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つりったー結成
さて、僕がびめし、い駒さん、鳩さん、宮田の5人全員と会って間もなくしたころ。
珍しく僕からびめしに連絡しました。
「木更津に行ったとき、アナゴ釣ってたおじさんいたよね?今度い駒さんとか鳩さん宮田を誘って木更津にアナゴ釣りに行かない?」
「行きましょう!車出します」
行動がイーロンマスクより早い彼は、早速各位に連絡してくれ、週末に5人で木更津に繰り出すことにしました。
運良く全員都合がつき、めいめい自前の竿を持ち寄りびめしのカーシェアで木更津港に繰り出しました。
(今ではあり得ないですが、当時はびめし除きほぼ振り出し竿だったので、タックルを載せても5人全員が1台に乗車できたのです)
い駒さんと宮田・鳩さんは初対面でしたが、穏やかな3人は打ち解けるのも早く、お互いの仕事の話や釣りの話に花を咲かせながらあっという間に木更津港につきました。
が。
「寒すぎる」
2017年10月下旬。温暖な昨今とは異なりしっかり寒波が直撃したため、当時まともな防寒具を身につけていなかった我々は冷え切った海風に凍えることになりました。
唯一スキー用ジャケットをしっかり着込んでいたい駒さんはともかく、薄手のジャケットやスポーツ用のウインドブレーカーしか着込んでいなかったびめし、JB、宮田、鳩さんはひとたまりもありませんでした。
釣果も、い駒さん渾身の「特効エサ」こと、岩イソメは一回アタリがあった程度で泣かず飛ばず、初期メンバー全員が一堂に会した初釣行は惨憺たるものでした。
「こらあかんですわ」
ただ、釣りというのは不思議なもので、爆釣した日と同じくらい釣れなかった日も記憶が鮮明に残っているものです。
確かに何も釣れなかったのですが、一瞬揺れた竿先と微かに鳴った鈴にい駒さんと顔を見合わせたこと、びめしが早々にエサ釣りに飽きて暗がりで謎のミノーをぶん投げ始めたこと、宮田がい駒さんの岩イソメケースをひっくり返したこと、鳩さんが煙草を吸って何かしていたことはよく覚えています。
ともかく、うんともすんとも言わない釣りと一向に収まらない海風に音を上げた我々は、諦めて帰ることにしたのでした。
風に打たれた一同が、車中の暖房で元気を取り戻し始めた頃、車のハンドルをびめしが朗らかに言いました。
「いやあ、惨敗でしたね。我々つりったー木更津遠征は」
「つりったー?何それ。俺らのこと?」
聞いたことのない自らの団体名に思わず僕が聞き返すと、
「良くないですか?つりったー」
とびめし。
「安着すぎる笑」
と苦笑するい駒さん。
「でも良いですね。僕は好きですよ」
と考えているのか考えていないのか分からない宮田。
「ふふふ」
とニコニコする鳩さん。
かくして、2017年10月。僕達5人はびめし発案のもと、自分達を「つりったー」と名乗ることにしたのでした。
この集まりが後に新たなメンバーを加え、誰も欠けることなく現在に至るまで7年以上の付き合いになるとは思いもよらずに。