ひょっとしてメンタル道場【文フリ東京 当日編】
さんざっぱら大騒ぎしていた文学フリマ東京も無事終了。
「つるるとき子書店」にご来店いただいたみなさま、応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました。
誰が来てくれたのかな?と気になる方は、とき子さんの大興奮な記事にヒントが散りばめられているので、ぜひそちらをお読みください。
もう、すごくたくさんのnoterさんが来てくれてとっても嬉しかったです。
あまりにもはしゃぎすぎて、翌日喉が筋肉痛になるほどでした。
とき子さんがとにかく当日のテンションをそのまま伝えてくれているので、私からは「つるるとき子書店」全体の売り上げや、私の感じた文フリ全体の空気感などをお届けできたらと思います。
【つるるとき子書店の売り上げ】
まずは売り上げから。
売れた部数:92部
売上:69,700円
売れた部数の約8割が書籍だったため、売り上げとしては前回の大阪を超えて過去最高に。
参考までに、これまでの売り上げをまとめてみる。
2021年 文学フリマ東京33 24,800円(総数24部)
2022年 文学フリマ東京35 62,800円(総数60部)
2023年 文学フリマ大阪11 52,800円(総数103部)
2023年 文学フリマ東京37 69,700円(総数92部)
徐々にパワーアップしてる感が売り上げや部数に反映されていて嬉しい。
ブースの設営から宣伝方法等、出店回数を重ねるごとに改良を重ね、うまくいったりいかなかったりするのを観察しつつさらに工夫して……という試行錯誤に毎回めちゃくちゃ心躍らせているのだけれど、それが売り上げにダイレクトに直結すると余計に楽しい。
【大阪との比較】
今回の東京では、とにもかくにも「新刊」、それも「書籍」が売れた印象。
大阪では自己紹介代わりに書いた100円の「つるる&とき子のぬか床日和」が「ま、100円なら買ってあげようか」的なノリでぶっちぎりで売れて、書籍のなかでは一番安価な『なけなしのたね』『春夏秋冬、ビール日和』もよく売れたものの、東京では「とにかく新刊」。
とき子さんの新刊『にじいろの「はなじ」』に至っては、ラスト一冊を残すのみという絶好調っぷり。
みんな、私たちの本をカツオかなんかだと思っているのかしらというほどに鮮度に命がけな姿勢が見受けられた。
そしてもう一つ驚いたのが、無料配布を全然受け取ってもらえなかったこと。いままでは足りなくなっていたから、今回いつもの倍用意したのに!
ブースの位置もあるのだとは思うけど、とにかくお客さんと目が合わない……!目が合ったと思っても、まるで私たちがGであるかのごとき勢いで目をそらされる……!うっかりまずいものが露出しているのではないかと不安になるほど、びっくりするほどお客さんと目が合わない!た、助けてSHIGE姐さーん……!(note界における文フリのアイデア神)
これまで無料配布で足を止めてもらって、口頭で本の紹介をするという作戦を取っていた私たちにとって、これはかなり厳しくって。
けれどお客さんの身になって考えると、それも仕方のないことではあって。
1843店も出店していた今回、多くのお客さんたちは綿密に行きたいブースを事前にリサーチしてきた様子だった。
「一刻も早く推しのもとへ行きたい!」
そんな心の声が聞こえてきそうな人たちがブースからブースへ蜂のような勢いでブンブン飛び移っていく。
これ、とき子さんが隣にいたから「あっはー!もらってもらえないねー!」って笑っていられたけど、一人で出てたら屈強なメンタル道場にボコボコにボコられてしおれきっていたかもしれない。
とはいえ「推しから推しへ」方式も、決して悪いことばかりとは言い切れない。
繁盛の波が、わかりやすいのだ。
ありがたいことに私たち「つるるとき子書店」を目指してきてくれる方がいて開始12時~14時半くらいまではだいぶ忙しく、14時半以降はわりと余裕があってnoterさんたちとゆっくりしゃべり、そして後半は気になってくれていた出店者さんが買いにきてくれたり私たちも買い物に行ったりと、非常にメリハリのある出店時間を過ごすことができた。
「これ以降はお客さんもぽつりぽつりって感じだろうね」
客足の落ち着いたタイミングで、とき子さんと交代でお買い物タイムに入る。
行きたいブースメモを取り出して、私も蜂の仲間入りだ。
ところが。
【アルファベットの罠】
知らなかった。
自分がこんなに、アルファベットが苦手だったなんて。
