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『#021.呼吸4(呼気実践編その1)』を掲載しました

僕は中学の吹奏楽部で初めてトランペットを手にしました。もう35年も前の話です。
当時はインターネットなど存在せず、吹奏楽や管楽器に関する情報の入手は書籍くらいしかありませんでした。なので、情報を手に入れること自体が大変で、最大の問題点は手に入ったものに書かれた内容が正しいと思ってしまうことでした。
その影響もあるのだと思いますが、各学校の吹奏楽部ごとに謎の伝承があって、特に基礎的な内容についてかなり独特な方法や限定的で発展性のない内容ばかりをやっている傾向にありました。ただ、これは今も変わっていないようにも感じます。

そんな感じだったので僕も中学で吹奏楽部に入部して最初にやらされたことは吹奏楽部なのに、

腹筋トレーニング

でした。体操着で音楽室に集合し、腹筋。あとマラソン。

筋トレはもしかすると健康には良いのかもしれませんが、管楽器を吹くために必要な腹筋と、トレーニングによって鍛えられる腹筋は違うものなので、必要な行為とは言えません。
また、腹筋トレーニングは呼吸を停止して行う運動ですから、空気や空気圧をコントロールして行う管楽器の演奏とは真逆の体の使い方であると言えます。部活動で腹筋トレーニングをした後に管楽器を演奏すれば、「腹筋トレーニングの体の使い方を流用しよう」と考えるのは当然です。その結果、腹直筋を強く使い体を丸めて喉を絞め、空気を流さない状態にして管楽器を演奏する、という矛盾した行動をしてしまうわけです。

流石に最近の中高の部活動で、管楽器を演奏するために必要だから、という理由で腹筋トレーニングをしているところは(リサーチする限り)少ないようで、若い管楽器奏者はそこまで体を締め付けるような使い方をしている人はあまりいません。
一方、僕よりもう少し若い世代(30代)より年齢が上で学生時代吹奏楽部に所属していた方の多くは腹筋トレーニングをさせられていたとおっしゃいます。そうした方ほどトランペットから音を出す際に腹筋トレーニング状態になっている方が多いです。それだけでなく空気が喉で止まってしまうと唇の振動が発生しにくく、そのため口の周りを食いしばる傾向にあります。

管楽器を演奏する上で、どんな筋肉が働くと何が起こるのか、中でも呼吸に関する正しい知識を持つことは非常に大切です。が、その部分を飛ばしてしまう方も、指導者も多い印象です。
人間にとっての呼吸の仕組み、別にそんな難しいことではありませんので、正しい知識を手に入れて、正しい体の使い方をしていただければと思います。

そんな内容のヒントになることを書きました。隔週土曜日の朝、これまで書いてきた「ラッパの吹き方:Re」というブログを加筆修正してnoteに掲載しております。よろしければぜひご覧ください。

また、本格的に呼吸やトランペットを演奏する際の正しい体の使い方とその知識を学びたい方はぜひ毎月複数回開催しております「ツキイチレッスン」にいらしてください。

内容自由、単発参加型なのでお気軽にご参加いただけます。
開催日、詳細はこちらをご覧ください。

どうぞよろしくお願い致します。


荻原明(おぎわらあきら)

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荻原明(おぎわらあきら):トランペット
荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。