カワハギの味と喜びを噛み締めた11月も月末に差し掛かり、2017年もいよいよ年の瀬を迎える頃。 秋に期待をかけた城ヶ島釣行も不発に終わり、僕達が追い求めた青物のハイシーズン(温暖化前の関東では9-11月)も終わりを迎えようとしていました。 しかしこのままでは終われない。僕は、また例によってネット検索で関東でアクセスできそうなホットスポットを検索していました。 『伊豆諸島…?』 「関東 青物 釣れる」などと安直なキーワードで総当たりしていた中で見つけた地名。釣りにどっぷ
釣果自慢おじさんに面食らってから2週間後の週末。 「おはようございます~。2名、カワハギ便で予約したい駒です」 僕とい駒さんは品川区のとある船宿にいました。 ことの発端はい駒さんの1通のLINEメッセージでした。 初めての船アジ釣りで文字通り味を占めたい駒さん。 どうやら新しい魚種を仕留めに行こう、という意図のようでした。 しかしー。 当時の僕は最初、彼の提案に乗り気ではありませんでした。 カワハギ。「皮を剝ぎやすいから」という非人道的な名称とは対照的に、ひし
ほんまぐり。いや、この名前。初見じゃない。 僕は最近の返信欄を見返すと、確かに数日前に僕のつぶやきに対して返信を飛ばしてくださっていました。 今見返すと本当にしょうもない僕のつぶやきに対して返信してくださっているわけで、このとき既に「ほんまぐりさん」の人の良さは滲み出ているわけですが、当時の僕はこう思いました。 『タチウオもカワハギも僕らはやったことない。しかもタチウオはこの前びめしが雪辱を誓ったばかり(※)。この人、結構な釣りご経験者では?』 ※コルトスナイパー事件
投げ釣り師にはお馴染みであるゴンズイの洗礼を浴びたつりったー先遣隊。一方で厳冬下において久々に魚が釣れたこと、そしてお手本のようなフリとオチに満足したのか帰路の足取りは軽く、僕とびめしは固くリベンジを誓い合ったのでした。 さて。今回の件で、情報の鮮度と確度の重要性を思い知らされた僕は、情報の鮮度を求め、情報の真偽はともかく最新性については信頼がおけるツール、Twitterで釣りが上手そうな人を片っ端からフォローしていくことにしたのでした。 とはいえ当時はTwitterユー
時間はまた2017年11月に進み、東扇島釣行で凍死しかかった後のこと。 あれだけの痛い目をみておきながら、我々の大物熱は冷めることなく、びめしと僕は何とかして夢の1本を手にするべく情報収集に勤しんでいました。 当時は釣りに熟達した界隈のTwitterアカウントも全く知らず、ましてやAnglersといった情報共有アプリも存在していなかったため、過去の怪しげなブログや使い古された情報誌を読み漁るしかありませんでした。 そんな僕が見つけた、とある場所。 「城ヶ島…?神奈川県
い駒さんとびめしが出逢う少し前のこと。びめしから上記のようなLINEが飛んできました。 いつものようにとんとん拍子で会話が進み、仕事を急ぎで終わらせた僕は19時頃に渋谷駅でびめしを待ちます。 「JBさん、お疲れ様です」 「お疲れー!」 喧騒が響く渋谷駅でもよく通る声で、すらりとしたスーツに身を包んだびめしが速足で歩いてきました。思えば私服通勤がまだ一部しか普及していなかった頃です。 「行きましょう。方角はどっちですか?」 「そこに見える歩道橋を渡ると見えてくるよ」
コルトスナイパー事件から翌週の平日。 (今思い返すとこの頃の釣行頻度は本当にどうかしていました。noteではかなり割愛していますが、僕とびめしはこの頃週4日ペースで釣りに行っています。ちなみに残り3日は例のサイゼリヤでびめしやつりったーの面々と飲んでおりました) びめしの話を聞いて大物に興味が沸いた僕は、近辺で大物の釣果が上がった場所がないか調べることにしました。 すると、以前、神奈川県川崎にある東扇島西公園の堤防でイナダ*が釣れたという報告を見つけました。 *イナダ
つりったー結成釣行から翌週。関東に台風が直撃し、僕が久々に釣りの予定がない週末を過ごした後のことでした。 鳩さんから驚きの連絡が飛んできました。 コルトスナイパー。SHIMANO製の3万円(当時)を超えるロッドで、陸からブリやカンパチを釣るために釣り中上級者が手にする代物です。 これまで数千円〜1万円台のロッドしか持っていなかった我々の中で、びめしがコルトスナイパーを買ったというニュースは衝撃でした。 顛末はこうです。 ――――――――。 比較的雨が小降りだった土
