見出し画像

『ChatGPT翻訳術 新AI時代の超英語スキルブック』(山田優・著)

 昨日紹介した『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(石角友愛・著/日経BP・刊)、そして以前の『オヤジも目覚める! ChatGPT革命』(竹内薫・著/徳間書店・刊)に続いて、 ChatGPT を仕事に活かすことを述べている『ChatGPT翻訳術 新AI時代の超英語スキルブック』(アルク・刊)です。

 本書の対象読者として、

○ 英語コンプレックスを克服したい人
○ ビジネスで英語の発信が求められる社会人
○ 英語でレポートや論文作成が必要な学生
○ 英語や外国語の教員
○ 翻訳者・通訳者

の5つを挙げています。いずれにも該当しない高齢者ですが、紹介されている“生成AIの活用ノウハウ”は、具体的な取り組み(翻訳)を通して分かりやすく、他分野での利用に活かしていけそうです。

 AI翻訳研究の第一人者が教える! ChatGPTの翻訳活用術!
 ChatGPTなどの生成AIの登場によって、英語を使ったコミュニケーションに、新たな時代の扉が開きました。
 本書では、AIによる翻訳技術を上手く使いこなし、外国語の壁を乗り越える「これからの時代に求められる」英語スキルを身につけられます。英語のメール、プレゼン、広告、レポート、etc...、あらゆる英語の発信に対応するためのノウハウが満載です。
<本書の特徴>
 まず、AIを上手く操るために言語をどのように捉えればよいのかを理解し、ChatGPTへの指示(プロンプト)をどう書いていくのか、という活用方法を深めていきます。
 技術の進化に左右されない核心的な言語スキルが身につく一方、今日からすぐに使える便利なテクニックも満載です。

 本を開くと、早速「はじめに」にプロンプト(ChatGPTへの質問)が出ています。

○ 次の日本語を英語に翻訳してください。
 私は猫舌ですから、食べるのが遅いです。
〈ChatGPTの回答) (略)

 そこに載る英語の一文(ChatGPTの回答)は、すっきりしません。
 そこで著者は、

プロンプト(ChatGPTへの質問)
 (略;回答にあった一文)
 これは英語で通じますか?
〈ChatGPTの回答) (略)

 ChatGPTから、分かりやすい説明(回答)がされています。
 こうしたプロンプトの出し方(続け方)は、これまでの検索や翻訳では難しかったし、そもそもしていないかもしれません。
 こうした具体的なプロンプトが、自分の仕事にも参考にできそうです。

 ちなみに、本書を読みながらChatGPT 3.5同じプロンプトで質問(指示)すると、本書とは違った内容(回答)でした。
 そして、通じるかの質問には「はい、英語での表現 "○○○" は通じます。」と答えてきました。
 その英文を、DeepL翻訳に入力して確かめてみると、その日本語訳、一緒に示されるその他の候補も、分かりやすい表現(訳)でした。
 ChatGPTなど生成AIの進歩、改善の勢いは、目覚ましく、“使わない”という選択はもったいないと強く思います。


 翻訳や英語を生業としない方は、“読む”というより、“参考にする”ように飛ばし読みし、時々立ち止まってChatGPTで確かめてみるのはいかがでしょう。
 手にしてみる価値のある一冊です。

   Contents

はじめに
本書を読む前に
[特典]プロンプトプレート集のご案内
Chapter 1 AI翻訳の進化の核心を掴む
Colum 1 AIの仕組みを理解しよう
Chapter 2 AI翻訳を駆使する「言語力」を身につける
Chapter 3 ChatGPTで翻訳する
Colum 2 ChatGPTで達人の翻訳を学ぶ
Chapter 4 実践で学ぶChatGPT翻訳術
Colum 3 自分の「音声クローン」で英語プレゼン! ElevenLabsを試してみる
Chapter 5 AIと英語学習の未来予測
おわりに
参考文献

【参考】
  ◇Translation Studies(Yamada's Translation Lab)
  ◇『オヤジも目覚める! ChatGPT革命』(竹内薫・著)(2023/11/08 集団「Emication」)
  ◇『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(石角友愛・著)(2023/○/○ 集団「Emication」)

  ChatGPT
  ◇生成AIの利用について(文部科学省)
  ◇「生成AIを巡る動向」(総務省 令和5年版 情報通信白書)
  ◇「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック(第3稿)」の公表(総務省 ICT地域活性化ポータル)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?