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赤色が出てくる、塚本あおいの自作小説。
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#小説

【二次創作小説】 由真

光の中に黒い渦の回転があった。 彼女は一人、その中から這い出た。 水は回り、闇をゆっくりか…

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【小説】 作詞

歌を求めて長い旅をしてきた。 旅人の少年は絶望していた。 どこを訪ねても、そこにあるのは他…

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想い出

美術大学に進学して一番よかったことは、ホックと出会えたことだと思う。 最初の全体ガイダン…

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ひとり劇場(続) セイカ研究所

そして。研究所(ラボ)ばかりが立ち並ぶ小さな離島に、かつてポウースとベルジはいた。たくさ…

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ひとり劇場

そして。ある日、小学五年生のカースティは学校から帰ってくるなりこう言った。 「あたし、小…

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【小説】ネニコとシーザ(改)

ネニコという名前の老婆が一人、とある国の田舎町の、山の麓にポツンと建つ一軒家で静かに油絵…

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【小説】『リトル・リト』 美大生活の終わりに

1 あるところに、女がいた。名前をアキソラホホといった。彼女は自分がいつまでもは生きられないことを憂い、自分の分身をこの世に残す方法を思案した末、一冊の本をこの世に残すことにした。ところが本の完成の直後、彼女は死んでしまった。彼女は数少ない思い出を手土産に、他の誰もと同じように、ただ、この世から立ち去ったにすぎないのだ。 そして、この本を所蔵する美術大学附属図書館に、いまにもこの本をひらこうとする者があった。深緑色のコートを着たその人物は…… 彼女の妹だった。名前をソエ

【読み切り小説】ウルビ国の歩み

ウルビ国王は大帝国から脱出した。 薄暗い洞窟を抜けると、緑豊かな土地がある。そこで自らが…

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赤化世界とデモ・クラッシェ

夕方になっていた。 夕焼けは赤くて素敵だと思った。 ぼくは窓から見ていた。 ぼくの部屋は夕…

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もうひとりのわたしの話

かつて、わたしは二人いた。 もうひとりのわたしも、わたしと同じ赤色の髪をして、エメラルド…

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あきた照明寺ものがたり

前方から人が歩いてくるのを認め、つきのき郵便局はガラス戸を開ける心の準備をした。しかし標…

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