#小説
ガラパゴスから広島へ、旅する手紙をたずさえて
「ガラパゴス諸島の生物は、独自の進化を遂げているのです」
九州の片田舎で狭苦しさを抱えながら葛藤していた中学生の私は、国語の教科書でその島のことを知った。
「天敵はいません」
うそでしょう、と思った。
天敵もいないのに多様な生物が一緒に暮らしているなんて、奇跡でしかないと胸が高鳴った。
ガラパゴス諸島は、夢のような島だ。
あの時の憧れを抱いたまま大人になった私は、9年前、ようやくその地に
「ガラパゴス諸島の生物は、独自の進化を遂げているのです」
九州の片田舎で狭苦しさを抱えながら葛藤していた中学生の私は、国語の教科書でその島のことを知った。
「天敵はいません」
うそでしょう、と思った。
天敵もいないのに多様な生物が一緒に暮らしているなんて、奇跡でしかないと胸が高鳴った。
ガラパゴス諸島は、夢のような島だ。
あの時の憧れを抱いたまま大人になった私は、9年前、ようやくその地に