【読書】 「わかったつもり」は自分じゃない。 ~ わかりやすさの罪 武田砂鉄 ~
TBSラジオで放送されてた「ACTION」が終了して、もう4年も経つんですね。
自分的に黄金時代だったTBSラジオで、一日の視聴の締めの番組でした。
朝は伊集院さん、そしてスーさん、赤江さんと来て、「ACTION」。
仕事が終わらない日は、そのままチキさんに雪崩れ込むような。
「ACTION」の曜日ごとのパーソナリティさんは、番組が始まった頃は知らない人ばかりで最初はピンと来ない感じでしたが、そこは毎日聴いている内に人となりが分かり、愉快に聴いてはメールで投稿もしていました。
メールが読まれた時のプレゼントだったマスキングテープ、大切に保存しております♪
そして惜しまれながら番組が終了する前後から、クドカンさんは舞台にドラマに脚本家として変わらずの大活躍、尾崎世界観さんはミュージシャンでありながらも芥川賞候補となり、クリーピーナッツのDJ松永さんは世界的な賞を取り、羽田圭介さんは芥川賞を取り、そして、さてっちゃん(勝手な親近感)は「ACTION」でラジオパーソナリティとして輝き出して(前から?)、現在のTBSラジオで大車輪の活躍となっています。
何で番組終了させてしまったのかしら・・・。
その自分的黄金時代はすっかり変わってしまい、TBSラジオの平日はスーさんしか聴かなくなっています。
時代は変わりますね。(自分だけでは?とか聞こえない)
かなり小難しいと耳にしていた、そのさてっちゃんの本。
ハードカバーが文庫になったと新聞で知り、いそいそと買って来ました。
そして、読みました。
小難しさは噂通りで、タイトルに使われている「わかりやすい」という、みんなが割と好物な出来事に対しての「罪」作りっぷりが熱く書かれています。
本書冒頭の「はじめに」は、玄関前でインターホンまたはドアをノックして、まずはお伺いしましたの段階にも関わらず、すでに「わかりやすさ」さん?、あなたねぇ・・・と、臨戦態勢気味。
そしてドアを開いてくれたその先には、1から24まで「わかりやすさ」さんに「あなたホントにそれで良いの?」「ホントにそう思っているの?」「そんなもんなの?」「わかった“風”のポーズ決めてない?」「決めつけないでちょうだい!!」「もっと考えないと!」「分かんないなら、とりあえずそのままもありなのよ!」、といった感じに問うて来てくれます。
最後の「分かんないなら、とりあえずそのままでもありなのよ」は、「わかりやすさ」さんが一番苦手なことかもしれません。
分かりやすく知りたいから、そのままではいられませんもの。
よく「全米が泣いた!!」といった映画の宣伝文句に、ひと昔前は「そうなのね」と思ったものですが、いまは「ホントかよ(笑)」という立場を取る人が多いと感じます。
今は「全米が泣いた!」を使ってしまうと、安さ爆発感の笑い文句に成り上がった感があり、最近は使われている様子はとんと見かけません。
自分が思っていた「全米が泣いた!!」に成り代わるように、スルリと本書ではとある映画の「4回泣けます」問題について熱く書かれていました。
「泣く回数を決められた映画なんか、見るもんか!!」と怒る方に、さてっちゃんを溜飲を下げています、感情を決めつけられてたまるか!!と。
小難しいわ・・と読み始めましたが、途中から「考えること」の重要さを感じ始めました。
「わかったフリ」「わかった気分」は本当に罪であり、自分の考えを放棄していることだ、と。
他人の意見が自分の意見となってしまう危うさ。
これから色々な地域で選挙がありますね。
「どうせ行ったって変わらない」
この言葉はいつ頃からか「投票に行かない人の考え」として固定されている感じです。
この言葉を発することは、他人の意見でご自身の意見じゃ無いのでは?
この言葉でとってもルンルンする何某かにコントロールされていやしないかしら?
面倒だけど、選挙ポスターの掲示板だけでも見て見ようかしら?
何かこの人の顔、気に食わないわ。
わたしの税金、この人に使われたくないわ。
こっちの人の方がマシそうだわ。
仕方ない、こいつに投票してやろう。
こんな感じに落ち着いたとして、「どうせ行ったって変わらない」から、ご自身の考えに変換出来たことになりはしませんか?
嫌いな人(党)には投票しない。
好きよりも嫌いのエネルギーの方が爆発力は強いと思います、自分事ですが(笑)
うっかり本の感想じゃ無くなりつつありますが、選択肢にある「どっちだ?」「どれが良い?」の誰かが決めたコト以外の「どっちでもどれでもないよーん」は、「ご自身」の大切な選択肢かもしれません。
「その他」に「✓」と入れて、ご意見欄が空欄であったとしても、簡単に捨てるには惜しい選択肢かしら?っと。
どんどん分かりにくくなりつつある今回の感想文。
さてっちゃんの「罪」の解説をぜひお読みになって下さい(笑)
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