No.6【ケーススタディ】間違いを許せずにパニックになってしまう子の指導方法
1 はじめに
こんにちは!
Yuです😊
今回の【ケーススタディ】は、
『間違いを許せずに、パニックになってしまう子』の指導・支援方法です!
こういう子、意外と多くて、困っているお母さん方が多いのではないでしょうか?
私が以前発達障害の子が通う塾で担当した子も、パニックになってしまう子でした。
1年間担当させていただきましたが、最後の方は間違うことに対するいら立ちやくやしさも薄く、柔軟になり、落ち着いて日々を過ごすことができるようになりました。
私自身、非常に良い学びとなりました。
同じように困り感を抱える子どもは多くいます。
もちろん、それぞれの子どもの性格や程度もありますので、一概にこれが有効!ということは言えませんが、こういう方法もあるんだ、という助けになればと思います。
それでは早速いってみましょう!
2 この記事でわかること
自閉スペクトラム症(ASD)児の特性の傾向が分かる
間違いが許せずパニックになってしまう子どもの指導・支援方法の一つが分かる
周囲の人と連携することの大切さがわかる
3 【本題】間違いを許せずに怒ってパニックになってしまう子はどうしたらいい?
4 いつ、どこで、どのようなシチュエーションでパニックになるのか把握しよう
間違いが許せなくてカーっと熱くなってしまい、結果パニックになってしまう子でも、その程度はそれぞれです。
例えば、自分の間違いに対しても許せない、他の人の間違いに対しても同じように許せない子
自分の間違いだけ許せないけれど、人の間違いはそこまで気にならない子
自分の許せない間違いの場面や内容が限定されいて、それ以外はそこまで神経質ではない子
程度だけでも千差万別です。
また、いつ、どこで、どのような場面で、誰と一緒にいるときに間違いが許せなくてパニックになるのか観察することも大切です。
例えば、お母さんなど、自分の気の許せる相手だと自分の間違いを見られても気にならない子
それとは逆で、お母さんの前で間違えることに非常にストレスを感じ、攻撃してしまう子
相手や場面、状況、内容を考えても、その子その子で大きく異なります。
今回は、何に関しても許せなくてパニックになってしまう、パニックになると飛び出したり、周囲の人を攻撃してしまう、一番難しさのある子を想定していきます。
5 【方法1】自分が間違える姿を見せよう!
間違いを指摘することは最初は受け入れることが難しいと思います。
最初は、周囲の人が間違える姿を見てもらうということが大切です。
注意点としては、大きな間違いは子どもにとってストレスが強いので、軽いストレス、軽い間違いを見せていくのがいいですね。
例えば、
・鉛筆を取り出そうと思って間違えて消しゴムを取り出した。
とか
・使う教科書とノートを間違えた
など、本当にささいな間違いを見せていきましょう。
※ささいなものですが、子ども本人も間違える可能性のあるものがいいです。
必ず、間違えたときの子どもの反応を見てみてください。
どれだけ顔がこわばったか、どのような反応をしたかによって、もう少し踏み込んでいいか、もう少し軽めの間違いにと止めておくか判断していきます。
・その後の対処方法まで見せるとよい
間違いを見せた後は、そのあとの対処方法まで見せることが大切です。
「まちがえちゃった。まあいっか、消しゴムをしまって鉛筆だそう」
「まちがえちゃった。まあいっか、教科書探そう、ノートだそう」
など、落ち着いて対応する様子を見せること、間違えても何でもないという様子を見せることが大切ですね。
自分の中では、「まあいっか」がとても大事だと思っています。
6 【方法2】超スモールステップで取り組もう!
・本人が気づかないくらいに超スモールステップで
スモールステップで取り組むことが大切、ということは特別支援教育ではよく言われることですが、ここでいうスモールステップには、「超」がつきます。
「スモールステップ」は少しずつレベルアップしていくものですが、取り組みの中で子ども自身が課題を解決したという意識や、レベルアップしている!という意識をもたせることも大切です。
しかし、今回のパターンは、本人ができていない自分を強くとらえていることが多いです。
あえてできたね!と刺激を与えてしまうと、逆にそこから変化していくことが難しくなってしまう。刺激ゆえに意識してしまい、とどまってしまうことも可能性の一つとしてあります。(個人的な、経験に基づく意見ですが)
そこで刺激を与えず、落ち着いて継続して取り組むことが効果的だと思っています。
なので、いつも通りに接していますが、裏ではガッツポーズをしていることは何度もありました。
子どもが、「え?なに?間違えても全然大丈夫だけど?」
となったときに伝えるくらいでもいいのかなと思っています。
もちろん、即時にフォードバックする方が良いという方もいるかもしれませんが、そこをどうするかは子どもの特性にもよるのかなと思います。
7 【ポイント1】焦らずゆっくり時間をかけて取り組もう
子どもによっては、一度ああダメだと思うと、そこからバラバラと崩れてしまうこともあります。
最新の注意を払いつつ、適切な負荷をかけていくことが大切です。
その時の気分や調子によっても負荷のかけ方を変えることも必要になってきます。
例えば、
今日はなんだか表情が曇っているな → 無理せず取り組む
晴れやかな顔をしているな → いつもよりも少し負荷をかけてみる
つい、すぐになんとかしないと!
と思ってしまうかもしれませんが、そこをぐっとこらえて、その子にとってちょうどいいペースで進んでいけるよう調整していくことが大切ですね!
8 【ポイント2】周囲の方と密に連携しよう
このような困難を抱える子どもは、学校でもあまりなじめておらず、不登校になっていたり、家庭で荒れてしまっていたりすることも少なくありません。
その子のためにも、その子のお母さん、お父さんの気持ちのためにも、周囲の理解ある人と繋がっておくことはとても大切です。
学校の先生でもいいし、塾の先生、病院の先生、役所の子育て支援課、障害福祉課、なんでもいいです。
子どもの困り感に理解があり、一緒に考えてくれる人が一人いるだけで、安心感や希望が大きく変わってきます。
前にもお話しましたが、子どもの性格で起きている問題ではない。というところが大事です。
脳の前頭葉の制御の問題であったり、様々な要因が絡み合ったりして、間違いを許せずに怒ってパニックになる、という現象が起きているのです。
お母さんも、子どもも幸せになるには、ぜひ必ずどこかと繋がり、気軽に話せる間側になってください。
9 まとめ
この記事のまとめです!
【本題】間違いを許せずに怒ってパニックになってしまう子はどうしたらいい?
いつ、どこで、どのようなシチュエーションでパニックになるのか把握しよう
自分が間違える姿を見せよう!
超スモールステップで取り組もう!
焦らずゆっくり時間をかけて取り組もう
周囲の方と密に連携しよう
です!
非常に難しい分野の取り組みだと思います。
あせらずじっくり取り組んでいくことが本当に大事だと思っています。
また、今回のような内容は、子どもに応じて支援・指導方法が全く異なる場合もあります。
一人一人の子どもの実態をしっかりと把握したうえで、どうしたらその子が今より生きやすくなるのかを考えていけるといいのかなと思っています。
ぜひ、一つの参考にしていただければ嬉しいです。
それではまた次の記事でお会いしましょう!