あさんぽ始めました〜心はいつもニュートラル〜
二十歳のときに神経性頻尿になった。
それまでトイレを意識して行動したことがなかったので、長距離ドライブに行くというのに、待ち合わせのカフェで珈琲を飲み、そのまま車に乗り込んだ。よりにもよって、この先しばらくトイレないよという地点でトイレに行きたくなった。「あと30分ぐらい我慢して!」と言われ、ドライバーは急いでくれたけれど、猛烈につらかった。その経験以降、電車に乗る、バスに乗る、車に乗る、・・とにかく、5分でも10分でもトイレに行けない状況になると、トイレに行きたくてたまらない。試験や面接など、ある程度の時間を区切って身動きできない事態もめちゃくちゃ苦手。できないこと、躊躇してしまうことが増えた。
結婚して、義父母の干渉にさらされるようになると、会社帰りに電車に乗るのが怖くなった。当時はスマホなどないから、電話といえば固定電話。家電なんて言葉すらなかった。それしかないのだから。家に帰ると電話が鳴る。それが怖くて、電車に乗れなくなった。正確には、一駅ごとにトイレに行きたくなってしまうのだ。
これはさすがにまずい・・と思い、当時日比谷にあった心療内科に行った。血液検査をすると、「コルチゾール(ストレスホルモン)が正常の5倍もある(そう記憶している)。薬を飲まないと治らないから、飲んでね」と言われた。
義父母がらみの件では、その後もずっとストレス過多な状況が続き、カウンセリングにも行ったし、心療内科にもいくつか通った。だが、神経性頻尿が治ることはなかった。というより、治すことをあきらめた。
本来勝ち気で、自己主張が強く、なぜか自分に絶対的な自信を持っていた私が、常にびくびくびくびくするようになったのは、やはり義父母の存在が大きく影響している。
時は経ち、そんな義父母も亡くなり、穏やかな生活が戻ってきたはず・・が、30年近く続いたびくびく生活で形成された性格は、そう簡単には変わらない。自己防衛本能が強く働いてしまうのか、ありとあらゆることが心配で、起きてもいないことを過剰に考えてしまう。
そんな中で、夫が膵頭十二指腸切除術を受けることになった。
「術中死」の確率まで示される難しい手術だ。万が一のことがあったらどうしようと考え始めると震えがくるようになり、かつてお世話になったサイコオンコロジークリニックの扉を叩いた。がん患者専門のクリニックなのに、医師は「思い出してくれてありがとう」とあたたかく迎えてくれた。抗不安剤を処方してもらい、自分の心の状態に合わせて服用している。
夫の体調も落ち着いて、あんな怖い思いを乗り越えたのだから、もう何があっても大丈夫・・と思えたはずなのに、今度はお腹が痛くなった。左脇腹に何かつかえているような嫌な痛み。便通もすっきりしない。意を決して大腸内視鏡検査を受け、異常なしとの診断を受けて示されたのが、IBS、過敏性腸症候群の可能性。
今度は腸??
神経性頻尿も治らないのに、今度は過敏性腸症候群ですって?
どこまでヤワなの、私。
残りの人生、あとどれぐらいあるかわからないけれど、くよくよびくびく、正体の見えない不安に怯えながら暮らすより、どーんと構えてゆったりのんびり生きたい。
どうすりゃいいんだ!?というときに、目に留まったのが、「朝散歩の効用」。
何でも朝日をあびながら歩くことで、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が増え、心が安定するのだそう。
<朝散歩のコツ>
1.起きて一時間以内に歩く
2.15分~30分、無理のない範囲で
3.一定のリズムを刻んで歩く、だらだら歩かない
4.考え事をしながら歩かない、いま、目の前にあることを意識する、温度、風、空、木、花、雲など
5.音楽を聴きながら歩かない、「いま」に集中する
6.三ヶ月続ければ効果が感じられるようになる
最低三ヶ月!
現在15日目。
まだまだだ。
朝散歩の効果を信じて継続する。
上に書いた「一定のリズム」というのが脳の働きにはとても重要らしく、帯津医師も、「呼吸が大事、歩きながら1、2、3、で鼻から吐く、4で吸う、このリズムで歩くといい」とおっしゃっているので、「一定のリズム」に「呼吸法」を取り入れた。
そのうえ、三瓶先生も言ってる!(いきなりフィクション)
『アンメット』のミヤビちゃんの不慮の事故って何だっけ?そんな描写あったかな?とTVerで第一話を見てみたら・・(事故のシーンはなかったけれど)
三瓶先生が、
「咀嚼のように一定のリズムで同じ運動を繰り返すことで『幸せホルモン』といわれるセロトニンの分泌量が増えて幸福度が上がります。だから僕はこれ(グミ)を食べます」
と言ってるではないか!
また出た。一定のリズム!
「じゃあガム噛みながら散歩するといいっていうのは本当なんだ」と夫。
一定のリズムで歩く、一定のリズムで噛む。
一定のリズムの相乗効果?
なんだか本当に効果ありそうな気がしてきて、何より三瓶先生に言われたことで、朝散歩のモチベーションも上がる。
とにかく三ヶ月、歩いてみる。
心をいつもニュートラルに。そんな自分を目指して。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?