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2021年6月の記事一覧
【通信講座】 小説「楽園の寵児(仮)」 講評
おもしろくはないが
意外に読ませる。
フローベールのような執拗な描写が
細部への興味をかきたてる。
サンは、サンだけにサンドイッチやおにぎりのあるあたりで忙しそうに何度も腰を曲げては働いていた。はずかしげもなく、このようなシャレを地の文に書くのは
なにを狙っているのだろうか。
(おそらく)若い作者(経験的作者)は、読者に
どのようなモデル作者を提示したいのだろうか。
太宰治は、モデル作者をキ
【通信講座】 小説「考える海」 講評
もっとまともな文章なら
第2回 川光俊哉賞を受賞していたかもしれない。
残念でならない。
「考える海」、「ストロベリーシェイクみたい」な「泡立ち渦巻くピンクの海」が
的確に布置された細部、イメージの遠近法をつつみこみ
すべてのセンテンスが甘美な破局を用意している。
このような作品を書く作者が
このようなきたない日本語で満足しているのが
不思議でならない。
(作者より)
ある方に、私の場合
【通信講座】 小説「屹立」 講評
(作者より)
昨日はありがとうございます。
いただいた講評を受けて、登場人物の行動原理に注意しつつ、昨晩ひとつ、書いたものです。
人間を書けているか、(自分では書いているつもりなのですが)教えていただければと思います。
流石に、こう何度も連続で、依頼させていただくのは気が引けるのですが、お願いしてもよろしいでしょうか。
佯狂。
意味が分からなければ検索してごらんなさい。
あいまい、適当、というよ
【通信講座】 小説「僕だけの島」 講評
雰囲気のみで、いろいろとあまい。
尺かせぎの描写、つまり
主題、伏線になんの奉仕もしていない、象徴としてなんの機能もしていない
描写のための描写が大半で
非常に冗長。退屈きわまりない。
語り手に行動理念がないため
意味のある行為が展開されず、なにも起きていない、
なにも書いていないに等しい。
島民は、誰も彼もが顔に葉を貼り付けていた。ヤツデによく似た、空島の固有種だと聞いている。古くから伝わる、
【通信講座】 小説「読書体験」 講評
個性的イメージが散見される、ロートレアモン、シュルツめいた散文詩。
奔放な事物、情景の変転におもしろみがなくもないが
小説の歴史にあらたななにかを提唱、表現することはできていない。
中にいたのは、しみだらけの脚と仮面だ。
突然、海から炎の熱気を感じた。いや、海が炎と化していた。炎はゆっくりだが、寄せては返している。まもなく冷蔵庫に引火した。
ぼくは空にいた。空中では三人の胸像がテーブルを