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ようかんに対するヒエラルキーや抵抗感が低い地域でないと「ようかんぱん」を名乗る形にはなかなかならない。ようかんパンの震源地からほうぼうを眺めつつようやく「ロングスワニー」と「ようかんちゃん」までを思い出すまでの彷徨逡巡レファレンス。

やはりあまりアタマが廻ってなかったな、と記事添削しつつ
サッサとオランダモルト開けて寝て起きられたのは正解。

順調に数字を刻んでここまで辿り着きました。スキ二桁以上記事の300記事目到達でございます。林田健司版の「KANSHAして」からつらつらと謝辞。
|torov|note

じゃ、始める前にはようかんが踊っているような、
を探してみるか。
『まほらば』OPで「大事 Da・I・Ji」。

ニコにはあった。

つべは曲だけですかね。



では、周り回ったレファレンスになった感じ、で
今宵の本題。

ようかんに対するヒエラルキーや抵抗感が低い地域でないと
「ようかんぱん」を名乗る形にはなかなかならない、
ってぐるぐるしたお噺で。

コーティングするパターンからちょっと変化球で翡翠パン
を名乗っている地域はまだようかんに対するヒエラルキー
が高いので名称を避けている、とも言える。

このようかんヒエラルキーはかつての城下町に顕著
で、って話はかつて橋本治もしてたし、そのうち
出てくるだろうから、ここでは深く触れない。

まあ富山県朝日町のパターンは近くの海岸でヒスイが摂れる
からそれに寄せていった点では模範的な由緒とエピソードが
確立してるかな。

 和菓子も作ってたパン屋が失敗を糧にしてようかんに天然
由来の色素(紅麹とくちなしで作った緑色)で緑色の上に
塗るようかんを作ってあんぱんの上に形成する丁度いい技術
の継承がでけてはるんやなと。

https://www.athome.co.jp/vox/series/life/104837/pages2/

日テレニュースにしてはVがかなりフラットだからこそ
これを紹介するのはアリか。

食のフィールドワーカーと調査力のレポで行けばやはり
ここは「全国イイ味ハマル味」か。

入手してるのは朝日町の近隣入善町ですが。

でも地元の量販パン屋が全て全国資本の傘下に入り、独立系
が「ちくわパン」の「どんぐり」しかない北海道のパン文化
で意外と根強くようかんぱんは根付いているな、と感じたのは
デカいようかんぱんの名称の懐かしさにここで触れたこと。


確かに長いようかんぱんは「ロングスワニー」って言ったわ、
確かに(日糧パン製)。

ま、その検証はおいおいするとして、富山でまだようかんぱんの
名称で売ってるのもまた「全国イイ味ハマル味」は捕捉して
はる。

こちらは「昆布パン」で有名な射水市(昔で言うと新湊)の
「さわやパン」製か。

昆布パンは富山で買ってブツ撮りもしたけど、まあ
それは気が向いたらで。

気が向いたので富山の昆布パン



さて、今度は高知に飛ぶか。
ようかんパン高知のケースは、といえば。

菱田ベーカリーでしたっけ。ここのはとみにカラフル。
(ゆずや抹茶、紫芋とかチャレンジしてはる)

宿毛市にあるパンメーカーでしたっけ。

ここも和菓子製造経験あり、で焦げやすいあんぱんの色直し
も含めてこの形式に至ったと。


ほで、今度は駿河のあたりに。

静岡県だと東部駿河国地域でよく生産されていたけど、
現在は「つけナポリタン」などのB-1グルメがある富士市の
富士製パンの名物になってるみたい。

「全国イイ味ハマル味」はベルマートで購入してたけど、
まだ東海キオスクはベルマートの屋号残してるんだ。

一応ここで出てきてるのは(城下町文化に基づくようかん
ヒエラルキーから程遠い駿府って事情もあるけれど)、
チョコレートコーティングの代用品説が結構有力視されてるんだっけ。


で、九州のようかんパン、ってカテゴリは「ジャンボ白あん」
や「スナックブレッド」などで有名なイケダパンの商品か。

ラビットパンでしたっけ。

こちらもコーティング系のようかんパン。
イケダパンらしく餡が白あんなのも特徴。

てか、案の定イケダパンもヤマザキ傘下なのね。

冷やして食べるのも確かにアリだよな。



と他地方の外堀は埋めてきたところでいよいよ北海道の
ようかんぱん、って話。
(田島ハルは「ようかんパン」表記を取る、だっけ)
 一応田島ハルの言説は要点を整理して記してみるか。

ようかんパンは、ホイップクリームなどのクリームを挟んだ
パンに、液状のようかんをエクレアのようにコーティング
した、北海道で食される代表的な菓子パン。その見た目から
チョコパンと勘違いし、「騙(だま)された」経験のある
道民は少なくないと思う。
 ツイストタイプ、コッペパンタイプ、正四角形タイプなど
形状は様々だ。


ホイップクリームをサンドするのは北海道独自のようだ。

「田島ハルのくいしん簿」101食目 ようかんパン
(2021年11月26日(Fr.金)朝日新聞夕刊道内版掲載)

https://twitter.com/tajimaharumanga/status/1477809921223962631

Wikipediaでわざわざその疎さからうやうやしくも要出典
カマそうとしてる記述があるけど、これが補完材料でいい
んじゃないかとは思うけどね。


[要出典]
その形態から、パッケージが開封された状態で提供されると、チョコレートがコーティング
されたチョコレートパンと混同されやすい。騙された経験がある北海道民も多い。

ま、これは先のコーティングでチョココーティングが一世を風靡した
後だからの事象と冷静に判断することは可能なのだし。


定番の一つとして挙げるのが、日糧製パンの「ようかんツイスト」。
ようかんの甘さが奥ゆかしく、ホイップクリームは軽やか。

「田島ハルのくいしん簿」101食目 ようかんパン
(2021年11月26日(Fr.金)朝日新聞夕刊道内版掲載)

http://www.nichiryo-pan.co.jp/wpc/wp-content/uploads/2023/07/42.jpg

この小麦粉統制(騰政)前だと買いやすくて、三個入りが
定番だったのだけど。


ようかんパンの魅力は、すうっと舌にとけるようかんにある
と思う。

やはりあの、うすーいようかんにこそ、ようかんパンの美学
が宿っているのだ。

「田島ハルのくいしん簿」101食目 ようかんパン
(2021年11月26日(Fr.金)朝日新聞夕刊道内版掲載)

ここが要諦だとは思うのですが。

あと先程言った「ロングスワニー」がいつしかようかん
コーティングマシマシで「ようかんちぎり」になったり、
セイコーマートが参戦したりで「ようかんあんぱん」タイプ
もこしあんか、イケダパンーヤマザキつながりで白あん
だったりが混在しているのも現状なのかと。


 で、少しだけあまり触れられてない方面にフラッと話を。
田島ハルレポートにあった正四角形タイプ、が気になるので
そこをちょっと深堀りでもするかと。

関西の派生も丸め込まれて喪った末期の北欧にもまた確か
ようかん使ったパンがあったような、ってヤツで。

貴重な画像もあるブログがあった。ようかん使った正四角形
タイプのようかんパンって、「ようかんちゃん」だ。

上がようかんコーティングでボックス状のパンの中にホイップクリームと
粒あんが入ってるのがベーシックだったっけ。


ま、今回は「ロングスワニー」と「ようかんちゃん」を
思い直すことが出来ただけでもいいレファレンスが出来たのかな、と。