱気やばいな〜。しかも商業出版ではお目にかかれないレベルの変態ばっかり集まってんな」と言っていました。
変態の熱気 VS 恥じらい
そう、その通り。
なんか……みんな、変態だったの。
時々店番を抜け出して各ブースを見て回ったのだけれど、どのブースにも好きなことが好きなように書かれたものすごい濃度の作品が置かれていて。
そしてみんな、めっちゃプレゼンがうまくって。
「ここでしか買えないAV監督のエッセイです」
「私、お茶漬けが大好きなんです!!」
「『百年の孤独』、読んだことありますか?」
「労働者の方には共感してもらえる自信があります」
対する私は、せっかくお客さんが「どんな話なんですか?」と聞いてくれても、「……部屋にゴキブリが出たり、洗濯機が暴れたり、コンロ買ったりするエッセイです」みたいなことしか言えなくって。
地味すぎないか?
でもなんだろう、はじめましての人に「これが私の日常です!ぜひ買ってください!」って、めっちゃ照れません?
特殊な体験してるわけでもないし、有名人でもないけれど、本を作ってみたんです。あはは…ははは……。
なんか、「自分の押し売り」みたいで恥ずかしいなぁ。
恥の壁は想像以上に高く、ぶ厚い。
恥じらう私の横で、母は果敢に無料配布を配りまくってくれました。
お隣の高木さんの偽本ブースやストリップ考察本の大盛況ブースからゆらりとこちらに流れてきた人に「いかがですかぁ〜、ご覧くださ〜い」と声をかけてくれて。
さつきさんも微妙な距離感のお客さんに絶妙なタイミングで「お手に取ってご覧ください」と見本を勧めてくれて。
上手だったなぁ、ありがたかったなぁ。
↑ つるる書店のブース
↓ きりえや高木さんのブース
そんなわけで文学フリマ、つるる書店は終始ガヤガヤわさわさしてました。
お隣さんもすごくいい人たちでよかった。興味深い作品もいろいろ買えて大満足。あぁ、楽しかった。
売り上げ
さぁて。ここからは売り上げの話。
正直こうした本作りは採算度外視の趣味だと思っていて、出店料を回収できたら御の字だなぁくらいに思っていました。
そんなわけでひとまず今回の目標は、出店料の6,000円を回収すること。
はたして、戦果はいかに。
文フリでの売り上げ 24,800円
STORESでの売り上げ 12,800円
その他 9,200円
合計 46,800円
他の人はどのくらい売っているのかはわからないけれど、個人的には大満足です。
STORESで買ってくださったnoteの方々へは、文フリの翌日に発送しました。
ちらほらと本が届いたとご連絡が入り始めて、ホッとしています。
お買い上げいただきましたみなさま、ありがとうございます。
そしてもう一つ嬉しかったのが、海外発送の手続きに行った郵便局で、窓口のおばちゃんが買ってくれたこと。
前回ハイテンションで案内してくれた彼女には贈呈しようかと一部余計に持って行ったら、「買う買う!ちゃんとお金出すっ!」と買ってくれたのです。
楽しんでくれたらいいなぁ。
↓ おばちゃんとの出会いはこちらから
今後の課題
このまま楽しく終わりたいところではありますが、そうはさせません。
試験のあとに自己採点する人としない人がいるけれど、私はバリバリの自己採点派だからです。
徹底的に振り返るまでは、私の文フリは終われない。
とりあえず持ち物を「◎持っていってよかったもの」「◯持っていったけど反省点があるもの」「☆あったらよかったもの」に分けて振り返ってみようと思います。
この中で特におすすめなのは、ダンボール製の本立てと新聞製チラシ立て。
パーツだけ事前に作っておけば会場でサッと組み立て、終わったらゴミ箱へポイと捨てられるんです。
かさばらなくて、いいですよ。
お札入れとしてポッキーの箱を長机の内側に貼っているブースがあったんです。私たちはがっつりと現金を入れるプラスチックケースを持っていったのだけれど、けっこうかさばってしまって。ポッキーの空き箱と小銭ケースなら、スペース取らなくていいなぁとそのアイデアに脱帽しました。
そして今回最大の反省点は、「著者の実績」を持っていかなかったこと。
今回一緒に出店してくれた高木さん、実は最近新聞やネット、ラジオに引っ張りだこなんです。せっかくたくさん書評やインタビューが載っているので、それをブースに掲げればよかった……!
