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2024 文化的インプットの1年

残りわずかとなった今年。ほぼ毎年開催していた個展をお休みして、インプットの為の1年にしました

映画、音楽、文学の3つから、今年特に影響を受けたものを新旧ない混ぜに、かいつまんで記したいと思います(プラスアルファで宇野亞吉良展も)

[映画編]
「惑星ソラリス」
言わずと知れた、アンドレイ・タルコフスキー監督の名作。とにかく映像が美しく、前半主人公が宇宙へ行くまでは会話劇、宇宙ステーションに着いてからの展開は恋愛物語として鑑賞しました。「2001年宇宙の旅」と比較される事が多いようですが、わたしはこちらの方が人間味に溢れていて好き

「枯葉」
大好きなアキ・カウリスマキ監督の最新作。冗談なのか本気なのか分からないまま、真顔で進む主人公達の会話、シンプルながらも洒落た部屋と小物、限りなく圧縮された、ある意味"2人だけの世界"。「愛を、信じる」のキャッチコピー通りだけど御涙頂戴にはならない物語。最後の最後にタイトルの意味が分かった時は脱帽しました

[音楽編]
「Gala/LUSH」
有名どころですが、マイブラ、コクトー・ツインズに引けを取らないバンドじゃないでしょうか。天使でも降りてきそうな浮遊感の中にもしっかりとした芯の強さがあって大好きなアルバムです。高校から大学にかけてはモグワイの「come on die young」やレディオヘッドの「OK Computer」を聴いていたのですが、ギターの主張の仕方がそれらとシューゲイザーでまったく違うのが面白かったな(モグワイはホワイトノイズか?)

「Mahal/Glass Beams」
今年いちばん聴いたEPかも知れません。ジョージ・ハリスンの楽曲をもっとエスニック寄りに突き詰めた感じ。スリーピースで生み出すどこか粘り気を帯びたメロディラインが癖になります。ベースってこんなに主張しても良いんだって改めて知ったり(レッチリのフリーもか)。メンバーにインドがルーツの方が居ると知り、なるほどなと感心。フジロックで観たかった…

[文学編]
「こちらあみ子/今村夏子」
いや、この小説物凄く後味悪いぞ…でも今村さんの語り口は良い意味で読者を突き放しているようでクセになる。読者、若しくは登場人物への加虐性が独特な小説。展開が読めてしまったのは惜しいけど、久々に読んだ現代小説の中ではいちばん面白かったです

「田園交響楽/アンドレ・ジッド」
盲目の美少女と牧師のつかの間の恋物語。なのだろうけど、穏やかだった前半の展開が少女の開眼手術後に悲劇へと変わってしまうお話。美しさとは心の清らかさだけではないのかと考えさせられた一冊

[おまけ 宇野亞吉良展]
もうね、圧巻のひとことでした
元々寺山修司御大の影響で宇野さんの事も知っていましたが、いざ原画を観てみたら、フェティシズム溢れる世界観と高い描写力にダブルパンチされた気分になりました。近年で有名なのはシャカラビッツのジャケット画かな?

会場で撮影許可が出ていたので1枚掲載しておきます

天井桟敷の広告達

こんな感じでしょうか。まだまだ書きたい事は沢山あるのですが、収拾がつかなくなってしまいそうなのでこの辺りで

今年は新しいカメラをお迎えしたり、生活軸が変わったり、なかなか面白い1年でした。来年はもっと理知的に生きたいとは思いますが、今のうちに衝動を大切にした制作をしないととも思ってみたり(今35㎜レンズが欲しくて喉から手が出そうになっていますが)

拙い文章を読んでくださりありがとうございました

ではでは

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