さて、僕がびめし、い駒さん、鳩さん、宮田の5人全員と会って間もなくしたころ。 珍しく僕からびめしに連絡しました。 行動がイーロンマスクより早い彼は、早速各位に連絡してくれ、週末に5人で木更津に繰り出すことにしました。 運良く全員都合がつき、めいめい自前の竿を持ち寄りびめしのカーシェアで木更津港に繰り出しました。 (今ではあり得ないですが、当時はびめし除きほぼ振り出し竿だったので、タックルを載せても5人全員が1台に乗車できたのです) い駒さんと宮田・鳩さんは初対面でした
前回の木更津遠征と時を同じくして、私はある人物にTwitterでDMを送りました。 予約したのは仁丸という金沢八景にある遊漁船でした。横浜にある遊漁船の方がアクセスは良いことは分かっていたのですが、仁丸のホームページの釣果写真に載っていた30cm超える大きなアジが決め手でした。 い駒さんには予約した船宿と集合時刻を伝え、当日行きの電車を揃えて車内で合流することにしました。 当日早朝。品川駅から京急線に乗り込み、車両番号をDMで連絡しました。 座席でうつらうつらと船を漕
木更津港に到着したのは16時頃でしたので、あと1時間もすれば日没に差し掛かり、夕マヅメといわれる釣果が期待できる時間帯となる計算です。早々に準備に取り掛かりました。 「JBさん、あれ何!?」 僕が宮田と自分のタックルを組み立てていると、既に釣りを始めていたびめしの大声が堤防に響きました。 慌てて水面を覗き込むと、岸から10m近く先、絨毯のような黒い影が見て取れました。魚群です。 「アジ?ボラ?…いや、シルエットが違うかな」 当時魚の知識が禄になかった僕には全く見当が
(前回の話はこちら) 「で、今日どこ行きます?」 「あー…どうしようね笑?」 助手席に宮田、後部座席に鳩さんと僕を乗せたびめしが朗らかに尋ねました。10月の中旬といえども日が昇りきった午後3時の車内は、冷暖房の要らない過ごしやすい気温でしたが、初対面のお二人を前にノープランをさらけ出してしまう気まずさに変な汗をかいていました。 当時の僕がよく知っている釣り場といえば神奈川県の①浮島つり園(夜アジ)、②東扇島西公園(夜アジ)、③ふれーゆ(い駒さんの夜カマス)、そして品川
春は出逢いの季節と言い出したのが誰かは知りませんが、僕にとっての出逢いの季節は秋でした。 い駒さんとびめしの出逢いから1-2週間が経過した週末、いつものようにびめしから釣りに誘う連絡が来ました。 びめしの交友関係が広いことは知っていたものの、友人を釣りに連れて行きたいとの申し出は初めてだったので、少し驚きました。 まあ断る理由はないし、もしかしたら新しい釣りの扉が開けるかもしれない。 いつもの急な展開に少し苦笑しながらLINEを閉じ、はたと思い当たりました。 二人の
ヴァンキッシュおじさんとの出逢いから数日としない平日夜のこと。興奮冷めやらぬ様子でびめしがLINE通話越しに捲し立てました。 「えっ。びめし、先刻までい駒さんと釣りに行ってたの?」 『そうそう、Twitterでい駒さんと約束して。ふれーゆに行ったんですけど…』 ********* 切欠はい駒さんからのDMでした。彼の方からびめしに釣りのお誘いがきたというのです。 ※ふれーゆ…川崎区の市民向け娯楽施設。施設周辺の堤防で釣りができるため、本来の施設より釣り場として有名。
ハゼ、サヨリとすっかり味をしめた僕達が、「浮島つり園、夜ならアジも釣れるのでは!?」と安易な発想に辿り着くのは必然でした。早速、びめしからLINEが飛んできました。 ただし、サヨリ釣行から2日後の火曜日に。 『明日の夜、浮島どうですか?』 『OK、何とかする』 果たして、当時彼以上にとち狂っていた僕は、二つ返事で了承したのでした。 翌日、意気揚々と19時半頃にやって来たびめしの車に乗り込み浮島に向かいます。 到着。夜の浮島は、等間隔に配置された常夜灯が仄かに海面を
「明日も行きますか?」 初めてのハゼ爆釣を堪能し、僕の自宅でハゼ天に舌鼓を打ち、さてそろそろ解散かというタイミングでのびめしの一言は、気軽な言い方ではありましたが有無を言わせぬ勢いがありました。 「いいね、行こう。ただちょっと趣向を変えたいね。ハゼも良いけど、海釣りらしくアジとかどう?」 ぱっと表情を輝かせるびめし。 「アジ!良いですね。車出しますよ。明日も同じくらいの時間で良いですか?」 「そうねー、7時くらいに俺の家の前に着けてくれれば。仕掛けはこっちで用意する