A~Fあたりまではさすがに「Eってことは5番目だな」となんとなく把握できているのだけれど、RとMはどちらが先かと言われたらアルファベットの歌を冒頭から口ずさまないと思い出せないし、UとVとYにいたってはこっそり入れ替わっていてもたぶん気がつかない。
そういえばアルファベットの歌で思い出したのだけれど、大学時代に授業で聴いたスペイン語版のアルファベットの歌がいかにもスペインで。
「ÑÑÑÑ(エニェ エニェ エニェ エニェ)」とみんなで声をそろえて歌ったのが懐かしい。
実はカラオケに行くたびにこっそり検索をかけているのだけれど、いまだ見つかったことがなくて悲しい。
それはさておき、買い物メモに書いてあるアルファベットがなかなか見つからなくて、私は人波に揉まれながらちょっと途方に暮れてしまった。
しかも私たちのいる第一会場はアルファベットで、お隣の第二会場は五十音。
来年秋にビックサイトで開催するときには、ここにさらにハングルとかが加わってきたりするのだろうか。いよいよ迷子の予感しかない。
ともあれなんとか駆けまわって、これだけの本をかき集めることができた。
あやめしさん『そんなわけで、今日もおつかれさまでした。』
白鉛筆さん『九回死んで、直列。』
箱森裕美さん『鳥と刺繍』
福本カズヤさん『TEZUKURI』フリーペーパー
わかしょ文庫さん『そこにあるだけ』
奥山さとさん『ロビン』
ましろとしゅんさん『ごちそう楽日』
しりひとみさん『これも地獄と呼ばせてほしい』
困ってる人文編集者の会『おてあげ 第2号』
うめおかかさん『喫茶のすみっこで』『双子のお祭りめぐり』
山本ぽてとさん『踊れないガール』
【今後の文フリについて】
そんなわけで今回の文フリ東京は、少なくとも私たちのブースの周りでは「どれだけ前宣伝でお客さんに興味を持ってもらえるか」にすべてがかかっていたような気がする。
本当はもっと前からそうだったのかもしれないし、東京以外の地域でもその傾向はあるのかもしれないけれど。
たまたま見かけて、見本誌を読んで、あるいは無料配布に目を留めて。
そんなふうに立ち寄ってくれるお客さんは、今回に限ってはべらぼうに少なかったように思う。
今後も出店数の増加や入場料の導入に伴ってお客さんの下調べの熱量もますます上がっていくとしたら、私たちはついていけるだろうか。ついていく必要は、あるのだろうか。
ついそんなことを考えてしまった。
私が2021年に最初に文フリに出たときには、noteでは制作工程を上げていたけれど、X(旧Twitter)の知名度はほぼない状態だった。
それでもふらっと読んで気に入ってくれる人がいる、フォロワーの数や口の上手さ、宣伝の上手さに関係なく本を手に取ってもらえる、そんな空気が心地よくてここまで続けてきたけれど。
文学フリマ東京が今年と同じくらい、もしくはそれ以上宣伝を頑張らないとブースに見向きもしてもらえないようなイベントになっていくのなら、私たちは他の地域のイベントに積極的に出たいね、なんて話も出始めている。
まだ先のことなので、全然わからないけれど。
【「とき子さんの友だち」という特権】
ちょっとセンチメンタルになってはいるものの、今回も私ははちゃめちゃに楽しく出店できた。
それはひとえに、私の本を買ってくれた方や、カタログやⅩ等で興味を持ってくれた方、遊びにきてくれたnoterさんたち、そして一緒に売ってくれるとき子さんのおかげである。
とき子さんと私は、売れたときも売れないときもずっと一緒にニヤニヤしていた。
それがとても、とにかく心強かった。
「〇〇さんに会えたの嬉しいね!」
「私たち、すごく手際よく準備できたよね!」
「いまのお客さん、誰かの紹介でこのブースを知ったって言っていたけど、誰が紹介してくれたんだろう?」
「こっちがつるちゃん!私がとき子!つるるとき子です!イエーイ!」
「あの人、のけぞるようにして私たちの無料配布をかわしたね!」
「無料配布、めちゃ余ったけどどうしよう~!」
嬉しいときもいまひとつなときも、とき子さんと一緒にいさえすれば全部笑いごとになる。
メンタル道場にブンブン放り投げられたことさえも、いい思い出になる。
「とき子さんの友だち」という特権を活かしに活かした私は、一日中、否、文フリが始まる前も文フリ翌日も、ひたすらに笑いっぱなしだった。
つくづく、いい友だちを持ったものです。
とき子さんのレポートがあまりにもおもしろいので、もっかい貼っちゃう。
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→西日暮里編へ続く
とき子さんの西日暮里編ほかはこちら。
お読みいただきありがとうございました😆