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『チーム紫式部!』(楠木誠一郎・著/酒井以・絵)

 以前紹介した『光と陰の紫式部』(三田誠広・著)は、大河ドラマの関連本として宣伝されていました。この『チーム紫式部!』(静山社・刊)の紹介文には書かれていませんが、子供に向けた関連本でしょう。

 『源氏物語』はこうして作られた!?
 瞬間最大風力を記録した初恋が忘れられず、妄想が止まらない香子はー。平安お仕事コメディ!
 2024年度NHK大河ドラマで注目!
 世界最古の恋愛小説といわれ、いまなお世界で(日本だけじゃなく「世界」で!)読みつがれている『源氏物語』を紫式部が書いたとされるのは、いまから千年以上も昔のこと。そんな大昔に、あの長編がどうやったら書けたのか……。さまざまな説やうわさが流れていますが、ここだけの話、『源氏物語』はこうして誕生したのです。
 なるほど、そう言われてみれば納得できる(かも)?
 信じるか信じないかはーー。

 平安時代の雰囲気と、源氏物語の誕生秘話(?)を、現代の“JK・ティーンズ”に分かりやすく“現代風”に置き換え、源氏物語の作者の視点で描かれています。
 正二位、左大臣の藤原道長との出会いを思い出し、

 え? あんなの初恋なんて言わない?
 ちょっと待って。
 あなたの常識はそうかもしれないけど、あたしの生きてつ時代は、そんなに簡単に出歩いたりできないの。家の外で、男女が偶然出会って、会話を交わすなんてこと、そうそうあることじゃないんだから!
 あたしの脳裏からは道長さまの顔がぜんぜん離れない。

と語っています。

 こうした表現、文章が、現代の子供達に分かりやすく、これをきっかけに源氏物語の現代語訳を手にするのかもしれません。
 でも、難しい言葉ではなく、その表現は分かりやすいのですが…。年寄りに、この緩さは…。


 『源氏物語』が、「チーム紫式部」により創られたのか…。この展開は…。
 『源氏物語』を読んだことがある人も、読んでない人も、その誕生秘話(?)を楽しめます。
 大河ドラマの放送に合わせて読みたい一冊です。

   もくじ

あたしの思い出たち
家庭教師にトライ
光源氏の物語のこと
 【『源氏物語』 第一部】
 【『源氏物語』 第二部】
いじめ、ぜったい、ダメ!
チーム「紫式部」結成
エクソシストになる
やっぱり光る君
言い足りなかったこととか
 【『源氏物語』 第三部】
解説

【関連】
  ◇sane_saane - 以(@sane_saane)( X )
  ◇NHK大河ドラマ『光る君へ』
  ◇『光と陰の紫式部』(三田誠広・著)(2023/07/02 集団「Emication」)

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