JIDA70周年事業として高度デザイン教育プログラムのセミナーをやります!
こんにちは、なかもりです。
タイトルにもありますが、今度、JIDAさんでセミナー形式のイベントをやります。
JIDAというのは、公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会のことで、製品デザインに関係する日本で唯一の全国組織です。そのJIDAさんが今年70周年を迎えたとのことを記念して、これからのデザインのありかたにむけていろいろなイベントを行っています。
今回参加するのは「DXDキャンプ」という高度デザイン人材育成のためのスクールプログラムです。
高度デザイン人材って?
ここでいうデザインは、「かっこよくする」とか「きれいにする」とかの見た目を整えることではなくて、どちらかというと「設計」に近い意味になっています。(なお、”高度”というのはレベルの高低や優劣を表しているのではなくて、経産省がよくつかう産業人材の用語で、「専門性がある」くらいの意味と捉えたほうがよさそうです。
そして、高度デザイン人材は、このように定義されています。
わかりにくいのですが、ほんとうにざっくり説明すると、
モノとかサービスの詳細のところのデザインをするだけじゃなくて、その根本のところで、「世の中を見て、何をするべきかを考えて、その事業(製品含む)があることで社会がどういう風になったり、人にとってどういういいことがあるかを考えながら形にしていく人。」です。しかも、それって、過去のやり方をマネするんじゃなくて、新しいことにしていく創造性が必要だよね、ということです。
たとえば、トリニティでは、「インドのご家庭ではどういう風にお洗濯をしている?」ということを調べにお宅に訪問して洗濯の様子を観察して、インタビューもして、レポートを創ったりしています(サリー専用の洗濯板がついていたりして、日本の人とはお洗濯のやり方が違います。また簡単な洗濯サービスもあったりします)。
こういう状況をとらえて、インドの人がどういうものがあるといいのか、あるいはエコ意識の高まりなどの社会の価値観もとらえたうえで、「これから必要になる洗濯機の機能」を考えていきます。
つまり、製品やサービスのデザインをするときに「機能」を設計するのですが、その機能がどういう人に、いつ、なぜ必要なのかを考えてからじゃないと、いいかたちにはならないです。そして、創るだけじゃなく、創るためのしくみ(組織)や売り方までもいい感じに(デザイン)していくことで、全体を価値あるものにしていけます。
こういうふうに、ビジネスの部分(技術や形)だけではなく、全体をとらえて領域をひろげて、トータルでよくしていく仕事をするひとが高度デザイン人材だといえます。なので、今みたいな何が売れるかわからない複雑な時代には、デザイナーだけじゃなく、技術開発や経営、あるいは人事などいろんな出身の人も身につけるとよいスキルだよね、ということになっています。
JIDA80周年事業でのイベントにDXDキャンプも参加
DXDキャンプは、高度デザイン人材になっていくためのオンラインスクールです。トリニティがこれまでのデザインコンサルの経験を活かして、2年前に開講しました。おかげさまで修了生も100名を超えて、日経デザインさんにも取り上げられたりしています。
詳細はこちらから
JIDAさんは、長く製品デザインのところで日本に貢献してきた組織ですが、70周年を迎えて社会がおおきく変化する中で、デザインというものをとらえなおしています。
DXDキャンプは、これからの時代を描くこの記念事業にふさわしいということで、選ばれました。
高度デザイン人材になってデザイン経営を実現しよう~「DXDキャンプ」に触れる3日間~
イベントは3回です。
DXDキャンプ内で実施しているレクチャーの抜粋と、実際に通った人のお話がきけます。
申込方法
JIDAさんのサイトから申し込んでください。
https://www.jida.or.jp/information/seminar_dxd3
きてね!
文責:中森志穂
トリニティ株式会社 デザインリサーチャー
東京大学 学術専門職員 ビジョンデザイナー
筑波大学大学院 人間総合科学感性認知脳科学専攻 博士課程 単位取得満期退学(2011年)。
筑波大学在学中に日本学術振興会特別研究員として採用され、感性工学をデザインの側面から研究。その後グローバル電子機器メーカーにて技術プロモーション全般を担当しつつ、任意団体にてオープンイノベーションによる新規事業、ソーシャルデザインに関わる。デザイナーとしても活動し、キッズデザイン賞ほか受賞。現職では、デザインリサーチ、企画設計およびプロモーション全般を担当。
次の“移動”を創る「人・技術・知恵をつなげる」研究会KITEや、DXDキャンプ(高度デザインDX人材になるための実践プログラム)など学びの場づくりにも取り組んでいる。