これは高木さんのマネージャー(自称)失格だなぁと猛省しています。
1,097人も出店者がいる中で初見の人に「この人の作品すごいよ!」とパッと見で伝えるには、そうした客観的な言葉はちゃっかりしっかり借りておくべきでした。悔しい!!
それはもちろん、つる・るるるとしての私に言えることでもあって。
知名度もない、特筆すべきテーマでもない私が新規の読者を獲得するために、自分のことを知らない人にも手に取ってみたいと思ってもらえるような工夫はやっぱり絶対必要でした。
あったらよかったと思ったのは、受賞歴や人が書いた推薦文。
もし似た機会があったら、全力でドヤりにいこう。そう拳を握りしめて、ここ約一年の受賞歴を振り返ってみました。
note公式コンテスト #やさしさにふれて 審査員特別賞(春名風花さん) 受賞
ピリカグランプリ すまスパ賞
グリフィンの物語
恋愛×読書コンテスト グランプリ(読キュン賞)
他にも大学生協主催の読書マラソンで表彰されたり、純猥談『一度寝ただけの女になりたくなかった』(河出書房)に恋愛エッセイが収められたり、海外の食のイベントと海外食品のECサイトに旅行エッセイ載せてもらったり……。
エッセイ、書評、小説、旅行記。
なんという節操のなさ。
余計に何者なのかがよくわからない感じだし、今ここでドヤったってどうせ一年後には忘れてるよ……。
でも、「とりあえず文章でいくつか賞は取っているぜ!」というアピールは、ひとまず文筆力の証明として使えるんじゃないかと思います。
それから、推薦文。
自分でアピールするのは気恥ずかしいので、褒めてもらえた時はその言葉をちゃんと控えておこうと思いました。
「祖母激賞!!」とか、「知らねーよ!:by ギタリスト ジユンペイ」とか(しつこい 笑)。
それにしても、日頃こんなに自分のアホな話をアホみたいにさらけ出しているにもかかわらず、やっぱり自分の作品を自分で売るのって恥ずかしいものですね。
でも。
売るは一時の恥、売らぬは一生の恥。
文フリの恥はかき捨てなのです、たぶん。
そんな学びを得た、文学フリマでした!
ありがとうございました〜!
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ネットショップのご案内
さて、今後は残った在庫を細々とネットショップで販売してまいります。よろしければこちらからご注文くださいませ。まだ準備中ですが、『How to ××』も追加する予定です。
【書籍情報】
『春夏秋冬、ビール日和』
つる・るるる 著
A6判並製
152頁
装幀・装画:編屋さつき
【内容紹介】
「この部屋チャタテムシが湧いてきてマジで発狂するんだけど!」
ルームシェアしていた従姉が騒ぎ出したことによって、二年ほど住んだ西葛西の部屋を泣く泣く離れることになった私。
不動産屋のお兄さんに流されるようにして決めた埼玉県のワンルームで始めた一人暮らしは、思いのほか波乱万丈でした。
いきり立つシマヘビ、いきなりグレるぬか床、黒光りするアイツとの闘争、怪しい婦人からのお誘い……。
あまりにも地味な、しかし当人にとっては重大な事件。
そしてそんな低空飛行気味な日々を癒してくれたのは、冷蔵庫のビールでした。
特に役に立つことも書いていないし、特に心を揺さぶるようなことも書いていないけれど。
ちょっと手持ち無沙汰な時にふらっと開いてふふっと笑ってもらえるような、そんな本にできたらいいなと思っています。
【著者紹介】
つる・るるる
1994 年生まれ、湘南育ち。
千葉県や東京都で従姉との二人暮らしを経て、2020 年の3 月から埼玉県のワンルームで一人暮らしを始める。
noteではぬか漬け部部長を務める。
好きなぬか漬けはカブとゆで卵、好きな味噌汁の実は切り干し大根と木綿豆腐。
note : https://note.com/tsururururu
Twitter : @shimaumaumasou
STORES:https://tsuru-rururu.stores.jp/