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詩|冬の花


草木が雨に濡れた匂いで空が咲いた
さよならが心に到着するのを待って
水色と薄朱色がマーブル模様をつくる
今日のいのちの暖かさを確かめていく

雲の形がどんどん変わっていっても
これを不思議だと思わない方が不思議 
雲の重さで空が沈んでしまう前に
この想いの花束だけは届けたかった

恋という輪郭に包まれた後悔のかたまり
二千年後の再会を願って乾杯なんてできない
ただ清らかなだけの春を待つなんて
わたしにできるはずがなかった

「君を失うことに抗うことはできない
 冬を愛さなかった僕への罰だから
 見えなかったものが見える場所まで
 飛んでいって、すべてを償うよ」

さよならという勇ましく美しい花が
冬の寒さの中でも立派に咲き誇っている



冬の花 / 月乃



さよならになるなって時、
なんとなくその匂いを感じるというか
虫の知らせみたいなのがあるよね。
わたし達はすごく繊細なお花みたい♡


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